島津製社長:中国で売上年10%増目指す-食品・環境規制で

分析機器国内最大手の島津製作所は 今後数年間、中国市場での売り上げで年率10%成長を目指す。食品の 安全性や環境問題を解決するため中国での分析機器需要が拡大している ことが背景。中本晃社長が2日、ブルームバーグ・ニュースとのインタ ビューで明らかにした。

島津製作所は、物質を成分ごとに分離して調べるクロマトグラフを はじめとする分析機器を中国で販売している。残留農薬や河川の汚染問 題から中国では食品規制や環境規制が厳格になっていて分析機器の需要 が増大しており、今後も伸びが見込まれる。

中本社長は、「中国は国をあげて、食品問題や大気、水といった環 境関連問題を解決しようとしている」と述べ、「人の生活にかかわる分 野で需要が息切れすることはない」と大きなビジネスチャンスがある点 を強調した。

経済危機で世界での需要が落ち込む中、中国市場は成長が続き、島 津製作所での位置づけは高まる一方だ。2009年3月期の連結売上高が 前の期比6%減の2728億円となるなか、中国での売上高は同12%増の 334億円となり、中国での売上高比率は10%から12%にまで高まった。

東海東京調査センターの佐藤春雄シニアアナリストは、「現地通貨 ベースで10%以上の成長は十分可能だ」と話した。公害対策などで必 要不可欠な分析機器の需要が中国で根強いためで、そのうえに「島津製 作所には競争力もある」と述べた。

中国は、06-10年の第十一次5カ年計画で、二酸化硫黄など主要 汚染物質排出量の10%削減を打ち出すなど環境規制を厳格化している。 加えて世界経済危機を受けた4兆元(約55兆円)の景気刺激策でも環 境保護対策に力を入れている。

部品は中国製、既存品より3-4割安価に

中本社長は今年6月に就任。服部重彦会長の路線を踏襲し、島津製 作所のグローバル化を最大の経営課題に掲げる。新興国の中での最重要 拠点が中国だ。中本社長は、「中国の人口が日本の10倍近くいるので 長期的には日本での売上高と同程度を目指せる」と述べ、現在の約5倍 の成長余地があることに期待を寄せた。同社の日本国内での売上高は 09年3月期で1569億円。

中国での成長を目指す中で脅威となるのが、安価な中国製品だ。こ れに対抗するため、中本社長は「従来製品よりも安い分析機器を今年中 に」中国市場に投入する。機能を絞り、部品を全て中国製にすることで 既存品よりも3-4割安く、現地メーカーの製品と価格面でも競争でき る製品を開発した。

佐藤春雄アナリストは、「安価な中国製品が出回ると島津製作所も 値下げを余儀なくされる」と話し、先行して低価格製品を販売する戦略 を評価した。

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