鳩山民主代表:「日米同盟が基盤」を再確認-論文の波紋受け

鳩山由紀夫民主党代表の米国離れ ととられかねない論文が米紙などに掲載され波紋を広げる中、新政 権発足準備を急ぐ同代表は、3日未明行われたオバマ大統領との初 の電話会談などで、日米の同盟関係が揺ぎないとの立場を米側に 再確認する作業に追われている。

「私の政治哲学」と題する論文は8月10日発売のPHP研究所発 行の月刊誌「Voice」に掲載され、その一部が民主党が大勝した衆 院選挙の直前にニューヨーク・タイムズなどに翻訳・掲載された。論 文は、米国主導のグローバリズムの時代は終焉(しゅうえん)し、世界 は多極化に向かう、と予想した上で、東アジアの安定した経済協力と 安全保障の枠組みを創るために、日本の国家目標として「東アジア 共同体」の創造と、これを支える「アジア共通通貨」の実現を提唱し ている。

ニューヨーク・タイムズは9月1日の社説で、「米政権内では、日 本が、アフガニスタンでの戦争やアジアでの米軍再配置など米国の 主要優先案件について、米国への支持をやめるかも知れないとの懸 念が高まっている」とした上で、鳩山氏は最近、グローバリゼーション に反対し、アジアにより大きな焦点を当てる姿勢を明らかにしたと指 摘した。

これに対し、鳩山氏は8月31日、記者団の翻訳論文に関する質 問に対し、「一部を抜粋したものを載せたもので、中身が一部、ゆが められて、というか、一部だけとらえられて書かれていると。わたし自 身が書いたものは決してグローバリゼーションの負の部分だけを申し 上げるつもりはなかった」と説明した。会見の内容は産経新聞(電子 版)が伝えた。

また、NHKによると、鳩山代表は、オバマ大統領との電話会談 で、日米同盟は日本外交の基盤との認識を伝えた上で、緊密な協 力の中で、建設的な未来志向の関係発展を図りたい、と述べたとい う。

また同代表は同日夕、米国のジョン・ルース新駐日大使と党本部 で初会談を行った。ルース大使は会談後、記者団に対し、「両国は 価値観や利害を共有してきたことから、戦略的問題だけでなく、科学、 文化問題など幅広い分野について、関係をどう強化、一層深化させ ていくか時間をかけて話し合った」と紹介。その上で、「やらなければ ならない仕事はたくさんあるが、われわれは共にやっていく」と両国 の協力関係を強調した。

反米でない

慶応大学の曽根泰教教授(政治学)は、翻訳論文について、「米 国は過剰反応し、鳩山氏は誤解された。電話で会話をすれば鳩山 民主党がどれくらいのことを考えたか分かるはず。今回の電話会談 はコミュニケーションのためにいいこと」と述べた。

同氏はまた、民主党が在日米軍再編の見直しを進めていることな どについて、「民主党の言っていることは反米ではなく、納税者の立 場から理屈に合った積算をしなさいということだが、その真意が米国 に伝わっていない。反米ではない、誤解を解いた方がいい」とも語っ た。

--取材協力 Takashi Hirokawa, Momoko Nishijima Editor:Hitoshi Sugimoto, Takeshi Awaji

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