東京外為:ドルの上値重い、米雇用情勢の悪化警戒-金利動向見極め

東京外国為替市場では、ドルの上値 が重い展開となった。米国の景気回復の足取りに慎重な見方が強まる なか、週内に発表される重要指標の結果を受けた長期金利の動向が警 戒され、ドル売りに圧力がかかった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の山下智子調査役は、米国の 悪いニュースに反応しやすいトレンドになっていると指摘。そのうえ で、あす発表の米雇用統計で失業率が予想以上に悪化して10%の大台 に乗ってしまうようなことがあれば、楽観論の持続性に疑問符が付き、 「ドル売りが進行する可能性がある」とみている。

ドルは午後の取引でユーロに対して下落幅を拡大する展開となり、 一時1ユーロ=1.4314ドルと、2営業日ぶりの安値を付けている。

一方、ドル・円相場は午前の取引で一時1ドル=91円95銭と、 7月13日以来の水準までドル安が進行。午後の取引では、目先の手掛 かり材料に欠けるなかで、中国株の堅調推移を背景に円売りに圧力が かかり、92円台半ばまで値を戻している。

ユーロ・円相場は午後に円売りが活発化。一時は1ユーロ=132 円35銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた131円54銭か ら円が大きく水準を切り下げた。

米雇用統計を見極め

あす4日には米国で8月の雇用統計が発表される。ブルームバー グ・ニュースがまとめた市場予想によると、非農業部門の雇用者数は 前月比で23万人の減少と、7月の24万7000人から減少ペースが鈍化 すると見込まれている。

一方で、家計調査に基づく8月の失業率は9.5%と、前月の9.4% から悪化が見込まれている。

前日には、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・ プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給 与名簿に基づく集計調査で、8月は民間部門の雇用減少ペースが市場 の期待ほど改善していなかったことが示されていた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレ ジデントは、「このところやや強気だった市場の見方に調整的な動きも みられる」としたうえで、経済指標に素直に反応する展開を予想して いる。

また、前日の米国債市場では、連邦準備制度理事会(FRB)が 公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて、10年債の 利回りが一時3.28%と、7月13日以来の水準まで低下。ドル・円相 場と米10年債利回りとの相関が強まるなか、指標内容を受けた金利動 向も警戒される。

ECB政策会合

一方、この日の海外時間には欧州中央銀行(ECB)の政策決定 会合を控えている。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想に よると、政策金利は現行の1%に据え置かれる見通し。

今後の政策動向を見極めるうえで、会合後に予定されているトリ シェ総裁の記者会見が注目される。市場の予想では、ECBは来年7 -9月まで利上げを見送るとみられている。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が前日に発表した7 月のユーロ圏生産者物価指数(PPI)は、前年同月比で8.5%低下 と、統計が始まった1981年1月以来で最大の落ち込みとなった。

--取材協力:吉川淳子 Editor:Joji Mochida,Saburo Funabiki

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