日本株は続落、米雇用と円高警戒し輸出や金融売り-騰落法則が終幕

東京株式相場は続落。米国で発表 された雇用関連指標が予想より悪かったことを受け、米景気の回復期 待が後退し、自動車や電機など輸出関連株に売りが優勢となった。為 替市場の円高基調も、輸出株のマイナス要因。根強い損失発生への懸 念から米金融株が連日下げた流れを受け、証券や銀行、保険株も安い。

日経平均株価の終値は前日比65円82銭(0.6%)安の1万214 円64銭、TOPIXは同7.04ポイント(0.7%)安の942.77。

日経平均は8月14日以降、前日まで14営業日にわたって上昇、 下落、上昇と交互に騰落を繰り返していた。市場では「鯨幕相場」と たとえられ、きょうは上昇する順番だったが、続落となったことでこ の法則に幕が降りた。

第一生命保険株式部・国内株式グループの伊藤弘康課長は、「世 界的な景気改善期待を背景に、投資家マインドが楽観に傾いていただ けに、米雇用指標の悪化で肩透かしを食らった格好」と指摘。雇用が 持ち直さないと、「米国経済の約7割を占める個人消費の回復は期待 できず、日本の輸出株の事業環境も厳しいまま」と話した。

米国の給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが2日に発表し た8月の米民間部門の雇用者数は、前月比29万8000人減だった。 市場予想の中央値25万人減を下回り、「4日に米政府が発表する雇 用統計への警戒感が高まった」と、水戸証券の吉井豊投資情報部長は 言う。

米経済の先行き警戒に加え、外国為替市場での円高進行も逆風に なり、日本株市場ではホンダやファナック、キヤノン、TDKなど輸 出株が売りに押された。ドル・円相場は午前に1ドル=91円台後半 に入る場面があった。

また2日の米国株市場では、S&P500種の業種別指数で金融の 下落率が最も高かった。同指数は1日に5.3%下落し、約2カ月ぶり の大幅安を記録したばかりだが、米連邦公開市場委員会(FOMC) 議事録で当局が信用損失の続く「リスクがかなり高い」と見ているこ とが分かり、売りが継続した。この流れを受け、三菱UFJフィナン シャル・グループ、野村ホールディングスなど銀行や証券株が安い。

1万200円以下で買い入る、午後プラス場面も

日経平均は2日の急落で、7月下旬以降の下値支持線だった25 日移動平均線(終値ベースで1万417円)を割り込んでおり、次の 下値めどとして直近安値の1万204円(終値、8月19日)が意識さ れている。この日は朝方に1万185円まで下落したが、その後は下 げ渋り。水戸証の吉井氏によると、世界景気の回復シナリオが依然根 強いことから、「1万200円を割り込む水準では機関投資家や個人 投資家の買いが入りやすい」という。

午後の取引開始直後には先物主導で値を切り上げ、日経平均は 10円高に浮上する場面があった。SMBCフレンド証券の中西文行 ストラテジストによると、この日の中国上海総合株価指数が高く始ま ったほか、朝方に1ドル=91円台まで進んだ為替の円高・ドル安が ひとまず一服、「日経平均が直近レンジの下限近くに位置することも あり、短期売買の投資家を中心に買い戻す動きもあった」という。

東証1部の売買高は概算で17億4918万株、売買代金は1兆 2484億円。値下がり銘柄数が1214、値上がりは365。業種別33指 数は証券・商品先物取引、ゴム製品、輸送用機器、保険、銀行など 22業種が下げ、食料品、非鉄金属、情報・通信など11業種が上昇。

個別では、野村証券が投資判断を「2(中立)」から「3(ウエ ート下げ)」へ引き下げた川崎汽船、メリルリンチ日本証券が投資判 断を「買い」から「中立」へ下げたリコーが売られた。2-7月期が 連結営業赤字だったサガミチェーンも安い。

住友鉱やNTT高い、大日本住友は年初来高値

一方、海外商品市場で金先物相場が大幅高となり、収益寄与への 期待で住友金属鉱山、三菱マテリアルなど非鉄金属株が上昇。松田産 業など貴金属リサイクル株も高い。住友鉱に関しては、公表を控えて いた連結業績予想の作業が来週前半に完了、すみやかに修正有無や内 容を公表すると前日発表したことも不透明感の後退につながった。景 気動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄も堅調で、JTなどの 食品株、NTTなど通信株が上げた。円高メリットを受ける日本製紙 グループ本社などパルプ・紙株も上昇し、相場の下支え要因となった。

このほか、米製薬会社セプラコアを買収し、米市場に進出する方 針を決めた大日本住友製薬が年初来高値を更新。8月の国内ユニクロ 既存店売上高が前年同月比5.6%増だったファーストリテイリングが 買われ、ウイルス阻止の高機能マスクを発売するアース製薬は急騰し、 一時2年8カ月ぶり高値を回復した。

新興3指数は小幅安

国内新興3市場では、ジャスダック指数が前日比0.13ポイント (0.3%)安の50.69、東証マザーズ指数は同2.36ポイント (0.5%)安の451.53、大証ヘラクレス指数は同2.98ポイント (0.5%)安の634.66とそろって小幅続落。

個別では楽天、ACCESS、アルデプロが売られ、日本風力開 発、フィスコが安い。半面、野村証券が投資判断を新規に「1(買 い)」としたスタートトゥデイが急騰。ウインテスト、クックパッド、 エン・ジャパンが高く、介護関連のツクイは大幅高。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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