G20財務相会議、金融規制改革の機運弱まる恐れ-景気回復の兆しで

【記者:Rich Miller and Simon Kennedy】

9月2日(ブルームバーグ):ロンドンで4日から開かれる 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、金融危 機に歯止めをかける取り組みが成功したことで、新たな危機を防 止しようとの機運が脅かされる恐れがある。

先進23カ国の株価と連動するMSCI世界指数が3月9日 に付けた1995年以来の安値から59%反発するなど、株式市場 は回復基調にある。戦後最悪の景気下降を経験した後、米英両国 などでは景気回復の兆しが表れつつある。

景気や株価の回復によって、金融機関に対する規制の厳格化 を求める政治的圧力が弱まりつつある。それは米銀行3位のシテ ィグループや英2位のバークレイズの利益に貢献するかもしれな いが、世界経済がバブルとその崩壊の新たなサイクルに入ること を許す恐れもはらんでいる。

国際通貨基金(IMF)の元チームエコノミストで、現在シ カゴ大学の教授を務めるラグラム・ラジャン氏は「経済は回復し つつある。そのため、真の問題に対処するのがより難しくなろう。 新たな危機が発生するまで無為に過ごすだけに終わるリスクがあ る」と話す。

セントラルバンカーは改革のペースを鈍らせることがないよ う各国政府に既に強く求めている。欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁は8月21日に米ワイオミング州ジャクソンホールで、 「規制に関して、現在の危機からあらゆる教訓を学び取らなけれ ば、悲惨な結果を招くだろう」と警告。イスラエル銀行(中央銀 行)のスタンリー・フィッシャー総裁も、個別金融機関の規模に 制限を課すなど、国際銀行システムが「抜本的な改革」を必要と する可能性があると指摘した。

ガイトナー米財務長官やイングランド銀行(英中央銀行)の キング総裁など、各国財務相と中銀総裁は4、5の両日、米ピッ ツバーグで24日から開かれるG20首脳会議(金融サミット)の 準備会合を開く。G20の首脳は前回4月の金融サミットで、金 融監督の「深刻な欠陥」が世界的な金融危機を招いた「根本原 因」の1つであるという認識を共有し、金融規制の強化を約束し ていた。

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