元バークレイズの黒田氏をJパワーが採用-ヘッジの強化

Jパワーは、英銀バークレイズ傘下 のバークレイズ・キャピタル証券コモディティーズ部の元ディレクタ ー、黒田豊彦氏を採用する。国内電力最大の石炭ユーザーであるJパ ワーは、黒田氏の起用で石炭調達価格の変動リスク軽減を強化したい 考えだ。外資系金融機関から電力卸最大手への大物の異例の移籍に、 関係業界の注目が集まりそうだ。

Jパワーの中谷博広報担当が1日に明らかにしたところによると、 黒田氏は8日から、石炭の調達や取引などの業務を開始する。正社員 としてではなく業務委託の形で従事するという。同社は、黒田氏との 契約を8日までに締結する予定だ。

石油業界出身の黒田氏は、2008年のバークレイズ移籍前はモルガ ン・スタンレー証券で石油関連のデリバティブ取引を担当するなど、 エネルギー取引の第一人者として知られている。

モルガン・スタンレー、バークレイズ在籍時を通じて取引があっ た阪和興業燃料部の石田和外氏は、黒田氏について、20年以上の石油 市場での経験で培った現物市場の知識をもとに市場の動向を分析する ことができる「ずば抜けた唯一の存在」と評価する。

ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、Jパワーの内山正人執 行役員は電子メールで、黒田氏の加入について現在の燃料価格変動や 市場化の動きの中で、コモディティ分野での豊富な経験を活かしても らいたいとの希望を示した。

Jパワーは年間約2000万トンの石炭を火力発電燃料として消費。 数量は非公表だが自社が調達した石炭を国内外の需要家向けにも販売 している。09年3月期の連結純利益は前の期と比べ34%減少、純利益 は04年の上場以来最低の195億円となった。燃料費が同38%上昇し たことなどが響いた。

BNPパリバ銀行東京支店の林田貴士市場商品営業部長は、電力 会社とエネルギー商品市場の関係について「石油や石炭、天然ガスの 価格が変動するなか、国内の電力会社のリスクヘッジ需要は高まって いる」とした上で、「価格変動リスクを低減するため、電力各社は金融 機関を通じ積極的に石油や石炭のデリバティブ市場に参入している」 と指摘する。

インターコンチネンタル取引所(ICE)に昨年12月に上場した 石炭先物(豪ニューカッスル港積み)は1月16日に1トン当たり83.50 ドルまで上昇した後、3月30日には60ドルまで下落。6月12日に

74.90ドルまで反発するなど値動きが荒い。9月1日終値は67.75ド ル。

ブルームバーグ・ニュースは、黒田氏の携帯電話に電話取材を試 みたものの、2日までにコメントは得られなかった。

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