円が高値から反落、上海株堅調でリスク回避緩和―豪GDPも重し

午前の東京外国為替市場は円が高値 から反落。米金融不安の再燃懸念から、朝方はリスク回避の円買いが 先行したが、中国・上海株の上昇やオーストラリアの国内総生産(G DP)の上振れを受け、投資家のリスク回避姿勢が後退。短期的に膨 らんだ円の買い持ち高を手じまう動きが強まった。

円は対ユーロで一時、1ユーロ=131円46銭と7月15日以来、 約1カ月半ぶりの高値まで上昇したが、その後、132円台前半まで反 落。朝方の上昇幅をほぼ帳消しにする「行って来い」の展開となって いる。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、朝方は円の上 値を試す動きが先行したが、日本の投資家の円売り意欲も観測された ことで、とりあえず円高圧力は弱まっている、と説明。「上海株もプラ スになっているし、東京時間はどうしても個人投資家などの円売りが 出てくるので、なかなか一方向に円高が進まない」と語る。

円は対ドルでも朝方に同13日以来の高値、1ドル=92円52銭を 付けた後、早朝の水準である92円台後半まで反落。高安氏によると「92 円台半ば手前では機関投資家のドル買いが入ったほか、ポンド・円な どで証拠金取引を通じた個人投資家の円売りの話が聞かれた」という。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.42ドル台前半を中心にも み合う展開。一時は1.4190ドルまでユーロが軟化する場面も見られた が、対円でユーロが持ち直すなか、すぐに1.42ドル台を回復した。

上海株堅調でリスク回避一服

前日の海外市場では金融株を中心に米株式相場が下落。投資家の 不安心理を映すボラティリティ指数(VIX)が7月9日以来の水準 に上昇するなか、外国為替市場では投資リスクを回避する目的で、比 較的安全とされる円に資金を戻す動きが活発化した。

こうした流れを受け継ぎ、この日の東京市場でも円買いが先行。 東京株式相場も大幅反落して始まり、円は対ポンドで1ポンド=149 円17銭と7月13日以来の高値を付けるなど全面高となった。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉シニアFX ストラテジストは、米経済指標のポジティブ・サプライズを背景に株 がほぼ一本調子で買われてきたが、堅調な指標内容は織り込み済みと いった感があり、株式を中心としたリスク資産には調整の動きが入り やすいと指摘。この日のアジア時間も株価が下落する局面では、円買 いに圧力がかかるとの見方を示していた。

一方、このところリスク指標として円相場との相関が強まってい える中国・上海株はマイナスで始まったものの、すぐにプラスに転換。 その後も上昇基調を維持しており、「リスク回避の円買い」はとりあえ ず一服する格好となっている。

また、オーストラリア統計局が発表した2009年4-6月(第2四 半期)の豪GDPが予想に反して前期から加速したことからオースト ラリア・ドルが反発。円は7月23日以来の高値となる1豪ドル=76 円41銭から77円台前半まで反落している。

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