日本株は急反落、損失警戒の米金融株安が波及-銀行中心に全業種安い

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東京株式相場は急反落。銀行の損失 懸念の高まりを背景に前日の米国株式市場で金融株が下げた流れを引き 継ぎ、銀行や保険など金融銘柄に売り圧力が増した。外国為替市場での 円高基調と原油安も嫌気され、輸出株、商社や鉱業など資源関連株も下 落、東証1部銘柄の9割弱が下げるほぼ全面安で、業種別33指数もす べて安い。

日経平均株価の終値は前日比249円60銭(2.4%)安の1万280円 46銭と8月21日以来、8営業日ぶりの安値水準。TOPIXは同

18.96ポイント(2%)安の949.81。

三菱UFJ投信運用戦略部の宮崎高志副部長は、「米国では住宅価 格の下落が続き、米銀融資の焦げ付きは依然増加傾向にある」と指摘。 9月初日に米金融株が急落したことをきっかけに、「直近の株価上昇で 楽観的になっていた投資家は、世界の金融システムがぜい弱なままであ ることにあらためて意識を強めた」という。

朝方から日経平均は先物主導で値を切り下げ、早々に米シカゴ先物 市場(CME)の日経平均先物9月物(円建て)の1日清算値1万285 円を割り込み、午前10時半前に下げ幅は一時300円を超えた。ただ、 最近の乱高下で動向が警戒されている中国上海総合指数が、前日に続き この日も落ち着いた動きとなったことから、その後はやや下げ渋った。

午後の日経平均は1万200円台で小動き。大和証券SMBCの西村 由美シニア・エクイティ・マーケットアナリストは、午後のこう着要因 として、改善傾向が鮮明化しつつある米供給管理協会(ISM)製造業 景況指数などの生産関連指標と異なり、米国でこの日発表される「遅行 指標の雇用関連統計が予想通り底入れ・改善となるかを見極めたいとの 心理が働いた」と話していた。

銀行指数は1カ月ぶり安値、週末G20警戒も

1日の米国株市場では、S&P500種株価指数の金融株指数が

5.3%下げ、約2カ月ぶりの大幅安となった。RBCキャピタル・マー ケッツのアナリストが、西海岸の米銀は信用状況の悪化と貸し倒れの増 加になお苦しんでいると指摘。「これらの多くの銀行は、資本や引当金 が十分でない可能性が残っている」との見方を示したことなどが嫌気さ れた。

米国市場の流れを受けて東京市場でも金融株の下げが目立ち、東証 銀行指数は約1カ月ぶり安値に沈んだ。銀行や保険、証券・商品先物取 引、その他金融指数の構成銘柄はすべて下落か横ばいで、上昇銘柄はな かった。

大和SMBCの西村氏は日米金融株の弱さについて、今週末に開催 される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議への警戒感も 一因と指摘。「G20では銀行の自己資本比率引き上げ、各国金融政策 の出口戦略などにかかわる議論がされる可能性もあるため」という。

エルピーダや7&iに売り、吉本興が急騰

個別では、公募増資で最大785億円を調達すると発表したエルピー ダメモリが、株主価値の希薄化懸念で一時ストップ安(制限値幅いっぱ いの下落)。天候不順に伴う夏物商品の販売不振などで2010年2月期 業績予想を下方修正したセブン&アイ・ホールディングス、住宅市場の 低迷で10年1月期業績予想を減額した積水ハウスが売られ、書店での 販売不振により09年2-7月期に連結営業赤字転落となったもようの 丸善は急落。

半面、計画しているMBO(経営陣による企業買収)の全容が明ら かになったと、2日付の読売新聞朝刊で伝わった吉本興業が急騰。回転 すしの好調で31日に09年10月期の業績予想を上方修正したくらコー ポレーションは、連日の大幅高で年初来高値を更新。8月の受注金額が 同月として過去最高を記録した京都きもの友禅が続伸し、同業のさが美 も高い。8月の既存店売上高が増加したメガネトップも買われた。

東証1部の売買高は概算で19億6461万株、売買代金は同1兆 4660億円、値下がり銘柄数が1491、値上がりは143。

新興3指数は下落

国内新興市場では、ジャスダック指数が前日比0.10ポイント (0.2%)安の50.82と8営業日ぶりに小反落。東証マザーズ指数は同

3.72ポイント(0.8%)安の453.89、大証ヘラクレス指数は同2.87ポイ ント(0.5%)安の637.64とともに小反落。

個別では、応用医学研究所、日本マイクロニクスが大幅続落。クッ クパッド、ダヴィンチ・ホールディングス、セブン銀行も売られた。半 面、2日付の日本経済新聞で、出光興産や三井造船と波力発電所を建設 すると報じられた日本風力開発が上昇。新型インフルエンザ(豚インフ ルエンザ)対策用の医療機器を手がけるアイ・エム・アイは5連騰。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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