米国債:短期債を中心に上昇、経済統計より株安が材料

米国債相場は短期債を中心に上昇。 最近の株価上昇は企業の業績見通しに比べてペースが速過ぎるとの見 方から株価が下落、投資家は比較的安全とされる国債に買いを入れた。

この日発表された8月のISM製造業景況指数で、1年7カ月ぶ りに製造業の拡大が示され、7月の米中古住宅成約指数も予想を上回 る伸びだったにもかかわらず、2年債利回りは約6週間ぶりの低水準 を記録した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロス氏は、9月投 資見通しリポートで、米経済をリセッション(景気後退)脱却へと導 くのは住宅市場ではないと述べ、政策金利は長期間にわたって低水準 で据え置かれるとの見方を示した。

BNPパリバ証券の金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏は、 「この日の流れは明らかな質への逃避だった。株価に対する疑問から 多くの不安要素が持ち上がった。国債市場は強気な流れに逆らえな い」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時15分現在、2年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下し0.91%。一時は7月22日以来 の低水準の0.90%まで下げた。2年債価格(表面利率1%、2011年 8月償還)は4/32高の100 6/32。10年債利回りは3bp下げて

3.37%だった。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は顧客向けのリポートで、国債市場では「押し目で買いを 入れるよう」推奨した。同氏は10年債利回りが年末までに3%に低下 すると予想している。「毎日のように景気の良さや、依然より悪くな い統計が発表されているが、それにもかかわらず国債相場は抵抗線を 一歩ずつ確実に破っている」と述べる。

製造業が拡大

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指数は

52.9と、1年7カ月ぶりに製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50 を上回った。前月は48.9だった。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売成 約指数は前月比3.2%上昇。6月は3.6%上昇だった。

PIMCOのグロス氏は米国では持ち家比率が低下しており、今 は65%が「新たな標準になった」と指摘する。従来は69%だった。

米国債リターン

メリルリンチのデータによると、8月の米国債リターンは0.9%。 7月は0.4%だった。前回米国債リターンが2カ月連続でプラスを記 録したのは昨年11月と12月だった。年初来ベースでは3.2%のマイ ナスとなっている。一方、社債のリターンは20%のプラス。

米連邦準備制度理事会(FRB)は2012年5月から2013年8 月に償還期限を迎える米国債56億ドルを買い取った。今年3月25日 に始まった3000億ドルの米国債買い取りプログラムでは、これまで に2763億7100万ドル相当の米国債が買い取られた。同プログラム は10月末で終了する予定だ。

10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は

1.66ポイントに縮小。前月は2.05ポイントまで上昇していた。過去 5年間の平均値は2.20ポイントとなっている。

米国債相場のボラティリティ(予想変動率)の指標であるメリル リンチのMOVE指数は131に低下。今年6月には年初来最高の190 を記録した。

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