米国株:続落、銀行損失懸念で-S&P500種1000割れ

米株式相場は3日続落。製造業景 況指数や中古住宅成約指数がエコノミスト予想を上回ったものの、銀 行の損失が続くとの懸念から売りが膨らんだ。

ウェルズ・ファーゴは公的資金を近く返済することを表明したも のの、株価は2週間ぶりの大幅安。バンク・オブ・アメリカ(BO A)は6.4%安となり、構成するダウ平均を押し下げた。株価上昇の 幅とペースが行き過ぎだったとアナリストから指摘されたアメリカ ン・インターナショナル・グループ(AIG)とメットライフも急落 した。

S&P500種株価指数は前日比2.2%安の998.04。下落率は8 月17日以来で最大。節目の1000を下回って終えるのは8月19日以 来で初めて。ダウ工業株30種平均は185.68ドル(2%)下落の

9310.60ドルで終了した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、 ドン・ワーデル氏は「銀行の先行きは2四半期前ほど暗くはないが、 まだ晴れてはいない。市場はこれまでの大きな上昇を維持できない」 と指摘した。

S&P500種は3月9日以降48%戻しており、金融株指数は同 123%高と、けん引役になっている。ブルームバーグのデータによる と、S&P500種の9月の騰落率は1928年以降の平均で1.3%安と、 月別では最も成績が悪い。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指数は1 年7カ月ぶりに製造業活動の拡大と縮小の境目を示す50を上回った。 7月の中古住宅販売成約指数は予想以上に上昇したものの、ともに買 いは誘わず、相場は一段安になった。

割高感

クレディ・スイスのストラテジスト、アンドルー・ガースウエー ト氏はリポートで、米国株のバリュエーション(投資尺度からみた適 正株価)について、ほかの先進国市場と比べ、「わずかに行き過ぎて いる」ようだと指摘。米国株の配分比率の引き下げを提唱した。

前週末現在でS&P500種の株価収益率(PER)は約19倍と、 04年6月以来の高水準だった。

米国株オプションの代表的な指標であるシカゴ・オプション取引 所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は12%上昇の

29.15。7月9日以来の高水準で終えた。VIXはS&P500種の下 落に備えた保険としてのオプション費用を示す。過去最高は昨年11 月につけた80.86。同指数の歴史19年の平均である20はなお上回 っている。

金融株が急落

S&P500種の金融株指数は5.3%下落し、約2カ月ぶりの大幅 安。BOAのほか、シティグループの下げも目立った。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジョー・モーフォ ード、デービッド・キングの両氏は調査リポートで、西海岸の米銀は 信用状況の悪化と貸し倒れの増加になお苦しんでいると指摘。不動産 市場の悪化に伴う評価損に向け、「これらの多くの銀行は資本や引当 金が十分でない可能性が残っている」との見方を示している。

250億ドルの公的資金を受けているウェルズ・ファーゴは4.8%安。 ジョン・スタンプ社長兼最高経営責任者(CEO)はブルームバーグ テレビジョンとのインタビューで、「公的資金は返済するが、株主に とって良い方法で返済する」と話した。さらに「現在は独力で資本が 急速に高まっているため、既存の株主利益を希薄化することは望まな い」と述べた。

AIGは21%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率トップ。 サンフォード・C・バーンスティーンが投資判断を「マーケットパフ ォーム」から「アンダーパフォーム」へ引き下げたことが売りを誘っ た。AIGがもはやシステミックリスクではないと判断されたなら、 政府が支援を減らす可能性があることを理由に挙げた。AIG株は8 月に245%上げた。

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