世界経済は来年「踊り場」、11年自律的回復でも成長率は半減-BNP

足元の景気回復の動きは続かず、 2010年にはいったん「踊り場的」な状況となり、11年に自律的な回復 が始まっても、先進国の成長率は従来の景気拡大局面と比べて半減する ――。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストが描く世界経 済のメインシナリオだ。

河野氏は8月31日開催のフォレックスセミナーで、世界経済が今 年の1-3月期に大底を打ったのは間違いないとしながらも、「ペント アップ・ディマンド(抑制されていた需要)」に伴う需要増加や在庫調 整の進展による生産の持ち直し、原材料価格の下落や各国の財政政策の 効果といった一時的な要因がはく落するため、来年は景気回復が足踏み するとの見通しを示した。

BNPパリバ証は10年の日本の実質国内総生産(GDP)伸び率 を前年比0.4%と予測。米国は同1.1%、ユーロ圏は0.3%で、いずれも 「慎重な見方」をとっている。

また、仮に11年に自律的な景気回復が始まった場合でも、しばら くは低い成長が続くとし、今後5-10年の米国の平均潜在成長率はリ ーマンショック前の過去10年間の約3%から1.5%程度に半減すると 予想。「大規模な信用膨張を伴ったバブルの崩壊が起こるとある程度、 金融仲介の健全性が失われ、過剰債務を抱えた経済主体が支出を抑制せ ざるを得なくなるので、成長率が高まっていかないというのが、LES SON FROM JAPAN(日本の教訓)だ」と語った。

楽観シナリオ

日本の潜在成長率については、従来の2%弱から1%弱に低下した と分析。前回02-07年の景気拡大局面のような輸出ブームや製造業を 中心とした設備投資の伸びの再現が見込めないうえ、過剰貯蓄や製造業 セクターの過剰設備・過剰雇用といった中長期的な構造問題が成長の足 かせになるという。

河野氏はこうしたメインシナリオとは別に、二つの楽観シナリオも 示した。一つは「内需主導」のシナリオで、今回政権交代を実現した民 主党が掲げる生活者重視の政策が奏功すれば、「恒常的に消費が増える 可能性があり、それが内需主導の景気回復を引き起こす可能性はゼロで はない」と指摘した。

もう一つは「新興国主導の景気回復」シナリオだ。河野氏は、アジ ア危機以降、新興国は資本輸出国に転じたため、「常識的な線で考える と、新興国、特に中国が世界経済の救世主になり得るというストーリー はあり得ない」としながらも、中国政府がバブルのリスクを冒して投資 や消費ブームを容認するといった異例の状況が起こるか、社会保障制度 改革を進めて過剰貯蓄を解消すれば、日本も「外需主導の本格回復」を 期待できる可能性があると語った。

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