IHI、三菱重など:宇宙太陽光発電プロジェクトに参入(Update1)

政府が年内にも始める宇宙太陽光発 電の実証試験をIHI、三菱電機など16社が参加する財団法人無人宇 宙実験システム研究開発機構(USEF)と三菱重工業が受託した。 経済産業省が1日、ウェブサイトで発表した。

経済産業省と文部科学省傘下の独立行政法人宇宙航空研究開発機 構(JAXA)は、宇宙空間で太陽光エネルギーを利用して発電し、 これをマイクロ波などに換えて地上に送る「宇宙太陽光発電」技術を 確立するための実証試験を2012年まで行う予定。

USEFの今井孝司広報担当は「宇宙産業に関わる企業が参加し ている強みを生かし、国家プロジェクトを遂行したい」との見解を明 らかにした。今後の実証試験では屋外で100メートル程度を電送する 技術の開発に取り組む。

JAXAのウェブサイト上に掲載された資料によると、宇宙では、 昼夜や天候など自然条件の影響を受けずに安定した量の太陽光を得ら れることが可能で、地上の太陽光発電と比べ5-10倍効率が高いと考 えられている。政府は15年までに小型衛星を打ち上げ、30年ごろに は原子力発電所1基分に相当する100万キロワット級の太陽光発電の 実用化を目指している。

実用段階では2キロメートル四方の太陽光パネルを、高度約3万 6000キロメートルの軌道上に設置する計画。政府は、この規模の発電 装置の製造・打ち上げに約2兆円のコストが必要と試算している。

国内唯一の宇宙・航空関連コンサルティング会社エクスカリバー の吉田浩社長は、宇宙太陽光発電について「必ず役に立つ技術である ことは間違いないが、すぐに実現できるものでもない」と指摘する。 ばく大な物資を宇宙に運ぶため輸送コストがかさむことから、資材の 運搬費用が「現在の100分の1ぐらいにならない限りペイしない」と みている。

さらに、吉田氏は研究開発にも多大な費用必要になるため、「他の 政策もある中、政府は宇宙太陽光発電の技術開発についてどう優先度 つけるのか苦労するだろう」と指摘した。

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