7月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米国の4-6月(第 2四半期)実質国内総生産(GDP)が予想ほど悪化しなかったこと で、安全な逃避先としてのドルへの需要が弱まり、主要6通貨のバス ケットに対するICEのドル指数は年初来の安値まで押し下げられ た。

スウェーデン・クローナは対ユーロで昨年12月以来の高値ま で上昇。同国の第2四半期GDPが景気縮小ペースの減速を示唆する 内容となったことを手掛かりに買いが集まった。対ポンドでドルは月 間ベースで5カ月連続安と、過去5年間で最長の下落局面となった。 7月の英消費者信頼感指数が2008年以来の高水準を維持したこと が背景。

ブラウン・ブラザーズの通貨ストラテジスト、ウィン・ティン氏 は「経済統計が良いとドルが下げるのは最近の典型的なパターンだ」 と指摘。「株価の上昇に加え、米GDPも減少率が予想を下回ったこ とがドル売り材料となった」と語った。

ニューヨーク時間午後3時22分現在、ドルはユーロに対して

1.3%安の1ユーロ=1.4261ドル(前日は同1.4075ドル)。ド ルは対円では1ドル=94円69銭(同95円56銭)。円は対ユーロ で0.4%安の1ユーロ=135円04銭。

ICEのドル指数は78.22と、昨年12月18日以来の低水準 を付けた。

TDセキュリティーズの主任通貨ストラテジスト、ショーン・オ ズボーン氏(トロント在勤)によると、ドルは対円で1ドル=95円 超の水準に控えていた損失確定の売りを巻き込むと、下げ足を速めた

4-6月のGDP統計

米商務省が発表した第2四半期の実質GDPは前期比年率1% 減少した。第1四半期(1-3月)は6.4%減と、過去27年で最大 のマイナスだった。GDP構成項目となる在庫投資は同1411億ドル 減少と、前期(1139億ドル減)から縮小幅が拡大した。マイナス幅 は統計開始以来の最大。

RBSグリニッチの国際通貨戦略北米責任者、アラン・ラスキン 氏は「1-3月期と4-6月期はいずれも在庫投資が著しく減少した。 これにより、下半期の在庫項目は大きく改善する可能性が高い。月末 で市場の資金フローはやや限定的だが、週明けには再びリスクを取っ た取引が活発になるだろう」と指摘した。

スウェーデンのGDP統計を手掛かりに、スウェーデン・クロー ナはユーロに対し、昨年12月1日以来の高水準を付けた。月間ベー スでは4.8%上昇、対米ドルでは5.6%上昇した。7月は主要16通 貨の中でスウェーデン・クローナがカナダ・ドルに続き2番目に上昇 率が高かった。カナダ・ドルは前月比6%上昇した。

カナダ・ドル

カナダ経済の縮小ペースが予想を上回ったにもかかわらず、カナ ダ・ドルは対米ドルで1米ドル=1.078カナダ・ドルと、昨年10 月以来の高値に接近した。28日には同1.075カナダ・ドルと、昨 年10月3日以来の高値を付けた。

バークレイズ・キャピタルの主任米国通貨ストラテジスト、ステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は、「市場の楽観 的な見方と実際の経済統計の内容にはギャップがある。カナダ・ドル はファンダメンタルズ(基礎的諸条件)以上に上昇している。最近の カナダの経済統計にはかなり弱い内容のものがあった」と指摘した。

バークレイズはカナダ・ドルが今後1カ月以内に同1.13カナ ダ・ドルまで下げるとみている。

◎米国株式市場

米株式相場は小幅続伸。国内総生産(GDP)が予想を上回り、 リセッション(景気後退)から脱却しつつあるとの思惑が高まり、買 いが入った。ダウ工業株30種平均は月間ベースで2002年以来の大幅 高。

ダウ平均の構成銘柄の中ではゼネラル・エレクトリック(GE) やバンク・オブ・アメリカ(BOA)、アルコアがけん引役となった。 第2四半期(4-6月)の実質GDP速報値は前期比年率1%減少。 エコノミストの予想中央値(1.5%減)ほど悪くなかったことが買い を誘った。フォード・モーターは急伸。中古車買い替え支援策の追加 支出が自動車需要を高めるとの思惑が背景にある。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の987.48と、昨年11月 4日以来の高水準。月間では7.4%上昇し、07年以来で最長の5カ月 連続高。ダウ工業株30種平均は同17.15ドル(0.2%)上昇の9171.61 ドルで終了した。月間は8.6%高。

クリスティアナ・バンク・アンド・トラストの資産担当者、トー マス・ニューハイム氏は「経済指標が予想を上回るたびに株価は上昇 する。なお株価は割安で、決算も予想を上回っている。リセッション は緩和しているというのが一般的な見方になってきた」と語った。

国際通貨基金(IMF)が米経済について「徐々に」回復すると の見通しを示したことも支援材料となった。米下院本会議が中古車買 い替え支援策に最大20億ドルを追加支出する法案を可決したことも 買い材料。S&P500種の10日以降の上昇率は12%を超えた。予想 を上回る決算を発表した企業数が1993年のデータ集計開始以来で最 多となったことが買いにつながった。

減益決算でも予想は上回る

ブルームバーグがまとめたデータによれば、6月17日以降に第 2四半期決算を発表したS&P500種構成企業のうち、4社に3社は アナリスト予想を上回った。1株当たり利益は平均で32%減少した が、アナリスト予想は10%上回っている。売上高は16%減。

ワシントン・ポストは7.7%高と3月以来の急伸。決算では教育 部門の売り上げが伸び、損益は黒字を確保。前年同期は赤字だった。

ウォルト・ディズニーは4.2%安とダウ平均の構成銘柄で下げが 最もきつい。リセッションで広告収入やテーマパークの売り上げが落 ち込み、売上高はアナリスト予想を下回った。JPモルガン・チェー スは同社の投資判断を引き下げた。

景気見通しが改善

第2四半期の予想を上回るGDP統計を受け、JPモルガンのエ コノミスト、ブルース・カスマン氏は第3四半期の成長率見通しを従 来の年率2.5%から3%に上方修正した。実際にそうなると、過去2 年間で最も好調な四半期となる。

シカゴ購買部協会が発表した7月のシカゴ地区の製造業景況指 数は生産活動の縮小ペースが緩やかになっていることを示唆、今年後 半に入り経済見通しが改善しつつあることを示した。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズで運用 に携わるジェーソン・クーパー氏は「最悪期は恐らく終わったが、景 気はすぐに勢いよく回復するわけではないだろう」と述べた。

GEが上昇。BOAは5日続伸。アルコアも高い。

フォードやグッドイヤー・タイヤ&ラバーも大きく上げた。ブル ームバーグがまとめたアナリスト調査によると、中古車買い替え支援 策の影響で7月の自動車販売台数は年初来で最高となる可能性があ る。鉄鋼価格の上昇を背景にUSスチールやニューコアも高い。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。10年債利回りは4日連続で低下した。米実 質国内総生産(GDP)速報値で個人消費が減少したことから、景気 後退が緩やかになるにつれインフレが加速するとの懸念が和らいだ。

長期債が上昇をけん引。米国債保有への安心感が一段と増した ことが背景にある。GDPの年間改定値で第1四半期(1-3月) が前月発表の5.5%減から6.4%減に下方修正されたことも、安全逃 避先としての国債買いにつながった。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券セールス・ トレーディング・調査責任者、ケビン・ギディス氏は「国債相場に とって、またインフレ抑制の観点からも好ましい経済指標の数値だ」 と指摘。「インフレのリスクがほとんどないため、長期にわたる国債 保有のチャンスだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時10分現在、10年債利回りは前日比13ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.48%。10年債(表面利率 3.125%、2019年5月償還)価格は1 1/32上げて97 3/32。

2年債利回りは6bp低下の1.12%。2年債と10年債の利回り 格差は2.37ポイントと、2カ月ぶり低水準。

低金利は長期にわたる

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は、「デフレにより利回り曲線は一段とフラッ ト化する可能性もある」と指摘。「金利は長期間にわたり低水準にと どまるだろう」と述べた。

米商務省が発表した第2四半期(4-6月)GDP速報値は前期 比年率1%減少と、マイナス幅は市場予想より小幅だった。1-3月 期は6.4%減だった。年間改定によると、2008年通年は第4四半期の 比較ベースでマイナス1.9%となり、従来の0.8%減から大幅に下方 修正された。消費支出や住宅建設の落ち込みが影響した。

GDPの7割を占める個人消費は今年第2四半期に前期比年率

1.2%減少、第1四半期の0.6%増から再度マイナスに転じた。

メリルリンチの指数によると、7月の米国債のリターンは30日 時点でマイナス0.3%。週間ベースで過去最大規模となった今週の 1150億ドルの入札など国債増発で、リターンの高い資産に投資資金 が流れるとの懸念が高まっている。

年間での損失

メリルリンチの同指数によれば、米国債の年初来のリターンはマ イナス4.7%。一方、MSCI世界指数は13%を超える上昇だ。ドイ ツ国債のリターンは同期間にプラス0.2%、日本国債はマイナス

0.4%だった。

米経済に回復の兆しが表れるなか、米国債は月間ベースで4カ月 連続の下落。4カ月連続の下落は1996年以来となる。

米政府のデータによると、過去最大規模の景気対策の財源などと して財務省が国債発行で新規調達した資金は今年既に1兆ドルを突 破した。米議会予算局によると、今年の財政赤字は1兆8500億ドル に達する見込みで、同国実質国内総生産(GDP)の13%に相当す る。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の四半期調査によると、 7-9月(第3四半期)の米国債発行額(償還額を差し引いた純額ベ ース)は4460億ドル(約42兆6200億円)と、前期に比べ30%増 加する見込みだ。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は大幅続伸。米国の4-6月(第2四半 期)実質国内総生産(GDP)の減少率が予想を下回ったことを手掛 かりにドルが下げ、株が上昇したことで金への需要が継続し、4月以 来の大幅高となった。

米商務省が発表した第2四半期(4-6月)のGDP速報は前期 比年率1%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ ストの予想中央値は1.5%減だった。第1四半期(1-3月)は6.4% 減と、過去27年で最大のマイナスだった。

米GDPを受けて主要6通貨のバスケットに対するICEのド ル指数が昨年12月半ば以来の低水準まで下げると、商品への魅力が 強まった。株価は上昇。月間ベースでのダウ工業株30種平均は2002 年以来の大幅高で7月を終えそうだ。

英バークレイズ・キャピタルのアナリスト、スキ・クーパー氏 (ロンドン在勤)は「ドルの下落に加え、経済統計の改善と株高が引 き続き金を下支えしている」と指摘した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸。第2四半期の米実質国内総生産 (GDP)のマイナス幅が市場予想より小さかったことから、世界最 大のエネルギー消費国である米国がリセッション(景気後退)から脱 しつつあるとの観測が高まった。

原油相場は一時前日比4.2%上昇した。米商務省が発表した4- 6月期のGDP速報値は前期比年率1%減少で、ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミストの予想中央値(1.5%減)ほど落ち込 まなかった。また、ドルが対ユーロで下落したことも原油相場の支援 材料になった。

BNPパリバ・コモディティー・フューチャーズ(ニューヨー ク)の上席エネルギーアナリスト、トム・ベンツ氏は、「GDPに対 して遅れて反応している上、ドルが大きく値下がりした」と指摘。 「原油相場はGDP統計の発表直後に上昇すると見込んでいたが、市 場はしばしば消化する時間を必要とする。GDPの数値は非常に支え となる内容だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比2.51ドル(3.75%)高の1バレル=69.45ドルで終了した。週間 ベースでは2%上昇、年初来では56%の値上がり。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。仏蘭系航空会社エールフランス・KLMグ ループや、イタリアのエネルギー会社ENIの決算がアナリスト予想 を下回ったことが材料視された。ダウ欧州600指数は月間ベースでは 4月以来の大幅高となった。

エールフランスは、4-6月期が赤字となったことが嫌気され、

4.1%下落。前年同期比76%減益となったENIは7.7%下げた。

一方、屋外広告大手の仏JCデコーは14%の大幅高。同社の4 -6月期減益幅が予想よりも小幅だったほか、クレディ・スイス・グ ループのストラテジストらが欧州のメディア関連銘柄の投資判断を 引き上げたことが買いを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比0.2%安の224.91で終了。前月末 比では9.3%上げた。同指数は前週まで3週連続で上げていた。

フォルティス・グローバル・マーケッツのシニアストラテジスト、 フィリップ・ガイゼル氏(ブリュッセル在勤)はブルームバーグテレ ビジョンとのインタビューで、相場上昇について「若干驚いていた」 と述べ、「業績はほどほどだ。年末には売り上げが上向くだろう。投 資家は失望のリスクを冒した」と語った。

31日の西欧市場では、18カ国中10カ国で主要株価指数が下落。 ダウ・ユーロ50種株価指数は前日比0.6%安、ダウ・欧州50種株 価指数は0.7%下げた。

トタル下落

仏石油会社トタルは2.7%下げた。同社の4-6月期は54%減 益となった。世界的なリセッション(景気後退)でエネルギー需要が 落ち込み、新規プロジェクトからの増益分を相殺したと説明した。

インフォメーション・ウィークを発行し、PRニュースワイヤー を傘下に置くユナイテッド・ビジネス・メディアは14%高。

ダウ欧州600指数のメディア関連銘柄は0.8%上げた。クレデ ィ・スイスがメディア関連銘柄の投資判断を「アンダーウエート」か ら「オーバーウエート」に引き上げたことを好感した。

◎欧州債券市場

ドイツ10年債相場は上昇。週間ベースでは3月以来の大幅な上 げとなった。この日発表された米国内総生産(GDP)統計で、2008 年の米景気悪化が従来発表よりも深刻なことが示されたことがきっ かけ。

HSBCホールディングスによれば、マークイットiBoxx ユーロ・ソブリン指数の期間が0.08年延長されたことを受け、期限 10年以上の債券需要が高まった可能性がある。これが上昇要因とな った。また、独5年債相場も約1週間ぶり大幅高となった。米財務 省が30日に実施した過去最大規模の280億ドル相当の7年物債の入 札で、落札利回りが事前予想を下回ったことを受け、安全投資とし ての国債需要が引き続き強いとの観測が広がったことが背景にある。

カリヨン(ロンドン)の債券ストラテジスト、ピーター・チャ トウェル氏は「米景気のデータが一部で期待されたほど楽観的でな かったことから、ドイツ国債を買う根拠となった」と述べた。「月末 の指数延長もユーロ圏市場では支援要因となった」とも語った。

ロンドン時間午後4時44分現在、10年債利回りは前日比13ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.30%となった。 前週末比では18bp下げた。月間ベースでは2カ月連続で下げた。 同国債(表面利率3.5%、2019年7月償還)は前日比1.09ポイン ト下げ101.65。

5年債利回りは2.40%と、前週末の2.55%から低下。2年債 利回りは前週末比8bp低下し1.26%となった。

米商務省は31日、GDPの年間改定を実施。2008年通年は第 4四半期の比較ベースでマイナス1.9%となり、従来の0.8%減から 大幅に下方修正された。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。ロンドン時間午後6時現在の10年債利回り は前日比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)下げて

3.80%。

ニューヨーク・ニューズルーム

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE