人気ゲームソフトが不在、値下げ圧力強まる可能性も-WiiやPS3

任天堂の据え置き型ゲーム機「W ii(ウィー)」の4-6月の販売台数は06年11月に発売して以来、 初めて四半期ベースで減少に転じた。ソニーの家庭用ゲーム機「プレ イステーション3(PS3)」の台数も2年ぶりの低水準。人気ソフ トの不在が響いた。市場からはゲーム機の値下げを求める圧力が強ま りそうだ。

「Wii」販売台数は223万台と前年同期から57%減少した。 前期まで5年連続で過去最高を更新した純利益も4-6月期は6割 減った。岩田聡社長は30日の決算会見で「昨年は1000万本以上売れ たソフトが同期に2本あったのに対し、今年は大型ソフトの投入が開 発の遅れなどで下期にずれ込んだ」と説明した。

Wiiの通期の世界販売計画2600万台は変えていない。岩田社 長は「『Wii スポーツリゾート』などの大型ソフトがけん引して 通期の目標台数は達成できる」とみている。携帯ゲーム機「ニンテン ドーDS」も14%減少したが、3000万台の通期計画は維持した。

大和総研の白石幸毅アナリストは「このところ任天堂から目新し い発表がない。投資家の関心事は年末商戦前に新商品が投入されると いったような何か新しい発表があるのかどうかだ」と話した。

ソニーのゲーム事業の売上高は1110億円と同48%の減少、営業 損益は340億円の赤字で、前年同期からは400億円の悪化だ。PS3 は同31%減の110万台、プレイステーションポータブル(PSP) も130万台と前年同期(約370万台)の約3分の1に落ち込んだ。前 年に比べ大型ソフトが発売されなかったことが響いた。

ただソニーも通期の販売台数目標1500万台を据え置いている。 大根田伸行最高財務責任者(CFO)は決算会見で「秋以降に大物タ イトルが出る。年末年始の商戦に向けてプレイステーションビジネス に弾みをつける。通期では計画を達成したい」と語った。

ソフト販売が不振

Wii向けソフト販売は前年同期比23%減の3107万本。携帯ゲ ーム機「ニンテンドーDS」向けは20%減の2909万本。タイトル数 は前年同期からWii向けが31本、DS向けが45本それぞれ増えた が、販売本数は落ちた。ソニーもPS3、PSP、プレイステーショ ン2(PS2)向けソフトが41%減少した。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、ゲーム機は「価格を引 き下げないと売れない」と指摘。同時に値下げでも販売が伸びない可 能性があるとし、「価格を引き下げても売れず、引き下げたことによ りマージンが落ち込む悪循環に陥る可能性もある」と語った。

世界的な景気悪化で個人消費が冷え込むなか、ゲームソフトメー カーや小売り業者からゲーム機の値下げ要求が強まっているが、任天 堂の岩田聡社長とソニーのハワード・ストリンガー最高経営責任者 (CEO)は6月のゲーム見本市「E3」で値下げはないと言明。ソ フトメーカーなどからの値下げ圧力がさらに強まる可能性がある。

--共同取材:堀江政嗣、近藤雅岐 Editors:Chaki Mochizuki、Kenzo Taniai

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