米FRB:ベアーSとAIG資産評価額引き上げ-含み損減少

米連邦準備制度理事会(FRB) は30日発表した29日終了週のバランスシート(貸借対照表)週間報 告で、昨年のベアー・スターンズとアメリカン・インターナショナル・ グループ(AIG)の救済に伴って取得した両社資産の評価額(6月 末時点)を15億ドル(2.5%)増額し、計622億ドル(約5兆9400 億円)とした。潜在的な納税者の負担が軽減されたことになる。

これにより、FRBが保有する資産の含み損はベアー・スターン ズが約30億ドル、AIGは17億ドルとなった。FRBは最長10年 間かけて両社資産を売却することなどから、納税者が損失を被ること はないと説明している。

29日現在のバランスシートの総資産は、前週比384億ドル (1.6%)減の2兆ドルだった。コマーシャルペーパー(CP)を企 業から購入するプログラム(CPFF)のCP保有残高が1060億ド ルから632億ドルに減少し、同プログラム導入以降の最低水準になっ たことが背景。

ターム・オークション・ファシリティー(TAF)に基づく商業 銀行向け貸出残高は、前週比変わらずの2376億ドル。各国中銀との 通貨スワップ協定に基づくドルの貸出残高は18億4000万ドル減の 877億ドルだった。

FRBは6月、複数の緊急プログラムについて、1つを期限通り に終了し、他の2つの規模を削減すると発表した。金融市場回復への 兆候が表れてきたことが背景にある。

29日現在、住宅ローン担保証券(MBS)の保有残高は前週比 25億8000万ドル減の5429億ドル。米国債は30億3000万ドル増 の6958億ドル。政府支援機関債(GSE)は32億4000万ドル増の 1059億ドル。

商業銀行向け貸出増加

商業銀行向け窓口(公定歩合)貸出残高は334億ドルから364 億ドルに増加。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー) 向け貸出残高は12週連続でゼロとなった。リーマン・ブラザーズ・ ホールディングスの破たん直前だった昨年9月10日以降、同残高が ゼロとなったのは今年5月13日が初めて。

資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)市場とマネーマーケ ット・ファンド(MMF)に流動性を供給するプログラム(AMLF) の貸出残高は22億3000万ドルから8億600万ドルに大幅減少した。

公的管理下にある保険会社アメリカン・インターナショナル・グ ループ(AIG)向けの貸出残高は813億ドルから802億ドルに減 少。同社は先月、海外の生命保険2部門の優先株をニューヨーク連銀 に譲渡し、同連銀に対する債務を250億ドル圧縮する枠組みで合意し たと発表した。

FRBは昨年12月、政策金利であるフェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標を0-0.25%に引き下げるとともに、金融政策の軸足 を信用プログラムのほか、米国債やMBS、GSEの購入制度に移し た。バランスシートの規模は昨年12月、過去最高の2兆3100億ド ルに達していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE