コンテンツにスキップする

7月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が大半の主要通貨に対し て下落。米失業保険の継続受給者数が3週連続で減少し、景気底入れ の兆しととらえられたことで、安全への逃避先としての両通貨への需 要が弱まった。

ポンドは対ドルで上昇。7月の英住宅価格が3カ月連続で上昇し たほか、世界的な株価の上昇が背景となった。ニュージーランド(N Z)ドルは対ドルで下落。日中の下げ幅としては過去2週間で最大と なった。NZ準備銀行(中央銀行)が自国通貨高が景気回復を損なう のを防ぐため、利下げを再開する可能性を示唆したことを手掛かりに 売りが優勢となった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「市場がリスク 志向を取り戻しており、金利の極めて低い米国の通貨は間もなく窮地 に立たされる可能性が高い。現時点ではドルの上昇余地は極めて限定 的だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時20分現在、円は対ユーロで0.6%安 の1ユーロ=134円28銭(前日は133円45銭)となった。ドルは ユーロに対して1ユーロ=1.4062ドル(前日は同1.4050ドル)ドル は対円で0.5%高の1ドル=95円50銭(同94円99銭)。ポンドは 対ドルで0.7%高の1ポンド=1.6486ドル。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は79.334と、 前日から0.4%低下した。

7月のユーロ

7月は、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.3833ドルから28日に付 けた6月3日以来の高値1.4304のレンジで推移した。対円では1ユ ーロ=127円2銭から136円89銭のレンジで取引された。

NZドルは対米ドルで一時1.5%安と、日中の下げ幅としては16 日以来で最大となった。年初来では13%上昇している。

ボラードNZ中銀総裁は金利据え置き後の発表文で、「景気回復 見通しは、金融状態の一段の緩和に基づいている」と説明し、「この 緩和が実現しないなら、景気回復は危うくなりかねない。こうした状 況では、当局は政策決定を見直すだろう」と述べた。

ウエストパック銀の通貨ストラテジスト、ローレン・ロスボロー 氏(ロンドン在勤)は、「NZ中銀は、同国経済が最悪期を脱したと まだ確信していない」と述べた。ロスボロー氏は「投資家はオースト ラリア・ドルに買い意欲を見せている」として、NZドルを売り、豪 ドル買いを勧めている。

クレディ・スイス・グループのレイ・ファリス氏率いるストラテ ジスト・グループも対NZドルで豪ドルを買うことを推奨。30日付 リポートで、「NZ中銀の発表文は明らかに、今後12カ月間に金融 引き締めに動くことを約束しないという、市場に対する意思表明だ」 と記述した。

ドルは対円で上げ幅を拡大。米労働省が発表した25日に終わっ た1週間の失業保険継続受給者数は619万7000人。前週の625万 1000人から5万4000件減少し、4月以来の低水準となった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は630万人 となっていた。同じ週の新規失業保険申請件数は58万4000件と、前 週の55万9000件から2万5000件増加した。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、サチャ・ティハニ 氏は「個人的にはドルは対円でさらに上昇するとみている」とし、 「失業保険継続受給者数の減少は、最近の経済統計の全般的な改善ト レンドに合致しており、投資家はリスクの高い取引にさらに向かいや すくなる」と指摘した。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。S&P500種株価指数はほぼ9カ月ぶりの高 値を付けた。モトローラやマスターカードの決算が予想を上回り、新 規失業保険申請件数が6月の水準以下にとどまったことから、買いが 優勢になった。

モトローラは9.4%高と、昨年11月以来で最大の上げ。人員削 減が奏功し、損失はアナリスト予想よりも小幅だった。マスターカー ドは3%高。利益がアナリスト予想を11%上回ったことが買いを誘 った。ゼネラル・エレクトリック(GE)は6.9%高と、4月以来の 大幅高となった。新たな銀行規制下でも同社が金融部門を維持できる との思惑が背景。

S&P500種株価指数は前日比1.2%高の986.75と、終値ベース では昨年11月4日以来の高水準。ダウ工業株30種平均は同83.74ド ル(0.9%)上昇の9154.46ドルで終了した。

RBCキャピタル・マーケッツのグローバル調査部門の共同責任 者、マーク・ハリス氏は「景気回復という上げ潮がすべての銘柄を押 し上げている。悪いニュースの度合いが弱まっている現状はその持続 性を強めつつあり、希望と楽観が高まっている」と述べた。

主要500社

S&P500種のセクター別指数は全10種が上昇。失業保険統計 を受け、景気安定に伴って失業増加のペースが鈍化しているとの見方 が強まった。25日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は58万4000件と、前週から2万5000件増加した。失業 保険継続受給者数は3週連続で減少した。

キャタピラーや3Mなど予想を上回る決算発表が相次ぎ、S&P 500種とダウ平均は10日以降、12%上昇している。ブルームバーグ のデータによると、S&P500種構成銘柄の過去1年の業績を基にし た株価収益率(PER)は16.7倍と、昨年9月以来の高水準となっ た。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、6月17日以降に第 2四半期決算を発表したS&P500種構成企業のうち、4社に3社は アナリスト予想を上回った。平均で31%の減益ながら、アナリスト 予想を9%上回っている。

モトローラ、マスターカード

モトローラは9.4%高。一部項目を除くベースの1株当たり損失 は1セントと、アナリスト予想の4セント損失よりも赤字幅が膨らま なかった。

電子決済ネットワーク世界2位のマスターカードは3%高。手数 料引き上げや決済件数の増加が寄与し、1株当たり利益は2.68ドル と、アナリスト予想(2.42ドル)を上回った。同様にアナリスト予 想を上回る決算を発表したビザは0.6%高。

GEは金融部門維持か

GEは6.9%上昇。米下院金融委員会のフランク委員長(民主、 マサチューセッツ州)は29日のブルームバーグ・ニュースとのイン タビューで、金融部門や産業融資会社を既に抱える企業は連邦準備制 度理事会(FRB)の監督を受けることなく、そうした部門の保持が 認められるべきだと語った。

ゴールドマン・サックス・グループがGEの投資判断を「中立」 から「買い」に引き上げたことも支援材料となり、一時は9%高とな った。ただ、クレジットサイツが、景気が予想以上に悪化した場合、 GE金融部門には向こう2年間で最大147億ドルの増資が必要になる との見解を示したため、伸び悩んだ。

予想上回る決算

S&P500種構成銘柄でこの日、決算発表を予定していたのは49 社。グッドイヤー・タイヤ&ラバー、保険大手ハートフォード・ファ イナンシャル・サービシズ・グループ、カジノ会社ウィン・リゾーツ が発表した決算はそれぞれ予想を上回り、株価は上昇率で上位に入っ た。

インベスコ・エイム(運用資産3480億ドル)のシニア市場スト ラテジスト、フリッツ・マイヤー氏は、ブルームバーグテレビジョン とのインタビューで「企業はこの景気下降局面で非常にうまくコスト を抑制したため、利益は急速に回復するだろう。失業保険統計はリセ ッション(景気後退)から脱し、景気が回復に向かっていることを恐 らく示唆している」と語った。

ダウ・ケミカルが予想を上回る決算を発表したことに加え、金属 相場が上昇したため、素材株指数は3%上昇。S&P500種の全セク ター中で上昇率トップとなった。

◎米国債市場

米国債相場は上昇し、朝方の下落分を帳消しにした。約1カ月ぶ りの高利回りがこの日の7年債入札で需要を取り込んだことが背景。

発行額が過去最大280億ドルの7年債入札では、最高落札利回り が3.369%と、ブルームバーグがまとめた事前予想の3.394%を下回 った。米財務省は今週、週間ベースでは過去最大規模となる入札を実 施。前日までの2日間に実施された2年債と5年債入札では、最高落 札利回りが市場予想を上回っていた。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポ ンド氏は「3度目の正直だ」と語る。「入札前の不安や3日連続で入 札が不調に終わることへの懸念がいかに大きかったかを物語ってい る」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時18分現在、7年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.24%。入札前には一時6月25 日以来の高水準となる3.37%まで上げる場面もあった。7年債(表 面利率3.25%、2016年6月償還)価格は11/32上げた100 2/32。

10年債利回りは5bp低下し3.61%。一方、2年債利回りは1bp 上げた1.17%。2年債と10年債の利回り格差は2.44ポイントに縮 小し、約3週間ぶりの低水準を付けた。

景気楽観論に疑問

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は、「経済状況は明るくなるとの見方も一部に あるが、たぶん間違っている」と述べた。

米財務省によると、この日の入札規模は1981年に7年債の定期 入札が開始されて以来の最大だった。入札は1993年から一時中断さ れ今年2月に再開。これまでの最大記録は前月の発行額270億ドル。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.63倍と、前回の2.82倍 を下回った。過去5回の入札の平均は2.4倍。この日の入札で海外の 中央銀行などを含む間接応札の落札比率は62.5%。6月の前回入札 では67.2%と、入札再開以来の最高だった。過去5回の入札の平均 は40%。

値ごろ感から買い

シティグループ・グローバル・マーケッツの先物部門の金利スト ラテジスト、ジェームズ・コリンズ氏は「値ごろ感が好感された」と 指摘。「海外の投資家からは2年債や5年債よりも、7年債への関心 が高い」と述べた。

米財務省は今週4回の入札を実施。前日は5年債390億ドル、28 日は2年債420億ドル、27日は20年物インフレ連動債(TIPS) 60億ドルを発行。発行総額は1150億ドルとなり週間ベースでは過去 最大規模だった。

前日の5年債入札で間接応札の落札比率は36.7%に減少。6月 の前回入札では62.8%と、2004年12月以来の高水準だった。今週の 2年債入札では33%。6月の前回の2年債入札では68.7%だった。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク在勤)は今週の入札を振り返り、 「3回の入札のうち予想より良かったのは1回だけだったことを考慮 すれば、かなりの好調だったとは言いがたい」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルが下げ、株が上昇したこと で商品相場の魅力が増し、3営業日ぶりに上昇した。

ドルは主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数に対し て一時0.6%下げた。一方、S&P500種株価指数は9カ月ぶり高値 に接近。ロイター・ジェフリーズCRB指数を構成する商品19銘柄 のうち18銘柄の相場が上昇した。

シティグループのアナリスト、デービッド・サーテル氏(ロンド ン在勤)は「ドルが下げる可能性が高いことから、この日は金が買わ れた」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前営業日比7.70ドル(0.8%)高の1オンス=934.90ドル で取引を終了した。同12月限は前営業日比7.60ドル(0.8%)高の

937.30ドル。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反発し、3ドル超の値上がり。この日発 表された決算が相次いで市場予想を上回ったことや、新規失業保険申 請件数が6月下旬を下回る水準にとどまったことを好感した。

原油相場は一時6%高。景気後退が緩和されるとの楽観的な見方 が広がり、米株式相場が上昇したことが背景。米労働省が発表した失 業保険の継続受給者数は3週連続で減少した。前日発表された週間在 庫統計では、原油在庫が市場予想に反して増加。需要が前年同期の水 準を下回っていることが示されていた。

コンフランス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「景気 は底入れしたとの見方が増えている」と指摘。「原油相場のファンダ メンタルズは依然弱いが、投資家は未来に目を向けている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比3.57ドル(5.64%)高の1バレル=66.92ドルで終了した。年初 来では50%の値上がり。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。ダウ欧州600指数は8カ月ぶり高値を付け た。BTグループやアルカテル・ルーセント、フォルクスワーゲン (VW)などの欧州企業がこの日発表した4-6月期決算で、アナリ スト予想を上回る内容だったことが材料となった。

英固定電話会社、BTは13%の大幅高。固定電話ネットワーク 最大手、フランスのアルカテル・ルーセントは、11四半期ぶりに黒 字となったことが好感され、9.4%上げた。ドイツの自動車メーカー、 フォルクスワーゲンは5.7%上昇。同社の4-6月期の減益幅が予想 よりも小幅だったことが買いにつながった。

ダウ欧州600指数は前日比2.2%高の225.25と、昨年11月5日 以来の高値を付けた。今月10日以降では14%上げている。

ストアブランド・アセット・マネジメント(オスロ)のファンド マネジャー、エスペン・ファーネス氏は「失望することなく、予想を 上回る業績が続いている。企業の業績見通しはより堅固で、一部で予 想されたほど悪くなく、状況が安定しつつある兆候を示している。経 済は今、恐らく底打ちしつつあるが、回復には幾らか時間がかかるだ ろう」と語った。

今月8日以降に決算を発表したダウ欧州600指数の構成銘柄のう ち半数以上が、1株当たり利益でアナリスト予想を上回った。データ によると、同指数の構成企業の4-6月期は平均で37%減益となっ たが、151社中91社の業績が予想を上回っている。

30日の西欧市場では、18カ国すべてで主要株価指数が上昇。ダ ウ・ユーロ50種株価指数は前日比2.1%高、ダウ・欧州50種株価指 数は2.2%上げた。

BHP、リオ・ティント

オーストラリアの鉱山会社、BHPビリトンは5.2%上昇。ニュ ーヨークとロンドンの両市場で、銅相場が3日ぶりに上昇したことが 材料となった。同業の英アングロ・アメリカンは4.5%高、英豪系リ オ・ティントは7.2%上げた。ダウ欧州600指数の産業別19グルー プの中で資源銘柄は6%高と、最大の上げを演じた。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ2年債利回りが1カ月ぶり高水準に近づ いた。株高で安全投資としての国債需要が減退したほか、イタリアが 100億ユーロ強の国債を入札したことが材料視された。

世界の株式相場の指標、MSCI世界指数が3日ぶりに反発し、 欧州ダウ600指数も上昇したことを受け、ドイツ国債は一時下落した。 イタリアはこの日、期間3年、7年、10年の国債入札を実施した。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デービッド・シュノーツ氏 (フランクフルト在勤)は「欧州債は、供給要因と株式相場の動向に 左右されている」と指摘した。

ロンドン時間午後5時40分現在、2年債利回りは1.33%。一時 は1.37%まで上げ、28日に付けた1カ月ぶり高水準まで3ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)に迫った。同国債(表面利率

1.5%、2011年6月償還)は前日比0.01ポイント下げ100.31。10年 債利回りは1bp上昇し3.43%となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。ロンドン時間午後5時現在、10年債利回り は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ、3.94%。 2年債利回りは1.34%と前日からほぼ変わらず。

メリルリンチ指数によると、7月の英国債の投資収益は1.9%の マイナス、ドイツ国債はプラス0.3%、米国債はマイナス0.4%だっ た。

バークレイズのテクニカル分析の世界責任者、ジョーダン・コー ティック氏(ニューヨーク在勤)は29日付リポートで、10年債は今 後も下げ続け、利回りが4.10%まで上昇する可能性があると記述し た。

また、RBCキャピタル・マーケッツは27日、イングランド銀 行(英中央銀行)が資産購入プログラムを休止すれば英国債相場は下 落する可能性があるとの見方を示した。英中銀は30日、1250億ポン ドの現行枠での購入が終了したと発表した。同中銀は買い取り規模変 更をめぐり8月6日開催の政策決定会合で協議する。

東京ニューズルーム  +81-3-3201-8900

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 藤田比呂子 Hiroko Fujita +81-3-3201-8662 hfujita2@bloomberg.net Editor:Yoshito Okubo 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE