今日の国内市況:日経平均が年初来高値、債券は長期軟調-円95円付近

株式相場は続伸して、日経平均株 価が終値で年初来高値を更新した。国内企業の決算発表で業績好転が確 認されたホンダや日産自動車、東芝を中心に自動車や電機株が上昇。取 引時間中に業績発表を行った三菱電機は急伸した。ただ、銘柄選別の色 合いが強まり、株価指数は前日終値を挟んでもみ合う場面が多かった。

日経平均株価の終値は前日比51円97銭(0.5%)高の1万165円 21銭。TOPIXは同6.58ポイント(0.7%)高の936.94。TOPI Xは10連騰となり、これは04年8月17日から30日以来のこと。

日経平均は方向感に乏しい動きを続けていたが、午後2時以降徐々 に上げ幅を広げた。終値では6月12日に付けた1万135円を抜け、年 初来高値を更新。ただ、東証1部市場の騰落状況を見ると、値下がり銘 柄数が834と、値上がりの675を上回り、盛り上がりに欠けていた。

相場全体に勢いが乏しいなか、決算発表を受けて個別銘柄に選別投 資する動きが強まった。代表例が自動車株。ホンダが29日に、中国や 国内の四輪車の販売好調などで2010年3月期の業績予想を上方修正し たことをきっかけに、自動車業界の業績期待が高まった。日経平均の上 昇寄与度上位にはホンダやトヨタ自動車、日産自動車などが入り、自動 車株が指数を押し上げた。

また、会社側による4-9月期の営業利益予想はゼロだが、4-6 月期で74億円の黒字を確保した三菱電機も急伸。取引終了後に決算発 表を予定していたソニーも売買を伴って上げ、東証電気機器指数はTO PIXの上昇寄与度2位となった。

このほか、リチウムイオン電池負極材の好調などで09年12月期業 績予想を上方修正した日本カーボンや、コスト削減などで4-6月期は 大幅増益となった富士通ゼネラル、原材料安などで4-6月期が増益に なったと午後に発表した東洋水産も大幅上昇した。コスト低減などが奏 功して09年12月期の利益予想を上方修正したホシザキ電機は年初来高 値を更新。

半面、決算発表で厳しい収益環境が示された銘柄は売られた。ファ クトリーオートメーション(FA)機器の需要低迷が続き、4-6月期 の連結純利益が前年同期比85%減に落ち込んだファナックが続落。銅 やニッケルなどの価格下落と販売低迷で、4-6月期の連結純利益が同 78%減となった住友金属鉱山も安い。両銘柄は日経平均の下落寄与度上 位に入り、指数の上値を抑えた。

消費低迷の影響などで4-6月期の連結営業損益が14億円の赤字 になった日本航空電子工業と、市況悪化が響いて4-6月期の連結最終 赤字額が前年同期から拡大したNECエレクトロニクスは大幅安。

東証1部市場の売買高は19億4641万株と、3月以来の3日続けて の20億株割れ。

債券は長期債軟調、生産指数上昇で

債券市場では長期や超長期債相場が軟調(利回りは上昇)。鉱工業 生産指数の上昇継続に加えて、衆院選後の国債増発に対する警戒感など から売りが優勢だった。2年債入札結果は順調となり、中期債は底堅く なったものの、相場全体を押し上げるには至らなかった。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比11銭安の138円35銭で 始まった後、一時は13銭安い138円33銭まで下げた。その後は買いが 入って、11銭高まで上昇した。大引けにかけて上げ幅を縮め、結局、 前日比変わらずの138円46銭で終了した。日中売買高は1兆4592億円。

現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前日比1.5ベーシ スポイント(bp)高い1.38%で始まった後、若干上げ幅を縮小し1.375% をつけた。その後は徐々に水準を切り上げ、その後は2.5bp高い1.39% に上昇している。

超長期債相場が安い。新発20年債利回りは前日比3bp高い

2.125%、新発30年債利回りは3.5bp高い2.30%にそれぞれ上昇してい る。一方、2年債入札結果を好感して中期債はしっかり。前回入札され た2年物の282回債利回りは一時、0.5bp低い0.26%となった。

6月の鉱工業生産は前月比2.4%上昇と、ほぼ市場予想(2.5%上 昇)通り。4-6月期は前期比8.3%上昇と5四半期ぶりにプラスに転 じ、56年ぶりの高い伸びを記録した。生産予測指数は7月が前月比

1.6%上昇、8月が同3.3%上昇となった。

一方、財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.3%の2年 利付国債(283回債、8月発行)の入札結果によると、最低落札価格は 100円5銭5厘、平均落札価格は100円5銭8厘となった。最低価格は 事前の市場予想(100円5銭)を若干上回り、最低と平均価格の格差 (テール)は3厘となり、前回債の5厘から縮小した。応札倍率は

3.09倍で前回債の3.56倍から低下した。

日本相互証券によると、この日に入札された2年債(283回債)利 回りは、業者間市場において、0.275%で寄り付いた後、一時0.27%ま で買い進まれた。その後は0.275%で推移している。

円は95円付近

東京外国為替市場では午後の取引で円がじり安。前日大幅安となっ た中国株の動向に注目が集まるなか、株価は上値が重いながらも底堅さ を見せたため、リスク回避に伴う円買い・外貨売りに対する警戒感が和 らいだ。

ユーロ・円相場は1ユーロ=133円台で一進一退の展開が続いてい たが、徐々に円売りが優勢となり、午後には133円台後半へ水準を切り 上げた。ドル・円相場も1ドル=95円ちょうどを割り込んでいたが、 午後には95円台を回復した。

市場では投機筋を中心に円の買い持ち高が残っているとの見方があ り、ドル・円の95円半ばを抜けてくると一段のドル買い・円売りが膨 らむと指摘された。

また、リスク回避圧力が弱まるなか、ドルに資金を逃避させる動き も一服。ユーロ・ドル相場は朝方こそ前日の海外市場で付けた2週間ぶ りドル高値、1ユーロ=1.4008ドルに接近する場面が見られたが、そ の後はドルが伸び悩み、午後には一時、1.4095ドルまで値を戻した。

前日に8カ月ぶりの大幅安を記録した上海総合指数は反発して始ま った後、一進一退の展開となった。一時は前日比1.6%安まで下げる場 面も見られたが、午後には再びプラス圏に浮上。日経平均株価も終値で 年初来高値を更新し、世界的な株安連鎖への警戒感はいったん和らぐ形 となった。

株価にらみの展開が続くなか、米国では30日に先週分の新規失業 保険申請件数、31日に4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GD P)速報値とシカゴ購買部協会景気指数が発表される。このところ消費 者信頼感指数、耐久財受注と予想を下回る経済指標が続いているだけに 弱い内容となった場合には、米国株の下押し圧力につながり、リスク回 避の動きが再燃する可能性もある。

一方、あすは日本で大型の外貨建て投信の新規設定が予定されてい る。最近は設定額が募集額の上限を大きく下回るケースも出ており、投 資家の購入意欲はそれほど強くないとの見方もあるが、一定の円売り需 要が期待されている。

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