長期・超長期債が軟調、生産指数上昇や今後の増発懸念-2年入札順調

債券市場では長期や超長期債が軟 調(利回りは上昇)。鉱工業生産指数の上昇継続に加えて、衆院選後の 国債増発に対する警戒感などから売りが優勢だった。2年債入札結果は 順調となり、中期債は底堅くなったものの、相場全体を押し上げるには 至らなかった。

岡三証券シニアエコノミストの坂東明継氏は、「長期や超長期ゾー ンは総選挙後の需給懸念が出ている。自民党、民主党ともにばらまきの 政策になっており、増発リスクを意識している」と述べた。2年債入札 については、「無難な結果だった。もともと銀行の余剰資金の受け皿と みられていたので警戒感もなかった」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比11銭安の138円35銭で 始まった後、一時は13銭安い138円33銭まで下げた。その後は買いが 入って、11銭高まで上昇した。大引けにかけて上げ幅を縮め、結局、 前日比変わらずの138円46銭で終了した。日中売買高は1兆4592億円。

日経平均株価は続伸。前日比51円97銭高の1万165円21銭で取 引を終了した。中央三井信託銀行総合資金部の関一也次長によると、 「債券相場は、国内要因では動きにくくなっており、中国をはじめとし た内外株価の動向や、7年債の入札を残している米債市場の動きに注目 している」という。

新発10年債利回りは1.39%

現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前日比1.5ベーシ スポイント(bp)高い1.38%で始まった後、若干上げ幅を縮小し1.375% をつけた。その後は徐々に水準を切り上げ、午後4時10分時点では

2.5bp高い1.39%に上昇している。

超長期債が安い。利回り曲線は傾斜化した。新発20年債利回りは 前日比3bp高い2.125%、新発30年債利回りは3.5bp高い2.30%にそ れぞれ上昇している。一方、2年債入札結果を好感して中期債はしっか り。前回入札された2年物の282回債利回りは一時、0.5bp低い0.26% となった。

朝方発表された6月の鉱工業生産は前月比2.4%上昇と、ほぼ市場 予想(2.5%上昇)通り。4-6月期は前期比8.3%上昇と5四半期ぶ りにプラスに転じ、56年ぶりの高い伸びを記録した。生産予測指数は 7月が前月比1.6%上昇、8月が同3.3%上昇。新光総合研究所シニア エコノミストの宮川憲央氏は、「予測指数通りに実現すれば、7-8月 平均の水準は4-6月平均対比で6.8%上昇となる。4-6月に続き、 7-9月期も大幅な増産が続く可能性を示唆する」と分析した。

民主党は27日、衆院選で掲げる党の政権公約(マニフェスト)を 発表。「子ども手当」(1人月額2万6000円)を2010年度に半額、11 年度に完全実施することなど主要政策を実現する時期と所要額を明記。 既存の歳出を見直すことなどで13年度には16.8兆円の財源を生み出す 方針も示した。これに対し、自民党は総裁の麻生太郎首相が31日に発 表するが、総選挙の鍵を握る子育て世代をにらんだ内容とみられる。

2年入札順調、テールは縮小

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.3%の2年利付国 債(283回債、8月発行)の入札結果は、最低落札価格は100円5銭5 厘、平均落札価格は100円5銭8厘となった。

最低価格は事前の市場予想(100円5銭)を若干上回り、最低と平 均価格の格差(テール)は3銭となり、前回債の5銭から縮小した。応 札倍率は3.09倍で前回債の3.56倍から低下した。

日本相互証券によると、この日に入札された2年債(283回債)利 回りは、業者間市場において、0.275%で寄り付いた後、一時0.27%ま で買い進まれた。その後は0.275%で推移している。

みずほインベスターズ証券チーフストラテジストの井上明彦氏は、 2年債入札結果について、「前回よりも強かった感がある。特に都市銀 行は安全運用のため国債を好む傾向が続いている。日銀は、あと1年は 金利を上げることはないだろう」と語った。

日本銀行の野田忠男審議委員は30日、長野県松本市で講演し、 「早過ぎる政策変更により問題が再発することは当然避けなければなら ない」と述べ、早期の出口論にくぎを刺した。

また、野田審議委員は、会見で、将来の一定期間にわたり現在の金 融緩和策の継続を約束する「時間軸」の導入について、「今は視野に入 っていない」としながらも、「あらゆる政策手段に予断を持って臨まな い」として、将来の「選択肢の1つ」との考えを示した。

--取材協力:赤間信行、日高正裕 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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