日経平均秋に11000円台も、民主政策短期に消費刺激-バークレイズ

バークレイズ・キャピタル証券の 高橋文行クオンティテイティブ・ストラテジストは、民主党政権誕生の 観測が高まっており、政権交代が短期的に株式相場を支え、2009年内 は日経平均株価で1万700円を挟んで上下700円程度のレンジ相場を 予想している。同証が29日開催した日本株式投資戦略記者セミナーで 発言した。

高橋氏は、「政策期待や足元の企業業績改善から第2四半期の決算 内容が見えてくる秋に向けて、日経平均株価は一時的に1万1000円超 えを試す」と予想。しかしその後は、財源の議論が活発し、長期金利の 上昇と円高を織り込んだ動きになり、「同水準を安定的に上回ることは 難しい」とみている。

民主党は、政権公約(マニフェスト)で子育て支援や農家の戸別所 得補償など、家計に対する直接支援策を掲げた。こうした政策が実現す れば、「一定の消費刺激効果が期待できる。ただし、これは続いて数カ 月。雇用と所得自体の改善がなければ、個人消費の低迷は続く」という のが高橋氏の考えだ。

同氏は、「民主党の家計支援策は税金ばらまき色が強く、財源の確 保に対するあいまいさもある」と指摘。財政規律の維持に対して市場が 疑念を抱き始めれば、国債増発への懸念から長期金利の上昇が現実問題 となり、中長期的にネガティブ・インパクトをもたらすとみる。

利益改善が株価を押し上げ

バークレイズ証が示す日経平均1万700円というめどは、企業利 益予想に基づいて算出したもの。世界景気の急速な冷え込みによる需要 減などを受け、主要企業は08年末ごろから設備投資抑制や過剰設備の 減損処理を積極的に行ってきた。その効果が「7-9月期から減価償却 費の減少という形で表れ、年後半の企業利益のかさ上げ要因になる」と、 高橋氏は指摘する。

7月は日米で4-6月期業績の発表が本格化。両国ともに市場予想 を上回る利益が発表されることが多く、業績改善期待が高まっており、 これが株高をもたらしている。しかし高橋氏は、売上高はむしろ予想を 下回っている点に言及。「利益の回復は需要の回復によるものではなく、 リストラなどによる費用削減効果によるもの」としたうえで、需要の回 復が伴わないと「利益改善の持続性に疑問が生じ、株価の上昇は続かな い」と警戒する。

米国を中心とした先進国では、環境意識の高まりを背景に過剰消費 の是正も進みそう。高橋氏によれば、「先進国での需要減を中国など新 興国が補うには力不足」であり、需要回復には時間がかかるという。

長期金利上昇と円高

先進各国で景気対策による財政出動が膨らみ、長期金利の上昇圧力 が高まっている。これに米国の景気回復期待が加われば、米国主導の世 界的な金利上昇が起こりかねず、その場合、為替市場では円高ドル安が 進む公算が大きい。長期金利の上昇と円高が同時進行すれば、輸出企業 を中心に日本の企業業績には打撃となり、景気回復に水を差す可能性が ある。

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