日米金利差拡大で年末110円も、選挙響かず-フォルティスの山本氏

フランスの大手金融機関、BNP パリバ傘下の資産運用会社、フォルティス・アセットマネジメントの 山本平社長はブルームバーグとのインタビューで、円相場は秋以降、 日米の景況感の違いなどを背景に円安・ドル高が進み、米金利の上昇 次第では年末に1ドル=110円になる可能性があるとの見通しを明ら かにした。

また、次期総選挙で民主党への政権交代が実現する可能性は高い としながらも、為替や金利など市場への影響は限定的だとの考えを表 明した。

インタビューは28日に行った。そのなかで、山本社長は「世界各 国で景気対策が実施されたが、自律回復につながるかどうかは依然不 透明だ」とし、円相場は当面、1ドル=95円を挟んだレンジ圏内の動 きにとどまるとの見方を示した。

ただ、秋口以降は「少しずつ各国の景気回復の度合いの違いが見 えてくる」とし、なかでも米国については、景気回復スピードは極め て緩やかながらも、先進国のなかで最も回復が早く始まりそうだと指 摘。秋口以降は日米の景況格差から円相場は100円前後の円安水準に なるとの見方を示した。

さらに米国の金利上昇が本格化した場合には、低金利国通貨を調 達して高金利国通貨建て資産に投資する「円キャリー取引」を誘発し、 年末には110円まで下落する可能性があると指摘した。

29日の東京外国為替市場の円相場は午前10時半時現在、1ドル =94円64銭で推移している。

日米の景況、金利差

山本社長は日本経済について、「成長率は非常に低く、なかでもデ フレ圧力は日本が最も高い」と述べ、日本の金利は世界的に見ても最 も低いレベルで推移するとの見方を明らかにした。増発懸念のある長 期金利に関しても、「カネあまりのなかで金利がちょっとでも上がれば 国債は買われる」と述べ、低位安定が続くと指摘した。

これに対し、米国経済については、「今は企業のリストラ効果で業 績が良くなった段階だが、第4四半期(10-12月)あたりから現実の 需要が回復してくるだろう」と指摘。「世界的には、日本を除くと、景 気回復時のインフレ懸念のほうがデフレ懸念よりもずっと強い」とし た上で、「各金融当局はすぐにでも金利を上げてくるだろう」と予想。 世界的な金融市場の混乱が収まれば、日米金利差の拡大を背景とした 円キャリー取引が復活し、円安に拍車が掛かる可能性を明らかにした。

マニフェスト

一方、8月30日に行われる総選挙で、自・公政権から民主党への 政権交代が実現する可能性について、山本社長は「8-9割」と予想 した。ただ、株式市場で反応が見られないように、民主党への期待感 は盛り上がっていないとし、政権交代が起きても為替・金利・株式相 場への影響は限定的だとの見方を示した。

民主党が27日に公表したマニフェスト(政権公約)については、 物流コストの引き下げが期待できる「高速道路の無料化」など評価で きる施策も含まれているとした半面、「全体的な評価は財源も含めた実 現性次第だ」と指摘。むしろ、与党議員100人以上を中央省庁に送り 込むなどの霞ヶ関改革は「混乱をもたらし、海外投資家の評価を落と す可能性がある」と述べた。

また、山本社長は来年夏の参院選までにマニフェストが確実に実 行に移されることが重要だとし、政権奪取後の民主党にとっては「財 源と時間がポイントになる」と指摘した。

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