東京外為:円が午後強含み、アジア株軟調でリスク回避姿勢くすぶる

東京外国為替市場では、午後の 取引で円が再び強含んだ。アジアの株式市場が軟調に推移しているこ とから、リスク資産向け投資には慎重な姿勢が根強く残り、投資避難 的な円買いが優勢となった。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、株価動向を 受けたリスク許容度をめぐる思惑を背景に円の方向性が決まる展開が 続いているとしたうえで、足元はやや「円の下落余地が限られている 感がある」と説明している。

この日は、午前の取引で日本株がプラスに転じた局面では、リス ク回避姿勢の緩和を背景に円売りが進行。ユーロ・円相場は、1ユー ロ=134円35銭まで円が軟化していた。午後にかけて株価が上昇幅 を縮小すると、円売りの動きは鈍り、一時は132円79銭と、22日 以来、1週間ぶりの円高を付けている。

ドル・円相場は午前に1ドル=94円68銭まで円が下落したあ と、じり高に展開し、午後は一時94円8銭まで円が反発した。

アジアの株式市場が午後の取引にかけて、全般的に値を崩してい ったほか、米国の株価指数先物もマイナスで推移している。

株価動向が焦点

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが28日発表した7月 の消費者信頼感指数が低下し、市場予想も大きく下回った。また、現 在は雇用が十分にあるとの回答も、1983年以来の水準に落ち込み、 景気回復に対する楽観的見方が後退する格好となった。

前日の米株価が下落し、株価の予想変動率の指標であるシカゴ・ オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数) が上昇。原油相場も10営業日ぶりの反落となっており、投資家の間 でリスク資産向け投資に慎重な姿勢が強まる可能性が警戒された。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、景気回 復をテーマにリスク許容度の強弱が持ち高を左右する展開が続いてい るとしたうえで、株が下落すれば、円売り持ち高が解消される可能性 も残るとみている。

そうしたなか、この日の米国時間には連邦準備制度理事会(FR B)が地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表するほか、6月の 耐久財受注も発表されるが、引き続き内容を受けた株価動向が焦点と なりそうだ。

景気回復シナリオを見極め

一方で、全米20都市を対象にした5月の米スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は2006年7 月以来の前月比プラスを記録し、同年5月以来の伸び率となった。

米国では、先に発表された6月の中古と新築の住宅販売件数が市 場の予想を上回る強い内容だったこともあり、住宅市場の底入れ期待 も生じている。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、悪材料 ばかりでもないと指摘したうえで、「株の雰囲気が大きく変わってい くのであれば、再びリスク縮小の方向でクロス・円(ドル以外の通貨 と円の取引)が下げる展開となるが、1日だけでは判断できない」と している。

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