TB利回りが再び低下、銀行は資金余剰で潜在需要-CPも買い意欲

財務省が実施した国庫短期証券 (TB)3カ月物の入札では、落札利回りが4週間ぶりに低下した。大 量発行で需給懸念はくすぶるが、余剰資金を抱えた銀行勢の潜在的な需 要はしっかりしているとの見方が多い。

TB43回債(償還11月2日)の最高落札利回りは前回比1.2ベー シスポイント(bp)低下の0.1564%、平均落札利回りは1.1bp低い

0.1540%になった。入札後は0.1525%で取引された。月初の入札で

0.15%を下回った後、じりじりと上昇し、前回の入札では0.17%目前ま で水準を上げていた。

前週は新発TB3カ月物が0.15%まで買われたが、その後はさすが に投資家の需要は減退した。国内証券のトレーダーは、0.15%台を急い で買う投資家もいないが償還資金を乗り換える需要はあると指摘する。 発行額5.7兆円のうち、証券1社が1兆円程度を落札したもようだ。

大手信託銀行の資金担当者は、企業への貸出状況から見ても、銀行 が余剰資金を抱えて運用難にあることは確かだと指摘。資金繰り上では TBを買わざるを得ないという。

日銀が発表した貸出・資金吸収動向によると、6月の銀行貸出平均 残高は前年同月比2.5%増と、6カ月連続で伸び率が鈍化。日銀は、設 備投資や運転資金としての資金需要の減少、社債やコマーシャル・ペー パー(CP)の市場回復の影響を指摘している。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、この日のTB入札について、 「投資家にとても売れているといった感じではないが、償還資金の買い はたんたんと継続されるうえ、売れ残っても業者が抱えられる」と指摘 する。相場の水準に大きな変動は生じづらいとみられている。

間接金融と直接金融

一般企業が短期資金を調達するCP市場では、月末の発行が7000 億円程度まで膨らんだが、ディーラーや投資家の強い買いを背景に、金 利は横ばいから弱含みが続いた。

最上位格付けa-1プラスの電力卸会社が2カ月物を0.13%割れ、 期末越え3カ月物を0.14%で発行した。a-1格付けでも、不動産会 社が2カ月物を0.13%台半ばで発行したほか、石油会社の3カ月物は

0.15%台前半で、銘柄間格差が縮小している。

市場関係者によると、一部の企業はCPを発行する際の応札が予想 を大幅に上回ったことで、銀行借り入れを減らしてCPの発行を増額し たという。大手信託の担当者は、CPの市場機能が改善するなかで、優 良な企業による間接金融から直接金融へのシフトは当然起こりうる流れ だとみていた。

a-1格付けの電機メーカーが年末越え6カ月物を0.20%で300億 円発行した。銀行買い入れの際の基準金利にもなるTIBOR(東京銀 行間貸出金利)6カ月物は0.66%程度で推移している。

月末の資金

日銀が午後に実施した本店共通担保オペ8000億円(30日-8月11 日)の最低落札金利は前回(29日-8月5日)より1bp低い0.11%、 平均落札金利も0.2bp低い0.118%になった。応札倍率は2.73倍だった。

日銀は月末越えの資金供給オペを潤沢に実施。証券会社などからの 資金手当ての需要を満たしている。準備預金の積み上げが進んでいる銀 行はレポ(現金担保付債券貸借)で積極的に運用するため、月末越えも

0.12%付近と、低位安定している。

午前の国債買い現先オペは、スポットネクスト物(31日-8月3 日)の最低金利が1bp上昇の0.12%にやや強含んだが、1週間物(31 日-8月7日)は0.12%で横ばいだった。

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