債券相場は堅調、米長期金利低下や株高一段落-利回り曲線フラット化

債券相場は堅調(利回りは低下)。 前日の米債市場で長期金利が低下したほか、内外株価の上昇が一段落し ていることが買い材料視された。現物市場では長期や超長期ゾーンの買 いが続き、利回り曲線にはフラット(平たん)化圧力がかかった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、20年債の2.1%台で金利の絶対水準を重視する投資家からの買い が続き、入札後の調整をひとまずこなしたという。ただ、「取引自体は 盛り上がっておらず、一段の金利低下までは期待しにくい」とも指摘し た。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比8銭高い138円41銭で 始まった。しばらく138円40銭付近で小動きとなったが、株安もあっ て買いが優勢になると一時は138円55銭まで上昇した。もっとも、そ の後は138円50銭を挟んでこう着する展開となり、結局は13銭高の 138円46銭で引けた。日中売買高は1兆6248億円。

前日の米債市場では2年債入札が低調だったものの、長期債市場で は10年債利回りが3.7%台に上昇する場面で買いが入り、結局は前日 比3ベーシスポイント(bp)低下の3.69%程度で引けた。一方、米株 相場はもみ合いとなり、国内市場でも前日に続いて株高の勢いが鈍った ことなどが債券市場での買いを促した。

7月半ば以降には米国景気の回復期待にけん引されて、内外市場で 株高、債券安の傾向が強まったものの、国内債券相場は比較的に底堅さ を維持した。みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエ コノミストは、債券の市場参加者が先行きを慎重にみているほか、貸出 難などを背景とした金余りが債券の好需給につながっているといい、 「短期的には株高でも債券に売りが出づらい環境だ」と指摘した。

こうしたなか、あす発表の鉱工業生産指数に市場の注目が集まって いた。BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、グロ ーバルに強めの指標が出ているなかで、日本の生産も外需に支えられて 良い数字が出ることも考えられると指摘。一方、7月以降の予測指数が プラス幅を縮めるようだと、景気の先行き不透明感が広がりそうだ。

ブルームバーグ調査によると、6月の鉱工業生産は前月比2.5%上 昇と4カ月連続のプラスが見込まれている。1-3月期に過去最大の落 ち込みとなった反動から、4-6月期は5期ぶりに前期比上昇に転じる 公算が大きい。

新発10年債利回りは1.365%

現物市場で新発10年物の302回債利回りは前日比1.5bp低い

1.37%で始まり、その後は1.37-1.375%での推移となった。午後4時 17分現在は2bp低い1.365%に低下している。

302回債利回りは株高などを背景に今月半ば以降に上昇して、23日 には新発10年債として6月29日以来の高水準となる1.395%を記録し たが、その後は投資家の需要に支えられて1.4%乗せを回避した。

債券市場で景気の先行きに慎重な見方が有力なことが、足元の現物 市場における好需給につながっている。8月4日には次回の10年債入 札を控えて積極的な買いは期待しづらいものの、みずほインベスターズ 証の落合氏は、「月末にあたって年限長期化入れ替えの需要があるなど 今週に関しては需給面の不安が乏しい」とみており、週末に向けても金 利は安定的に推移するとの見方を示した。

また、前日に続いて超長期債が買われて、20年物の112回債利回り は2.5bp低下の2.10%となり、一方で2年や5年ゾーンはもみ合い推移 となった。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループ リーダーは、これまで景気回復期待などを背景に超長期債が売られたも のの、「超長期ゾーンの利回り上昇がやや行き過ぎとの見方から、中期 債を売って超長期債にシフトする動きが出ている」と指摘した。

2年債入札は無難か

財務省は30日に2年利付国債(8月債)の入札を実施する。2年 物の282回債はこの日に0.26%で取引されたため、新発2年債の表面 利率(クーポン)は0.3%に据え置かれる見通しだ。発行額も前回債と 同じ2兆4000億円程度となる。

2年債利回りは4月はじめに0.46%まで上昇したが、5月以降は

0.35-0.40%程度での推移となり、6月後半から再び買いが優勢となる と一時は0.225%まで買い進まれた。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、 日銀の金融政策が早期に転換するとの観測が高まらないなか、2年ゾー ンの需給は引き続き良好だとみており、「投資家の待機資金は潤沢なの で今回の入札も無難にこなす」と読む。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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