REIT支援ファンド、DBJ野村が運用-当初1000億円

国土交通省の「不動産市場ファン ドの設立・運営に関する検討委員会」は28日の第3回会合で、資金繰 り悪化に見舞われている日本版不動産投資信託(J-REIT)の支 援に向けて、8月下旬にも立ち上げる3000億-5000億円規模の官民 ファンド(基金)に関する中間報告をまとめた。ファンドを運用する アセットマネジャー(AM)にはDBJ野村インベストメントを選定 した。

同検討委は報道機関に公開され、不動産証券化協会の巻島一郎専 務理事らが報告した。DBJ野村は日本政策投資銀行と野村証券が 50%ずつ出資する合弁会社で、公募でAMに選ばれた。

DBJ野村はAMとして「貸付ガイドライン」に基づき、J-R EITと貸し付け条件の交渉などを行う。ガイドラインの貸付条件に は、不動産購入価格に占める借入金の割合(LTV)を65%以下とす ることや、無担保での貸し付けを行わないことなどが明記された。

ファンドの目的として、主に投資法人債のリファイナンス資金と して位置づけ、借入金のリファイナンスと合併など再編に必要な資金 を支援の対象としたが、J-REITの新規物件取得は対象外とした。

1000億円規模でスタート

ファンドは将来的に最大5000億円規模を想定しているものの、当 初2010年3月まで1000億円程度でスタートする。2010年3月までの 投資法人債の償還総額が1128億円であることや、J-REITからの 支援要請が予測困難であることなどが背景。

みずほ証券のチーフ不動産アナリストの石澤卓志氏は「官民ファ ンドはセーフティネットとしての一定の効果は評価できる。しかし、 1000億円という小さい規模でスタートすることはやや失望感がある」 と述べた。

検討委は7月14日の第2回会合で、8月下旬から9月上旬にファ ンドを立ち上げる方針を発表。J-REITが物件購入のための資金 調達手段として発行した投資法人債について、2012年3月までの償還 総額が3270億円であることなどを踏まえ、ファンドの総資産規模を総 額3000-5000億円程度と想定した。貸付期間は最長で15年3月末ま で5年半。

公募要領によると、DBJ野村は官民ファンドの無限責任組合員 (GP)となり、不動産会社、銀行、信託銀行、証券会社、商社など で構成する有限責任組合員(LP)とともに、投資事業有限責任組合 (LPS)を組織する。LPの数は10-40程度となる見込み。

AMの資格要件は①不動産担保融資に関するノウハウを有し②貸 金業登録を行っている③金融商品取引業者(投資運用業)の登録を行 っていることが望ましい-などだった。

J-REITは上場企業などが売却する不動産の主要な買い手だ が、金融不安に伴って資金調達が困難となり、不動産取引が減少して いる。官民ファンドの創設は、官民挙げてJ-REITの資金繰りを 下支えするのが狙い。検討委は6月30日に初会合を開催。8月下旬か ら9月上旬に開く次回の第4回会合で最終報告書をまとめる。

東証とジャスダックに上場のJ-REITの投資法人は、2008年 10月にニューシティ・レジデンス投資法人が初めて経営破たんしたた め、42から41に減っている。

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