三菱重:来春にも北米で風力発電機工場-オバマ政策追い風に(訂正)

三菱重工業は、早ければ来春にも 北米で風力発電機工場を建設する。オバマ米大統領が代替エネルギー 産業を積極的に育成する方針を打ち出すなか、増加が見込まれる風力 発電の取り込みを急ぐ。同社の佃嘉章取締役が27日、ブルームバー グ・ニュースのインタビューで明らかにした。

佃氏によると、今後北米地域ではテキサス州からノースダコタ州、 カナダにかけてのロッキー山脈東側で風力発電の導入が見込める。こ ういった風車の需要を見込めるエリアに近い場所に工場を建設するこ とを計画している。

同社が計画しているのは、「ナセル」と呼ばれる翼の後ろにある発 電機の本体部分の組み上げ工場。最大で年産600メガワット(60万キ ロワット)規模の生産能力を持つ工場を建設する予定で、佃氏は投資 額について「100億円をかけないでやれる範囲」との見方を示した。

この北米工場で生産が予定されている出力2.4メガワットの機種 では、平均風速8メートルで1850世帯をまかなう電力(年間900万キ ロワット)の発電が可能。

三菱重工は現在、横浜と長崎にナセル工場を保有しているほか、 メキシコと長崎工場で風車の羽根部分を製造しており、北米地域に工 場が建設されれば4カ所目の風力発電関連工場となる。

30億ドルの支援

オバマ大統領は、風力や太陽光などの代替エネルギー業界の成長 が環境関連の雇用を創出し、景気回復につながると期待しており、25 年までに米国の電力の25%を代替可能エネルギー源で賄う目標を掲 げている。米財務省とエネルギー省は9日、代替エネルギーの生産量 を今後3年で2倍に増やすため、風力発電や太陽光発電など約5000 の施設を対象に30億ドル(約2900億円)の支援を実施すると発表し た。

佃氏は、風力発電事業を取り巻く環境について「追い風だ」と指 摘。その上で、米政府の支援策を受け「市場がいつ本格的に動き出す か見守っている。いずれは北米地区が一つの大きな市場になると思う」

米国の風力発電市場は昨年急速に拡大。世界風力エネルギー協会 のデータによると、同国内の08年末の風力発電能力は2万5170メガ ワットと前年比50%増加した。米国にカナダを合わせた北米市場の能 力は2万7539メガワットと、6万4948メガワットの能力を持つ欧州 連合(EU)に比べると遅れが目立つが、国別では米国は世界全体の 能力の2割強を保有する最大の風力発電導入国となっている。

みずほインベスターズ証券の東丸英二アナリストは「追い風であ ることは確かだが、全体の米国経済がもう少し安定してこないと、需 要は加速しない」と予想している。

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