円が午後弱含み、豪景気の早期回復期待で高金利通貨買いに圧力

東京外国為替市場では、午後の 取引で円が弱含みとなった。オーストラリア景気の早期回復見通しや、 ドイツ銀行の好決算などを背景に、リスクに慎重な姿勢が再び和らぎ、 豪ドルやユーロなど比較的金利の高い通貨に対して円売り圧力が戻る 格好となった。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英チーフFXストラテ ジストは、豪中央銀行の総裁が景気に対して強気の見方を示したこと を受けて、豪ドル主導でクロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)の 円売りが進んだと説明。米住宅市場持ち直しの兆候も出始めており、 さらに米経済の底打ちを確認する状況となれば、「リスク資産向け投 資に対する安心感が生じやすい」とみている。

豪ドルは午後の取引で買いが活発化し、対米ドルで一時1豪ドル =0.8317ドルと、昨年9月以来の高値を更新。円に対しては一時1 豪ドル=79円11銭と、6月15日以来の高値を付けた。

ユーロ・円相場は午前の取引で日本株を中心としたアジアの株式 相場が上値の重い推移となったことから、一時1ユーロ=135円4銭 までユーロ安・円高が進行。しかし、午後には海外の景気回復期待に 加え、日本株が下落幅を縮小する展開になると、135円95銭まで値 を戻す場面もみられた。

一方、ドル・円相場は他通貨に対する売り買いが交錯し、午前の 取引で一時1ドル=94円93銭まで円高が進んだあと、午後は95円 台前半でもみ合った。

午後はリスク回避姿勢が緩和

この日の正午過ぎには、オーストラリア準備銀行(RBA)のス ティーブンス総裁が、同国の経済について、半年前のRBAの予想よ りも早期に回復する可能性があるとの認識を示したことが伝わった。

これを受けて、豪ドル買い主導で、他の主要通貨に対して低金利 のドルと円の売りが波及する展開となった。

また、東京時間午後の取引では、ドイツ銀行の4-6月期決算が 市場の予想を上回ったことも報じられ、ユーロ買いが後押しされる格 好になった。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.4295ドルと、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた1.4232ドルからユーロが水準を切り 上げた。

大和証の長崎氏は、ユーロ圏では景況感の改善を示す経済指標が 目立つなかで、金融機関の好決算は「ユーロにプラスに働く」として いる。

米住宅指標や入札動向を見極め

前日に発表された6月の米新築一戸建て住宅販売は前月からの伸 び率が2001年12月以来最大となった。さらに、1998年2月以来 の低水準になるなど、底打ちが期待される内容となった。

この日の米国時間には、5月のS&P/ケース・シラー住宅価格 指数が発表される。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネジャーは、 市場のムードがだいぶ楽観的になったという印象があるとしたうえで、 S&P/ケース・シラー住宅価格指数も強い数字となれば、「マイン ドにプラスに作用する可能性がある」とみている。

また、今週は米国で国債の入札が相次ぐ。この日は2年債の入札 が控えており、規模は420億ドルと、前回から20億ドル増加。29 日には発行額390億ドルの5年債、30日には280億ドル規模の7年 債の入札が予定されている。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉シニアFX ストラテジストは、ドルと円は米国の長期金利と逆相関関係にあると したうえで、短期的に金利に上昇圧力がかかれば、ドルと円が下落す る展開もあり得るとみている。

一方、この日の米国時間にはメディア大手のバイアコムや高級皮 革製品小売り大手のコーチなど、主要企業の決算発表が控えており、 米株にどのような影響を与えるかが警戒される。

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