債券相場は堅調、景気不透明感から現物買い-株高一服で先物横ばい圏

債券相場は堅調(利回りは低下)。 景気の先行きに不透明感が残るなか現物市場では超長期ゾーン中心に投 資家の買いが入った。一方、株式相場が市場予想に反して小幅マイナス 圏で推移するなか、債券先物は横ばい圏での推移が続いた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、内外株高を反 映して景況感は改善しつつあるものの、債券市場は景気の先行きを非常 に慎重にみているといい、「米金利や株価動向を横目でにらみながら金 利が上昇すれば押し目買いが着実に入る展開だ」とも指摘した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比6銭安い138円29銭で 始まった。株価が下げに転じると一時は138円40銭まで上昇したが、 その後は日中を通して前日終値を挟んで小動きが続き、結局は2銭安の 138円33銭で引けた。日中の売買高は1兆5698億円。

27日の米国市場は総じてもみ合い推移となったが、新築一戸建て 住宅販売が市場予想を上回ったことなどを背景に再び株高、債券安の展 開となり、これを受けた国内債券市場も先物売りが先行した。

しかし、日経平均株価が朝高後に小幅マイナス圏に反落すると、先 物9月物は前日の終値付近でのもみ合いが続いた。また、大和住銀投信 投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは、「債券市場参加者は株高の 持続性に懐疑的な向きが多いため、短い年限を中心に現物市場の押し目 買い意欲はおう盛だ」といい、今後の株高への警戒感がくすぶるなかで も、投資家の買い需要が相場を支える展開だと指摘した。

新発10年債利回りは1.385%

現物市場で新発10年物の302回債利回りは、27日の終値と同じ

1.39%で始まり、その後は株価の伸び悩みもあって1.385-1.39%で小 動きが続いた。午後にいったんは0.5ベーシスポイント(bp)高の

1.395%をつけたが、2時半前後からは再び1.385%で推移している。

ここ最近は長期や超長期債が短中期ゾーン対比で売られやすく、こ の日の302回債も株価動向次第では新発10年債として6月26日以来の

1.4%台に上昇するとの見方があった。しかし、20年や30年債には前 日までの金利上昇の反動の買いが入ったもようで、10年債に関しても

1.4%の壁が再び意識されていた。

また、週末にかけて発表される6月の経済指標において、雇用情勢 の悪化や物価下落傾向が強まるとみられるなか、金利上昇時における投 資家の買い意欲はおう盛のようだ。大和住銀投信投資顧問の横山氏はプ ラス予想の鉱工業生産にしても在庫調整が進んだ反動であって、先行き には半信半疑の見方が多いといい、「10年債利回りが1.4%から大きく 上振れる展開までは想定していない」との見方を示した。

午後には超長期債に買いが入っており、20年物の112回債は2bp 低下の2.125%、30年物の30回債も2bp低い2.295%で取引された。22 日の20年債入札後に超長期ゾーンでは売り圧力が強まっていたが、岡 三アセットマネジメントの山田氏によると、「入札後に金利水準が切り 上がったことで結果的に投資家の需要を促した」と指摘した。

民主党政権公約の影響は限定的

民主党は27日に衆院選の政権公約(マニフェスト)を公表したが、 この日の債券市場への影響は限定的となった。岡三アセットマネジメン トの山田氏は、民主党のマニフェストによると中長期的に財源不足が懸 念されるが、足元の市場はむしろ金融機関の運用難が意識されており、 「先行きの国債増発を織り込んで売り込む地合いではない」という。

マニフェストでは「子ども手当」(1人月額2万6000円)を2010 年度に半額、11年度に完全実施することなど主要政策を実現する時期 と所要額を明記。これらの政策を完全に実施する13年度には16.8兆円 の財源が必要となり、1)公共事業見直しや天下り先への支出削減で

9.1兆円、2)外国為替資金特別会計の運用益など埋蔵金で5兆円、 3)税制改正で2.7兆円をねん出するとしている。

もっとも、財源への不透明感から国債増発を懸念する見方もある。 ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、予算の徹底的な効率 化や埋蔵金活用による財源の手当てには不透明感があることから、「最 終的に財源確保が不可能となるリスクも見込まざるを得ず、年末の予算 編成で成果を出せなければ国債増発が想定される」と警戒していた。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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