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7月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要6通貨に対して年初来 の安値付近で取引された。リセッション(景気後退)が世界的に終わ りつつあるとの観測から、安全通貨への需要が損なわれた。

ドルはユーロに対して一時、7週間ぶりの安値を記録した。午前 に発表された6月の米新築住宅販売が前月比で大幅に拡大したのがき っかけだった。円もまた主要通貨の大半に対して下落。アナリストら が過去2年間で初めて米企業の利益予想を引き上げたことから、日本 の投資家が海外企業に高利回りを求めて円売りに動いたことが背景。

UBSのストラテジスト、ブライアン・キム氏は「ドルは主要通 貨の大半に対してパフォーマンスを下げるだろう」と語った。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数はニューヨーク時間午後4時3分現在、前営業日比ほぼ変わ らずの78.638。一時は0.5%下げて78.396をつける場面もあった。 ドルはユーロに対して1ユーロ=1.4240ドルと0.3%安。一時は

1.4298ドルと6月3日以来の安値を付ける場面があった。

新築住宅販売

円はドルに対してほぼ3週間ぶりの安値に下落。米商務省が27 日に発表した6月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率)は 前月比11%増の38万4000戸と、昨年11月以降で最高を記録した。 伸び率は過去8年で最大。アナリスト予想では前月比3%増が見込ま れていた。

ウエストパック・バンキングの英国担当エコノミスト、ジェーム ズ・シャッグ氏(ロンドン在勤)は「住宅部門が回復し始めていると の見方に納得するようになったのは、ここ数週間のことだ」と述べ、 住宅市場は「慎重な伸び」を示しつつあると指摘した。ウエストパッ クは来年の米経済成長率は0.5%と見込んでいる。

円はユーロに対して0.7%下げて1ユーロ=135円50銭、前週末 は134円63銭だった。ドルは対円で0.4%高の1ドル=95円15銭。 前週末は94円79銭だった。

ドイツ消費者信頼感指数

民間調査会社GfKが発表した8月のドイツ消費者信頼感指数は

3.5と、7月の3.0(改定値)から上昇し、1年2カ月ぶり高水準と なった。インフレ鈍化や景気回復の兆候が見られたことが背景。同指 数の上昇は3カ月連続。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト12人の調査中央値では2.9と見込まれていた。7月の速報値 も2.9だった。

同統計発表後、ユーロは対ドルで上昇した。

ボラティリティが低下し、キャリー取引の需要が高まったことも 円とドルの下落につながった。キャリー取引は低金利通貨で資金を調 達し、高金利通貨で運用する。

JPモルガン・チェースのデータによると、主要通貨レートのオ プションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は 13%と昨年9月26日以来の低水準をつけた。ボラティリティが低下 すれば、キャリートレードが活発になる可能性がある。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の通貨戦略グ ローバル責任者、マーク・チャンドラー氏は「市場心理が非常に前向 きで、為替のボラティリティも昨年9月以来の低水準となれば、キャ リー取引は再び人気が高まる」と語った。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。医療保険のエトナや家電量販のラジオシャッ クの決算がそれぞれ失望を誘ったものの、新築住宅販売件数が8年ぶ りに高い伸びを示したことが支援材料となった。

センテックスは9.1%高。S&P500種の住宅建設株指数をほぼ 3カ月ぶりの高値に押し上げた。バンク・オブ・アメリカ(BOA) やウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースも高い。一方、エト ナとラジオシャックは下落した。

S&P500種株価指数は前週末比0.3%高の982.18。ダウ工業株 30種平均は同15.27ドル(0.2%)上昇の9108.51ドルで終了した。 ラッセル2000種指数は0.4%高の550.88と、昨年10月14日以来の 高値となった。

パラダイム・キャピタル・マネジメントのシニア・バイスプレジ デント、ジョナサン・ボルスト氏は「相場が大きく上昇すると、追随 買いが入りやすい。企業業績はそこそこの内容にとどまる可能性もあ る。しかし予想を上回る決算が2、3社出てくれば、相場は大きく上 昇するだろう」と述べた。

6月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率)は前月比 11%増と、2001年12月以来の最大の伸びを記録。住宅市場が安定し つつあることを示した。これを材料にS&P500種の住宅建設株指数 は5.7%上昇した。

金融株

S&P500種の金融株指数は1.5%高。全10セクターで上昇率ト ップとなった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は4.6%高と、ダウ平均構成 銘柄で上昇率首位。モルガン・スタンレーが大手銀行の中でBOAを 「厳選銘柄(トップピック)」に選んだことが買いを誘った。自己資 本の改善と株価の割安感が理由。

ウェルズ・ファーゴは3.2%上昇、JPモルガンは0.6%高。

米大型株

米資産運用会社グランサム・マヨ・バン・オッタールー(GM O)の最高投資責任者(CIO)、ジェレミー・グランサム氏はウェ ブサイト上で公表した四半期レターで、米大型株の価値が最も高いと 指摘。中国経済が悪化すると、新興市場の株式が打撃を受けるとの見 方を示した。

さらに、「サブカテゴリー別で最も割安なのは依然として米優良 株だ」と記述している。

ニューヨーク・タイムズは16%高と、2月以来の大幅高。出版 株の上げをけん引した。ベンチマークのアナリスト、エドワード・ア トリノ氏が2009年は損益が赤字になるものの、来年は1株当たり9 セントの利益を得ると予想したことが好感された。

下落銘柄

エトナは2.7%安。通期の収益見通しを引き下げた。低料金の保 険販売で収入を伸ばしたが、医療コストの上昇が業績を圧迫した。1 株当たり利益は、アナリスト予想を10セント下回った。

ラジオシャックは6.6%安。売上高が9億6570万ドルと、アナ リストの平均予想9億7640万ドルを下回った。既存店売上高は4% 減少した。

ベライゾン・コミュニケーションズは1.6%安。スタンフォー ド・C・バーンスティーンのアナリスト、クレイグ・モフェット氏は、 法人部門の低迷は「米経済がリセッション(景気後退)脱却からは程 遠いことを示唆している」と指摘。モフェット氏はベライゾン株がセ クター内で出遅れるとみている。

企業業績

ブルームバーグのデータによると、これまでに発表された4-6 月期決算で、S&P500種採用企業の約75%がアナリスト予想を上回 っている。1株当たり利益は平均で26%減少。

JPモルガン・チェースがまとめたデータによれば、6月にアナ リストがS&P500種構成企業の収益見通しを上方修正したのは合計 896回。一方、下方修正は886回だった。上方修正が下方修正を上回 ったのは、信用危機が発生する前の2007年4月以来初めて。

S&P500種はリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破た んした昨年9月15日以来の下落分の半分以上を埋めた。3月9日に 付けた12年ぶりの安値からは45%戻している。

◎米国債市場

米国債相場は下落し、10年債利回りは約1カ月ぶり高水準に上 昇した。週間の入札規模としては過去最大となる1150億ドルの国債 入札が開始されたことや、米新築住宅販売が8年ぶり大幅な伸びを示 したことが背景。

長期債が特に売られた。6月の新築一戸建て住宅販売(季節調整 済み、年率)は前月比11%増の38万4000戸と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめた全エコノミストの予想を上回った。一方、米財務 省が実施した20年物インフレ連動債(TIPS)入札(発行額60億 ドル)の結果によると、最高落札利回りは2.387%と、入札直前の市 場予想を上回った。財務省は明日以降3日連続で、2年、5年、7年 債の入札を実施する。

MFグローバルの仕組み商品・新興市場の共同責任者、アンドル ー・ブレナー氏は「金融市場は米国債に若干の犠牲を強いている」と 指摘。「経済の他の分野が順調なので、ある意味これも悪いことでは ない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時34分現在、10年債利回りは前週末比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.72%。一時は同3.76%まで上 げる場面もあった。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償還) 価格は17/32下げて95 1/8。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト62人を対象にまとめ た米新築一戸建て住宅販売の予想中央値は35万2000戸だった。新築 住宅価格の中央値は前年同月比12%下落の20万6200ドル。

「入札は順調」

ドイツ銀行のチーフ米国エコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏 は「今回の統計並びに最新の住宅着工や中古住宅販売のデータは、住 宅セクターがやっと回復基調に入ったことを示している」と記述。 「ただ今年下期の景気安定化に寄与するまでの道のりは長い」と指摘 した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査では、この日実施され た20年物インフレ連動債入札の最高落札利回りは2.38%が見込まれ ていた。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.27倍と、前回の1.92倍 を上回った。海外の中央銀行などを含む間接応札の落札に占める比率 は47.8%。前回まで5回の平均は54.2%だった。

MFグローバルのブレナー氏は「この日の入札はそこそこ順調だ ったようだ」と指摘。「まずまずの間接応札があった」と述べた。

海外の中央銀行

米財務省は明日以降3日連続で入札を実施する。入札規模は明日 の2年債が420億ドル、29日の5年債が390億ドル、30日の7年債 が280億ドル。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は「この日、および今 週の市場では供給が大きな関心を集めるだろう」と指摘。「特に入札 での需要動向が最大の注目だ」と述べた。

6月23日に実施された前回の2年債入札での応札額は、同年限 の入札としては07年9月以来の最大だった。なかでも間接応札の割 合が過去6年間で最も大きかった。

米財務省のデータによると、今年のこれまでの入札全体に占める 海外中央銀行など間接応札の割合は平均30.4%と、08年の平均

21.6%を上回っている。

米政府のデータによると、財務省が今年の国債発行で新規に調達 した資金は1兆ドル超。米議会予算局によると、今年の財政赤字は1 兆8500億ドルに達する見込みで、同国実質国内総生産(GDP)の 13%に相当する。米政府とFRBが景気と信用市場の再生に向けこれ までに費やした資金規模は、融資や約束した金額を含め総額12兆ド ルを超えている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルが下落し、代替投資として の金需要が高まった。

ドルは主要6通貨バスケットに対して7週間ぶりの安値に下げた。 金は過去2週間で4.8%上昇、その間にドルは1.8%下落した。午前 に発表された6月の米新築住宅販売は前月比で11%増と、伸び率が 過去8年間で最大だった。

ソシエテ・ジェネラルのロンドン在勤のアナリストらは、「前向 きな景気見通し」とドルの下落が金相場にとって「やや強材料」とな ったとのリポートを発表した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前営業日比40セント高の1オンス=956.30ドルで取引を終 了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は約2年ぶりの最長となる9営業日続伸。 米株式相場が引けにかけて値を戻したことを受け、世界的なリセッシ ョン(景気後退)が和らいでいるとの観測が高まった。

原油相場続伸の背景には、S&P500種株価指数が8カ月ぶり高 値に接近したことがある。朝方には、米商務省が発表した6月の米新 築住宅販売が8年ぶり大幅な伸びとなり、大恐慌以来最悪の住宅不況 が安定しつつあるとの兆候が示されたことも好感された。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリ スト、ティム・エバンス氏は、「市場は原油の需要見通しだけに気を 取られており、そのほかの広範なファンダメンタルズには目を向けて いない」と指摘。「それがS&P500種株価指数への執着の背景だ。 原油のトレーダーらは株の投資家らが景気の行方を知っていると確信 しているのだ。責任逃れのようなものだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前週 末比0.33ドル(0.48%)高の1バレル=68.38ドルで終了した。年 初来では53%値上がりしている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。ダウ欧州600指数は約8カ月ぶりの高値で 引けた。世界的に景気下降ペースが緩やかになるなか、企業利益が改 善するとの観測が強まった。

フィナンシャル・タイムズ(FT)を発行する英出版会社ピアソ ンは12%の大幅高。同社の1-6月(上期)が増益だったことが好 感された。金属相場の上昇を背景に、BHPビリトンが資源株の上げ を主導した。

一方、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は

1.9%安。VWが信用格付け維持に向けて株式売却を検討していると、 事情に詳しい関係者が明らかにしたことが材料視された。

ダウ欧州600指数は前週末比0.4%高の220.59と、昨年11月10 日以来の高値を付けた。今月10日以降では12%上げている。

CCLAインベストメント・マネジメント(ロンドン)のジェー ムズ・ビーバン最高投資責任者(CIO)はブルームバーグテレビジ ョンに対し、「マクロ経済とミクロ経済に関するかなり良好なニュー スがあった。企業は予想されたほどかなり悪くならなかったと主張し ている」と語った。

民間調査会社GfKが27日発表した8月のドイツ消費者信頼感 指数は3.5と、7月の3.0(改定値)から上昇し、1年2カ月ぶり高 水準となった。同指数の上昇は3カ月連続。

最近の相場上昇で、ダウ欧州600指数の構成銘柄の株価収益率 (PER)は27.3倍と、2004年1月以来の高水準となった。

27日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が上昇し た。ダウ・ユーロ50種株価指数は前週末比0.7%高、ダウ・欧州50 種株価指数は0.6%上げた。

オーストラリアの鉱山会社、BHPビリトンは1.5%上げた。英 アントファガスタは2.3%高。ロンドン市場の銅相場は9カ月ぶり高 値を付けた。

英銀ロイズ・バンキング・グループは6.9%上昇。26日付の英紙 サンデー・テレグラフが、バンク・オブ・スコットランド(RBS) との合弁事業の一部ないしはすべての売却を検討していると報じたこ とがきっかけとなった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が4営業日連続で下落。この日発 表されたドイツ消費者信頼感が予想を上回ったことを受け、リセッシ ョン(景気後退)が緩和しつつあるとの兆候が強まった。

独2年債利回りは6月30日以降の高水準となった。民間調査会 社GfKが27日発表した8月のドイツ消費者信頼感指数は3.5と、 前月の3.0(改定値)から上昇した。エコノミスト調査では2.9と見 込まれていた。この日はダウ欧州600指数が上昇したほか、ベルギー が国債21億ユーロを入札したことも国債の下落要因となった。イタ リアとオランダは28日に入札を実施する。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デービッド・シュノーツ 氏(フランクフルト在勤)は「経済に対する楽観が増し、これが国債 相場の弱い見通しをさらに強めている。株式相場の上昇は続いており、 国債相場の上値を抑えている」と語った。

ロンドン時間午後5時2分現在、2年債利回りは前週末比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.36%。同国債(表 面利率1.5%、2011年6月償還)は0.07ポイント下げ100.25。10年 債利回りは3.49%と、前週末からほぼ変わらず。

◎英国債市場

英国債相場は下落。株価がほぼ6カ月ぶり高水準に上昇したほか、 7月の英住宅価格が3カ月連続で横ばいとなったことが景気底入れの 兆しととらえられ、安全投資先としての国債への需要が後退した。

英FTSE100指数が11営業日連続で上昇するなか、2年債利 回りはほぼ1カ月ぶり高水準に押し上げられた。英ホームトラックの リポートによると、7月には英国10地域中、8地域で住宅価格が前 月比横ばいとなった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は「債券市場はリスク志向の回復により圧迫され ている。最近の経済統計には意外なほど上振れリスクがかかってい る」と語った。

ロンドン時間午後5時26分現在、2年債利回りは前週末比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ1.35%。同国債(表 面利率4.25%、2011年3月償還)価格は前週末比0.07ポイント下げ

104.60。10年債利回りは3.96%と、前週末からほぼ変わらず。

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