英豪リオ:鉄鉱石交渉での対中強硬戦略は誤りか?-見直し求める声も

英・オーストラリア系鉱山大手 のリオ・ティントは、鉄鉱石価格交渉で強硬姿勢を示すことで知られ る。日本の鉄鋼メーカーは交渉の際、リオに土産物として人形を持参 したこともある。

リオの戦略担当世界責任者のダグ・リッチー氏(ロンドン在 勤)は5月、「贈り物は、リオが交渉でいかに厳しい態度で臨んでいた かを示唆する」と語る。リオは今、中国との間でもっと困難な問題に直 面している。中国は2003年に日本を抜き、世界最大の鉄鉱石輸入国と なった。リオと中国の鉄鋼メーカーとの価格交渉が暗礁に乗り上げるな か、中国は今月、リオの幹部社員4人を逮捕した。

中国は、世界で海上輸送される520億ドル(約4兆9000億 円)相当の鉄鉱石のうち約半分を輸入する。同国は、豪州国籍のスタ ーン・フー氏を含むリオの上海在勤の幹部社員4人が国家機密を盗ん だと主張。スミス豪外相は今月、中国当局によるフー氏の拘束は、価 格交渉に関連する犯罪捜査の一環であるとの見方を示した。

オースシンク・コンサルティング(メルボルン)の創業者でデ ィレクターのポール・モンク氏は「中国は、古典的なスターリン主義 的な方法で鉄鋼業界を統制すると同時に交渉相手を威圧することを望 んでいるようだ」と指摘。「世界の市場経済において信用を確立しよ うとしている国という観点から見ると、これまでに行ったことは本当 にばかげている」との見方を示す。同氏は豪防衛情報庁の中国分析担 当の元責任者。

モンク氏は、中国は価格交渉で敗退しつつあり、リオへの出資 提案も破談となったため、悔しい思いをしているとみる。中国はこれ まで6年間にわたって続いた契約価格の上昇分を吸収する必要があっ た上、アジアの他の鉄鋼メーカーが合意した33%を上回る値下げを 依然、勝ち取っていない。

出資協議の破談

リオは先月、4カ月前に合意していた中国国有チャイナルコか らの195億ドル規模の出資提案を拒否。実現すれば、中国にとって 国外で最大規模の出資となる見込みだった。チャイナルコは今月10 日、リオの社員の身柄拘束への関与を否定。23日には豪州への新規 投資を目指していることを明らかにした。

ディーキン大学(メルボルン)の講師(経営学)、モナ・チュ ン氏は「リオは文化的に見て深刻な間違いを犯しており、それは過去 半年や1年の出来事ではない」と指摘。「リオは中国への対処の仕方 を再検討する必要がある」と語る。

リオは2008年に現物市場での販売量を増やし、現物価格上昇 の恩恵を受けるため、年次契約価格での取引から離れる動きを示した。 これにより、中国鉄鋼工業協会(CISA)は懸念を強め、リオが契 約を真剣に履行していないと批判するようになった。

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