出口戦略、一番乗りはFRBより英中銀か-タイミング次第で悪例にも

非常出口に先に到達するのはバー ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長ではなく、イングランド 銀行(英中央銀行)のキング総裁(61)かもしれない。

ゴールドマン・サックス・グループやドイツ銀行のエコノミスト らによると、英国のインフレ期待は主要7カ国(G7)で最も高く、 イングランド銀は来年、主要中銀の利上げで先導役を務めそうだ。

英利上げは、過去1年でドルに対して約17%下げたポンド相場を押 し上げる可能性があり、英経済が半世紀で最悪の低迷から回復するな かでインフレ抑制要因となる。ただ、ポンド高は輸出企業に犠牲を強 いる結果になりかねない。

英中銀の金融政策委員会(MPC)元メンバー、ウィレム・ブイ ター氏は「安定化措置を一番に解消するのはイングランド銀行かもし れない。早過ぎれば脆弱(ぜいじゃく)な景気回復をつぶし、痛みの 伴うポンド高をもたらしかねないが、遅過ぎれば、インフレに対する姿 勢が弱いとみられてしまう」と指摘する。

政策金利を決定するMPCの次回会合は8月6日。メンバーのア ンドルー・センタンス氏は23日、ブルームバーグテレビジョンとの インタビューで、MPCは同金利を3月に過去最低の0.5%に引き下 げており、英経済は「今年7-12月(下期)にプラス成長の痕跡を幾 らか」示すと語っている。同国経済は今年4-6月(第2四半期)と1 -3月(第1四半期)にマイナス成長となり、国内総生産(GDP)が それぞれ前期比で0.8%と2.4%減少した。

経済協力開発機構(OECD)によれば、英インフレ率は来年G 7の中で最高となる見通し。向こう10年のインフレ期待を示すブレ ーク・イーブン・インフレ率(BEI)も英国が2.36%と、カナダ (2%)やイタリア(1.98%)、米国(1.88%)、ドイツ(1.77%) よりも高い。

ドイツ銀行のチーフ英国担当エコノミスト、ジョージ・バックリ ー氏(ロンドン在勤)は「英国の景気刺激策は他国・地域と比較して 厚めだった。利上げ一番乗りとなる可能性は大いにある」と指摘する。

イングランド銀はこれまでにも先導役を務めた。量的緩和策であ る英国債買い取りもFRBの米国債購入に先駆けて3月に決定され た。キング英中銀総裁の出口戦略は、世界の主要中銀にとって模範例に も回避すべき悪例ともなる可能性がある。

ブラックロックの欧州債券責任者、スコット・シール氏(ロンド ン在勤)は「景気回復力に鍵となるのは、中銀が刺激型の政策解消の舵 取りをいかにするかだ。タイミングが悪い出口戦略は災難をもたらす可 能性がある」と警告した。

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