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船舶用の重油価格が上昇、6年ぶりに原油に迫る-海運業界に打撃も

ガソリンやディーゼル油の精製後 に残る船舶用重油(バンカーオイル)の価格が6年ぶりに原油と同水 準になりつつある。

シンガポールの重油価格は今年に入って2倍に上昇し1バレル当 たり66.47ドルとなり、アラビアンライト原油の70.30ドルに迫って いる。アラビアンライト原油価格は2003年7月以降、重油を上回って いる。国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、先進国の製油 所の重油生産は4月に前年同月比で18%減少した。バークレイズ・キ ャピタルの今月22日のリポートによると、中国の輸入は6月に前年同 月比で46%増加した。

重油価格の上昇は、フロントライン(バミューダ)やAPモラー・ マースクなど大手海運会社の収益を圧迫する一方、石油精製大手の米 エクソンモービルやインドのリライアンス・インダストリーズにとっ ては有利となる。石油業界では、原油1バレルからより多くのガソリ ンやディーゼル油を精製できる製油所の新設が進んでおり、重油不足 が拡大している。

コンテナ船500隻以上を運航するAPモラー・マースクのトレー ダー、クリスチャン・ローレンボー氏は、重油に関して「状況がすぐ に変化するとは思わない。若干、苦しい環境にある」と語る。

石油タンカー運航最大手、フロントラインのイエンス・マーチン・ イエンセン最高経営責任者(CEO)によると、同社は燃料節約のた め、船長らに対し航行速度を落とすよう指示している。平均的な貨物 船は、1日当たり約4万ドル相当の重油を消費する。

イエンセンCEOは電話インタビューで「バンカーオイルの価格 が上昇すれば収益面で負担になる」と指摘する。

残油

重油は、原油からプロパンやジェット燃料、ガソリン、ディーゼ ル油が留出された後に残る燃料だ。

過去5年間、重油価格は原油を平均で1バレル当たり10.15ドル 下回っていた。ブルームバーグが集計したデータによると、ペルシャ 湾岸産の原油の指標となるドバイ原油と重油との価格差は24日、1.56 ドルとなった。08年6月時点では30.46ドルだった。

フランスの銀行最大手、BNPパリバの石油市場担当シニアアナ リスト、ハリー・チリンギリアン氏は、シンガポールの重油価格は3 カ月以内に原油を上回ると予想。米JPモルガン・チェースのエネル ギー戦略担当バイスプレジデント、ヴィマ・ジャヤバラン氏はシンガ ポールからの電話インタビューで、重油価格は「かなり長期間、恐ら く半年にわたって」原油を上回るとの見通しを示した。

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