S&P500に26%の上昇余地も-業績予想引き上げで割安感強まる

米国株式市場では、大恐慌以降最 も急激な上げ相場が見られた後であるにもかかわらず、バリュエーシ ョン(株価評価)で見た割安感が強まっている。2年前に信用市場が 機能不全に陥って以降初めて、アナリストが米企業の利益見通しの上 方修正に転じたためだ。

JPモルガン・チェースの集計によると、S&P500種株価指数 を構成する主要500社の業績予想について、大手金融機関が6月に行 った修正は、引き上げが896件、引き下げが886件だった。引き上 げが引き下げを上回るのは、1兆5000億ドル超のサブプライムロー ン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連の金融損失が第2次世界大 戦後初の世界同時リセッション(景気後退)を引き起こす前の2007 年4月以来だ。

14日発表のゴールドマン・サックス・グループの4-6月期決算 が過去最高益となるなど、予想外の好決算が続いたのを受け、アナリ ストは2010年の企業業績予想の上方修正に動いており、S&P500 種企業の来年の1株利益見通しは74.55ドルと、5月時点の予想 (72.54ドル)から引き上げられた。

S&P500種の株価収益率(PER)は現在、13.13倍(2010 年予想利益ベース、以下同じ)。これは、PERが過去50年間の平均 (16.54倍)に戻るためには、S&P500種がさらに26%上昇する 必要があることを意味している。

インベスコ・エイム(運用資産3480億ドル)のシニア市場スト ラテジスト、フリッツ・マイヤー氏は「認識が著しく変化している。 すべては経済指標の改善に起因する」と指摘。「リセッション(景気後 退)期に特有の心理が働き、期待が必要以上に押し下げられてしまっ た。こうした状態は、今後の企業利益の上方修正や株式相場の上昇に つながる」との見通しを示した。

企業利益の見通し修正

昨年9月の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たん を受け、ドル建て翌日物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は一 時、過去最高の6.88%に上昇。米経済は過去50年間で最悪のリセッ ションに陥り、昨年のS&P500種の年間騰落率はマイナス38%と、 1937年以来最大の下げ記録した。こうしたことを背景にアナリスト らは記録的なペースで企業利益見通しを下方修正した。

JPモルガンのデータによると、昨年10月にアナリストらが実 施した4716件の利益見通し修正は、5件中4件が引き下げだった。

昨年10月から今年6月にかけての企業利益見通しの変化は、J Pモルガンが2000年に集計を開始して以降最も大きかった。2番目 に大きい変化は、株価が2倍になった5年間の強気相場の起点である 2002年10月に見られた。

S&P500種は、前週末比4.1%高の979.26で先週の取引を終 了。12年ぶりの安値を記録した3月9日以降の上昇率は45%となり、 PERは13.13倍に押し上げられた。ブルームバーグが集計したデー タによると、PERが1959年以降の平均水準に戻るには、S&P500 種は1233.06まで上昇する必要がある。

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