債券相場は軟調、内外株高で長期債売りが優勢-中期債への需要は健在

債券相場は軟調(利回りは上昇)。 米国景気の回復期待から日経平均株価が昨年10月以来の高値圏に達し たことなどで、長期ゾーンに売りが優勢となった。一方、国内景気の先 行き不透明感を反映して中期ゾーンには投資家の買いが続いた。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベスト メントマネジャーは、株価堅調を手がかりに債券売りが優勢だったと指 摘。ただ、「6月半ばからの金利低下局面において投資家は十分に買え ておらず、足元では押し目買いが相場をサポートする展開」ともいう。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末比9銭安い138円31銭 で始まり、株高を受けてすぐに138円24銭まで下落した。その後は下 げ幅を縮めて一時は6銭高の138円46銭まで上昇したが、午後に入る と再び売られて小幅マイナス圏での推移が続き、結局は5銭安の138円 35銭で引けた。日中の売買高は1兆4893億円だった。

24日の米国市場では景気回復期待を反映してダウ工業株30種平均 が小幅高となり、これを受けた国内市場において日経平均は9営業日続 伸して、一時は昨年10月7日以来の高値圏に到達。内外株高に伴う景 況感の改善を受けて債券先物には売りが優勢となった。

しかし、株価の堅調ぶりにもかかわらず、先物9月物の売買高は2 週間ぶりの低水準にとどまるなど売り圧力は強まらなかった。大和住銀 投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、株高が 続いて景況感がさらに改善すれば債券相場は調整するとしながらも、現 時点でそれほど強気のシナリオは少数派だといい、「5年債はじめ中期 ゾーンの押し目買いが相場を支える構図」がしばらく続くと指摘した。

新発10年債利回りは1.39%

現物市場で新発10年物の302回債利回りは、前週末比0.5ベーシ スポイント(bp)高い1.385%で始まった。その後しばらく1.38-

1.39%でのもみ合いが続いたが、午後に売りが優勢となると一時は

1.395%まで上昇。4時10分現在では1bp高い1.39%となっている。

前週の302回債利回りは内外株高などを背景にじり高に推移し、23 日には新発10年債として6月29日以来の高い水準となる1.395%をつ けた。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 基本的には相場に方向感は見られないとしながらも、「株価が上昇して いることが取引材料のひとつだ」との見方を示した。

一方、中期ゾーンでは投資家の買いが根強いもようで、5年物の 84回債は0.5bp低下の0.67%となった。大和証券SMBCシニアJG Bストラテジストの小野木啓子氏は、日銀が現在の金融政策を当面は維 持するとの見通しのもと、「短中期ゾーンは長期や超長期債と比べて金 利上昇への懸念が弱い」と指摘。株価の上昇が続くなかでも5年債利回 りは前週後半以降に水準を切り下げている。

月末の指標発表前に様子見

今週も日々の取引は株価動向をにらむ展開が続く見込みだが、週末 にかけて6月分の経済統計が注目される場面もありそうだ。トヨタアセ ットマネジメントの浜崎氏は、今週末にかけて日本の鉱工業生産や雇用 統計、米国では4-6月の国内総生産(GDP)速報値など指標発表を 控えて様子見姿勢が強まったと指摘した。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松氏は、物価が当面は前 年比マイナスで推移する見通しのなかで、日銀の利上げ観測が高まるこ とは想定しづらいほか、鉱工業生産も7月以降に頭打ち感が強まる可能 性があると予想。「市場では国債増発の影響を意識しながらも、金利上 昇を待ついわゆる買いたい弱気派は結構多いだろう」とも指摘した。

ブルームバーグ調査によると、30日発表の6月の鉱工業生産は前 月比2.5%上昇と4カ月連続のプラスが見込まれる。4-6月期は5期 ぶりに前期比上昇に転じるとみられるが、1-3月期に過去最大の落ち 込みとなった反動との指摘が聞かれる。このほか、31日の全国消費者 物価指数(除く生鮮食品、CPI)は前年同月比1.7%に下落ピッチが 加速し、完全失業率は5.3%に悪化するとみられている。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Saburo Funabiki

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