中外薬株反落、がん領域上振れも通期業績据え置きに失望売り広がる

中外製薬株が6営業日ぶりの下 落。「ハーセプチン」や「アバスチン」などがん領域製品の伸びで6 カ月累計(1-6月)決算は61%の営業増益となったが、インフル エンザ治療薬「タミフル」の売り上げが読みきれず、会社側は通期業 績予想を据え置いた。増額修正への期待もあっただけに、失望売りに 押された。

午前終値は1.8%安の1798円。朝方は0.6%高で始まったが、 早々に下げに転じると一時2.5%安の1786円まで売られた。直近の チャートは、投資家の短・中期売買コストを示す25日移動平均線 (1822円)と75日線(1776円)に挟まれたレンジでの推移が続く。

会社側が23日の取引終了後に公表した6カ月累計決算によると、 本業のもうけを示す連結営業利益は前年同期比61%増の372億円だ った。タミフルの売上高が政府や地方自治体の備蓄需要を受け急増し、 同16倍の254億円に拡大。がん領域の製品売上高は同31%増の 578億円に増大、会社側の当初計画を8%上回った。同領域での国内 シェアは首位の17.4%、前期実績の15.8%から向上した。

会社側が据え置いた2009年12月通期の連結業績予想は、売上 高が前期比22%増の4000億円、営業利益が同22%増の630億円。 主力製品の売上高目標は、ハーセプチンが同16%増の275億円、ア バスチンが同44%増の290億円、タミフルが同6.3倍の530億円 で、期初から変更しなかった。がん領域製品群では、同15%増の 1175億円と予測している。

ドイツ証券の舛添憲司シニアアナリストは24日付の投資家向け メモで、6カ月累計決算の第一印象について「好決算だが、通期計画 の修正なし」と指摘、アバスチン、ハーセプチンの上半期時点での過 達や、控え目ともみれる販売管理費の予測を勘案すれば、「通期計画 上振れの可能性が高い」と分析した。

ブルームバーグ・データにある担当アナリスト15人による今期 の連結営業利益予想の平均は652億円で、市場コンセンサスが会社 計画を3.5%上回る。野村証券とバークレイズ・キャピタル証券は 23日付で、中外薬株の目標株価を5%程度引き上げた。新しい目標 株価を2200円(従来2100円)とした野村証の漆原良一シニアアナ リストは、「アバスチンは従来想定以上に伸びるのではないか」と述 べている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE