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東京電力:西豪州イクシス・ガス田権益取得を検討-国際帝石から

電力最大手の東京電力は、西豪州 イクシス・天然ガス・コンデンセート(超軽質原油)田の一部権益の 取得を検討している。同社の荒井隆男常務取締役が23日、ブルームバ ーグ・ニュースのインタビューで明らかにした。

荒井氏によると、東電は同ガス田の権益76%を保有する石油開発 大手、国際石油開発帝石との間で協議を重ねており、すでにプロジェ クトへの協力の意向を伝えている。

イクシスは年800万トン超の液化天然ガス(LNG)の生産が見 込まれており、日本企業がオペレーター(操業主体)となる唯一の「日 の丸」ガスプロジェクト。西豪州沖のガス田で生産された天然ガスを、 約850キロメートル離れたダーウィンの液化プラントまでパイプライ ンで運んで輸出する総事業費約200億ドル(1兆9000億円)のプロジ ェクトで、2015年までの生産開始を目指している。

荒井氏は、電力会社がガス田権益を取得するメリットは「2つあ る」と指摘する。最大のメリットは、生産開始後にガス田で問題が発 生した場合、生産体制への影響など問題の詳細に関する情報が容易に 得られる点だという。荒井氏は「そういった情報は、われわれがその 先どうするかと考えるときに手助けになる」と強調する。

第2のメリットとして、価格上昇時には権益を保有していること が「ヘッジの役割を果たす」点を挙げる。荒井氏によると、価格が上 昇した場合、事業の株主であってもLNGを安く買えるわけではなく、 調達価格が上昇するという。その一方で、価格上昇により株主として はより高い利益が得られることから、調達価格の上昇分を株主として の利益で補うというヘッジ効果を享受することが可能になる。

年内に契約締結

一般的にLNGプラントの建設や付帯設備の建設には約4年程度 を必要とすることから、荒井氏は、15年の生産開始を目指すのであれ ば、権益譲渡契約やLNG売買契約の締結は「年内にはやならいと間 に合わない」との考えを示した。そのうえで、年800万トンの生産規 模であれば、売買契約を結ぶことができるのは7社程度になりそうだ とし、各社がガス田権益を取得する場合、取得比率は7社合計で5- 10%程度、1社当たり最大1パーセント強になると予測する。

国際帝石広報担当の本田和也氏は「買い手となりそうな企業と協 議している段階。イクシス・プロジェクトの販売対象としては国内の 買い手を第一と考えている」と話した。

現在、イクシス・ガス田については国際帝石のほか、仏トタルの 子会社が24%を保有している。国際帝石は06年8月、LNG事業の 技術を持つトタルに同ガス田の権益を譲渡。国際帝石の発表によると、 この24%の譲渡で、07年3月期の連結税金等調整前当期純利益が約 330億円増加したという。この取引をベースに試算すると、1%の権 益は約14億円に相当する。

三菱UFJ証券の荻野零児シニアアナリストは、権益の譲渡につ いて「電力にとっては、プロジェクトに関する情報が入るので安定調 達に資するほか、海外事業の拡大にもつながる。一方で、国際帝石か らみると、投資リスクの分散や、販売先の確保につながる。LNG事 業に国内の電力・ガス会社が参加することで、事業の実現可能性は高 まる」と指摘した。

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