7月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで一時7週間ぶり の安値を付けた。円も安い。予想を上回る決算を発表する企業が増え、 高金利資産への需要が高まった。

円はスウェーデン・クローナやノルウェー・クローネに対しても 下落。日本の金融機関が海外資産に投資するファンドのために少なく とも7000億円の調達を進めていることも円売り材料。カナダ・ドル は米ドルに対し、6月3日以来の高値を付けた。カナダ銀行(中央銀 行)が同国のリセッション(景気後退)が終わりつつあるとの金融政 策報告を発表したことがきっかけ。

シュローダー・インベストメント・マネジメントの資産運用担当 者、ウォーレン・ハイランド氏(ロンドン在勤)は「現在のリスク志 向には強い勢いがある。デフレになるとの確信でもない限り、投資収 益率ゼロの現金相当資産に資金をとどめておくことはできない。わた しはドルの先行きに弱気だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して1ユーロ =1.4194ドル。一時は1.4291ドルと6月3日以来の安値を付ける場 面があった。円は対ユーロで1.3%下落。1ユーロ=134円93銭(前 日は133円18銭)となった。対ドルでの円は1.5%安の1ドル=95 円5銭。

レアル

ブラジル中央銀行は22日、政策金利を0.5ポイント引き下げ、 過去最低の8.75%に設定した。一方で、利下げ打ち止めの可能性を 示唆したことから、この日通貨レアルは一時1.1%上昇。1ドル=

1.8824レアルと昨年9月29日以来の高水準を付けた。

ブルームバーグのデータによると、対ドルのレアル相場は年初か ら22%上昇。これは主要16通貨の中で南アフリカ・ランド(23% 高)に次ぐ上昇率。

ランドはこの日、一時1.4%高の1ドル=7.6131ランドと、昨年 8月8日以来の高水準を付けた。インド携帯電話最大手のブハルテ ィ・エアテルが南アの同業MTNグループの株式を購入し、南ア経済 に最大600億ランドを投じるとの思惑が背景。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは米ドルに対し、一時1.4%高の1米ドル=1.0841 カナダ・ドル。カナダ中銀は報告で7-9月期の同国経済は年率

1.3%のプラス成長になると予想。これまでのマイナス予想から上方 修正した。

カナダ中銀のカーニー総裁は報告発表後、記者団に対し、カナ ダ・ドルが年初から12%上昇していることが経済成長にとって「深 刻なブレーキ」になっていると指摘。相場動向を「注意深く」監視し ていることを明らかにした。

北欧通貨

円はスウェーデン・クローナに対して3.1%下落、ドルはノルウ ェー・クローネに対して0.6%下げた。ダウ工業株30種平均が1月 以来初めて9000ドル台に乗せたため、高金利通貨への需要が高まっ た。

ブルームバーグがまとめたデータによると、日本の金融機関はラ ンドやレアル建て資産に主に投資する投資信託を投資家に推奨してい る。金融庁が先週発表した統計によれば、11日に終わった週に日本 の投資家は海外資産を7094億円買い越した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの通貨ストラテジスト、 デービッド・パウエル氏は円とドルに対して北欧通貨の上昇が目立っ たことについて、割安感が求められていると説明した。

さらに、「市場は株式相場の値動きやリアルタイムのリスク許容 度、さまざまな企業の明るい決算報告に注目している」と指摘。「高 金利通貨買いは数四半期は続かないかもしれないが、短期的には継続 しそうだ」と述べた。

◎米国株式市場

米株式相場は大幅上昇。ダウ工業株30種平均は今年1月以来初 めて9000ドルを上回った。インターネットオークションのeベイや 自動車のフォード・モーター、電話大手AT&Tの決算が予想を上回 ったほか、6月の米中古住宅販売が予想以上に増加したことが買い材 料だった。

eベイは大幅高。同社の好決算は電子商取引への消費者需要が回 復し始めてきたことを示唆していると受け止められた。フォードも高 い。経費削減や国内市場のシェア拡大が奏功し、四半期決算の赤字幅 はアナリスト予想よりも小幅だった。

AT&Tは上昇。同社が米国で独占契約している米アップルの 「iPhone(アイフォーン)」が四半期利益を押し上げた。D. R.ホートンを中心に住宅建設株13銘柄はすべて値上がりした。中 古住宅販売は3カ月連続でプラスとなった。

S&P500種株価指数は前日比2.3%高の976.29。オバマ米大統 領が選挙に勝利した昨年11月4日以来の高値を記録した。ダウ工業 株30種平均は同188.03ドル(2.1%)上昇の9069.29ドルで終了し た。ナスダック総合指数は2.5%高の1973.60で、昨年10月以来の 高水準。この日は1992年以降で最長となる12日の続伸を記録した。

ダウ9000ドル

ビクトリー・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、 マイケル・コスバ氏は「ダウが長らく9000ドルを下回っていたこと を考えると、この日の相場には励まされる。企業の四半期決算が予想 以上に好調なことが買いを誘っている。厳しい経済状況下にありなが ら、好調な決算を発表する企業に希望が持てる」と述べた。

S&P500種は今月10日以降、11%上昇した。S&P500種採用 銘柄で四半期決算を発表した158社のうち、建機メーカーのキャタピ ラーや半導体メーカーのインテルなど、75%の企業がアナリスト予想 を上回る結果だった。

ブルームバーグがまとめたデータによると、これまで決算を発表 した企業の業績は前年同期比で平均25%の減益。17日時点でアナリ ストは33%減を予想していた。

シティグループは、多くの企業決算が予想を上回っていることか ら、今年と来年のS&P500種企業の利益見通しをそれぞれ9.8%と 11%引き上げた。

eベイ、フォードが高い

eベイは11%上昇。同社の売上高見通しはアナリスト予想を上 回った。eベイに追随してテクノロジー株が買われ、S&P500種テ クノロジー株価指数は昨年9月以来の高水準に上昇した。

テクノロジー株価指数は今月10日以降、14%上昇。アップルや インテルの好決算が寄与した。

フォードは9.4%高。米政府による救済を回避した唯一の米大手 自動車メーカーである同社の4-6月期決算は、一部項目を除くベー スで1株当たり21セントの損失だった。ブルームバーグがまとめた アナリスト12人の予想平均は、1株当たり50セントの損失だった。

AT&T、住宅株

AT&Tも上昇。同社の4-6月期決算は一部コストを除くベー スで1株当たり54セントと、アナリスト予想を5.3%上回った。

住宅建設株は5.2%高。全米不動産業者協会(NAR)が発表し た6月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年換算)は前月比3.6% 増の489万戸となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想中央値は1.5%増だった。

化学大手3Mは7.4%高。ダウ平均銘柄のうち値上がり率が最大 だった。4-6月決算は、一部項目を除くベースで1株当たり利益

1.20ドルと、アナリスト予想を28%上回った。同社はまた、今年の 利益見通しを上方修正した。

◎米国債市場

米国債相場は続落し、10 年債は約7週ぶりの大幅安となった。 株式相場の上昇に加え、米財務省が来週実施する4回の入札で規模が 総額1150億ドルと過去最大になることが売り材料。

国債利回りは2日連続で上昇。ダウ工業株30種平均は1月以来 初めて9000ドルを超えた。財務省が1週間に3回の利付国債と1回 のインフレ連動債入札を実施するのは、1976年に定期入札を開始し て以来2度目となる。景気刺激や債務償還に向け前例のないペースで の借り入れが一段と加速していることが示された。

TDセキュリティーズのチーフ経済・金利ストラテジスト、エリ ック・ラッセルズ氏(トロント在勤)は、「必要な発行額が依然とし て相当の衝撃になっている」と指摘。「株式相場の上昇が加われば、 国債売りの理由が整う」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.67%。一時は17bp上昇と、 6月5日以来で最大の上げ幅となった。10年債(表面利率3.125%、 2019年5月償還)価格は31/32下げ95 1/2。

30年債利回りは15 bp上昇の4.59%、2年債利回りは9bp上げ た1.04%。

米財務省は来週、27日以降4日連続で入札を実施する。入札規 模は20年物インフレ連動債(TIPS)が60億ドル、2年債が420 億ドル、5年債が390億ドル、7年債が280億ドル。

入札

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「期間が短めの国債発行額が増えたこ とが最大の驚きだ」と指摘。「長期債のみに依存はできないとの認識 が広がっている。インフレ観測をもたらしているからだ」と述べた。

景気対策などの財源として、米政府が今年上期に実施した国債入 札規模は9630億ドル。バークレイズによると、下期の規模は1兆 1000億ドルに拡大する可能性がある。

HSBCセキュリティーズUSAで米国債トレーディング責任者 を務めるチャールズ・コミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「入札を こなすのはこれまで問題にはなっていないが、さらに1150億ドルの 発行だ」と指摘。「それは大量の国債で、市場は妥当な利回りを探り 出さなくてはならない」と述べた。

FRBの国債購入

景気対策や前例のない規模の財政赤字の財源として、国債発行額 が記録的水準となるなか、米国は中国を含めた海外投資家への依存を 高めている。米財務省の対米証券投資統計によると、中国は5月に米 国債の保有を増やした。一方、ロシアと日本、カリブ海諸国は保有を 減らしている。

財務省のデータによると、今年のこれまでの入札全体に占める海 外中央銀行など間接入札の割合は30.4%と、08年の21.6%から増加 した。

イートン・バンス・マネジメント(ボストン)のシニアトレーダ ー、スチュアート・テーラー氏は、この日の国債相場下落について、 現在の価格水準では入札での需要が弱くなるとの懸念を反映している 可能性があると指摘する。

その上で「株式相場が軟化し始めるなら、入札への需要は強くな るだろう。しかし株価が軟化しないなら、国債を買う必要性は薄れる。 入札は今後いくらでも実施されるのだ」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルの下落を背景に代替投資先 としての金への需要が強まり、5週間ぶり高値を付けた。

今週に入り金は1.8%上昇している一方、ドルは対ユーロで

0.7%下げている。朝方の取引では金は1オンス=957.50ドルと、6 月12日以来の高値まで上昇した。

バーナード・ジェイコブズ・メレット(コネティカット州)のア ナリスト、パトリック・チドリー氏は「今後ドルが下げると予想する 理由はいくつもあり、実際そうなれば、その恩恵を受けるのは金だろ う。だが、必ずしもすぐにそうなるとは限らない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前日比1.50ドル(0.2%)高の1オンス=954.80ドルで取 引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は上昇し、3週間ぶり高値。米中古住宅販 売件数の増加を受け、世界最大の燃料消費国である米国での需要回復 へ期待が高まった。

原油相場は一時3.2%高。全米不動産業者協会(NAR)がこの 日発表した6月中古住宅販売件数が3カ月連続のプラスとなったこと を好感。ダウ工業株30種平均は2%超上昇し、1月以来初めて9000 ドルを突破した。

BNPパリバ・コモディティー・フューチャーズ(ニューヨー ク)の上席エネルギーアナリスト、トム・ベンツ氏は、「住宅販売統 計と一部決算が新たな楽観につながり、それが相場を押し上げてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比1.76ドル(2.69%)高の1バレル=67.16ドルで終了した。年初 来では50%値上がりしている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は9営業日連続で上昇し、2006年以来で最長の連 続高となった。スイスの製薬ロシュ・ホールディングから電力網敷設 のABBまで、幅広い業種でアナリスト予想を上回る決算が発表され たほか、米国の中古住宅販売が予想以上に増加したのが好感された。

スイスの銀行クレディ・スイス・グループが上昇。同社が発表し た四半期決算は利益および総収入が拡大した。一方、ユナイテッド・ ユーティリティーズやセバーン・トレント、ペノン・グループを中心 に英公益事業株は下落した。英水道当局が料金引き下げを提示したの が材料視された。

欧州ダウ600指数は前日比1.9%高の219.79。ブルームバーグの データによれば、同指数の株価収益率(PER)は26.2倍と、2004 年1月以来の高水準。10日以降の上昇率は11%となっている。

英金融大手HSBCホールディングスのリチャード・コックソン 氏は「各社が発表する第2四半期決算は予想よりも若干良い内容にな っている」と述べた。

ロシュ、ABB

ロシュは3.2%高。米バイオ大手ジェネンテック買収によるコス ト節減効果を理由に、2009年と10年の業績見通しを上方修正したの が買いを誘った。

同社が電子メールを通じて発表した文書によると、今年と来年の 一部項目を除く1株利益はスイス・フラン建てで2ケタの伸びになる 見通し。売り上げは業界平均を上回る見込みという。

同社の1-6月(上期)純利益は前年同期比28%減の34億7000 万スイス・フラン。医薬品販売が伸びたものの、ジェネンテックとの 統合コストの増加で相殺された。一部項目を除いたベースの利益は 52億1000万スイス・フランと、ブルームバーグがまとめたアナリス ト予想中央値の47億8000万スイス・フランを上回った。

ABBは4.3%高。同社4-6月期純利益は31%減の6億7500 万ドルだったが、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では5億 6400万ドルが見込まれていた。

クレディ・スイスは5.8%高。同行の4-6月期決算は前年同期 比29%増益だった。株式と債券のトレーディング収入倍増が寄与し た。発表資料によると、純利益は15億7000万スイス・フランとなり、 前年同期の12億2000万スイス・フランから増加。ブルームバーグが まとめたアナリスト14人の予想中央値と同水準だった。

◎欧州債券市場

欧州債相場は下落。欧州株式相場が9営業日連続で上昇したほか、 7月のフランスの景況感指数が4カ月連続で改善したことを受け、リ セッション(景気後退)の最悪期が過ぎたとの見方が強まったことが 背景にある。

スイスのロシュ・ホールディングやABBなどがこの日発表した 四半期利益がアナリスト予想を上回ったことを受け、ドイツ10年債 を中心に下落した。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、フ ランス中銀のノワイエ総裁は22日、ユーロ圏経済は回復の兆候を示 しており、欧州の債券市場では状況が改善しつつあるとの見解を明ら かにした。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は「仏景況感調査は、企業の景況感が回復しつつ あり、企業セクターが転換期に近いことを示した」と述べた。また、 「ノワイエ総裁の発言は、同総裁が他のECB政策委メンバーよりも 景気にやや強気であることを示唆した。また、この日の国債相場に打 撃を与えた可能性がある」とも語った。

ロンドン時間午後4時半、10年債利回りは前日比6ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.44%となった。同国債 (表面利率3.5%、2019年7月償還)は0.5ポイント下げ100.50。 2年債利回りは3bp上昇し1.28%となった。

◎英国債市場

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策 委員会(MPC)メンバー、アンドルー・センタンス氏が、来月作成 する経済見通しに基づいて、国債買い取りプログラムを休止するかど うかを決定すると発言したことが材料視された。

10年債利回りはほぼ6週間ぶりの高水準となった。センタンス 氏は、「8月にこれ以上の措置を講じないと決定したとしても、将来 的にこの政策を再びとる選択肢がある」と述べ、8月6日開催のMP C会合での問題は「われわれが経済動向を見守る局面に入るかどうか だ」と指摘した。株価上昇を背景に米国と欧州の国債相場が下落した ことも下げ要因だった。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロ ーニー氏(ロンドン在勤)は、センタンス氏の発言について、「この ような単刀直入な言葉でのメッセージは市場にとってはやや驚きだっ た」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、10年債利回りは前日比13ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上げ3.97%と、先月12日以来の 高水準を付けた。ここ2週間で最大の上げ幅だった。同国債(表面利 率4.5%、2019年3月償還)価格は前日比1.05ポイント下げ104.24。 2年債利回りは1.35%と、前日から12bp上昇した。

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