東京海上:ヘッジファンド投資慎重に、09年度入れ替え進める

国内損保最大手の東京海上日動火災 保険は、2009年度のヘッジファンド運用残高を抑制する方針だ。金融混 乱がマイナスに影響した前年度の反省から慎重な運用姿勢を継続し、相 場が大きく変動する局面で株、為替、金利、商品などで運用するファン ドの入れ替えを進める考えだ。

資産運用第二部・ヘッジファンド投資グループの重村英輔グループ リーダーによると、同社は3月末で60のファンドに計1000億円を投資 している。運用の特徴は個別ファンドへの選別投資で、ファンドの集合 体であるファンド・オブ・ヘッジファンズ(FOHF)に投資する傾向 の強い一般的な機関投資家とは対照的だ。

今年度のこれからの運用では全体の残高をやや減らす前提で、グロ ーバル・マクロや株式ロング・ショート戦略などで相場の乱高下局面な ど収益機会を探る方針。重村氏は「デューデリジェンス(適正評価手続 き)やモニタリングの精度を高めてより選別的に手間をかけ、短期的に 変動率が高くなる局面など」を注視していくという。

東京海上日動では、日米欧とも本格的な景気回復はまだ先との見方 がある中、米では商業金融CITグループの破綻懸念なども残るため、 短期の相場変動の機会はあるとみている。一方、長期的には、今後の景 気回復局面で、財務面で困難に陥っている企業への投資や、株式運用に 注目している。

08年度は、当初1500億円だったヘッジファンド残高を約1000億 円に圧縮した。運用損失の発生に加え、9月のリーマンショック以降、 前倒しで残高削減を進めたためだ。同グループの山田篤課長は「流動性 確保の観点からCB(転換社債)アービトラージ(裁定取引)などレバ ッジの効きにくい戦略などを減らした」という。

昨年度の成績は、運用収益はマイナスとなったものの、ベンチマー クとなる代表的なFOHF指数は上回ったという。運用の基本方針とし ての収益目標は円LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)に5%-7% 上乗せした水準。東京海上日動は正味収入保険料で国内1位の損保。3 月末でヘッジファンドを含め総額7兆5000億円を運用している。

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