ウォール街金融機関:破綻前にリーマン救済で合意-ウェッセル氏著書

ウォール街の大手商業銀行 と投資銀行の首脳らは、米証券会社リーマン・ブラザーズ・ホール ディングスが破産申請する直前の週末に同社の救済計画を取りまと めていたことが、金融危機時の米連邦準備制度理事会(FRB)の 役割に関する書籍で明らかになった。ただこの計画は、バークレイ ズへの売却を英監督当局が差し止めたことで立ち消えになった。

米紙ウォールストリート・ジャーナルのデービッド・ウェッ セル記者が執筆した8月4日発売の「In Fed We Trust(原 題)」によると、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・ スタンレー、JPモルガン・チェースに加え、他の5社は昨年9月 14日、約40億ドル(約3740億円)をリーマンの帳簿上の不良 債権を補てんする費用としてバークレイズに提示することに合意し た。FRBも60億ドルを拠出する予定だった。

ウェッセル記者によると、英金融サービス機構(FSA)の へクター・サンツ最高経営責任者(CEO)が、リーマンへの債務 保証に先立ちバークレイズに株主投票の実施を命じる規則の適用免 除を拒否したことから、計画は頓挫したという。

買い手なしで経営破たんを回避するためFRBに唯一残され た選択肢は、リーマン買収資金を融資することだったが、それには 最大900億ドルのコストがかかる可能性があった。JPモルガ ン・チェースによる2008年3月のベアー・スターンズ救済を容認 したことで批判を受けていたポールソン前財務長官はこの構想に反 対した。

ウェッセル記者は、危機のさなかに大手金融機関を破たんさ せるのは「愚かだ」とバーナンキFRB議長は考えていたと指摘。 議長と当時のガイトナー・ニューヨーク連銀総裁はポールソン長官 の支持なしでFRBによる救済策を推進することに後ろ向きだった ものの、取引が成立しない場合に備えた代替案を持っていなかった という。

バークレイズは英当局が差し止めるまでリーマン買収に名乗 りを上げていた唯一の企業だった。ダーリング英財務相はポールソ ン長官への電話で、「米国のがんを輸入するつもりはない」と語っ たとウェッセル記者は書いている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE