7月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで7週間ぶりの 安値近辺にとどまった。株式相場が底堅く推移したため、基軸通貨と して比較的安全な地位にあるドルの需要が弱まった。

円とドルは、南アフリカ・ランドやメキシコ・ペソなど高金利通 貨に対して下落した。S&P500種株価指数が一時、昨年11月以来 の高値を付けたことが背景。ニュージーランド(NZ)ドルは対米ド ルで9カ月ぶりの高水準。ランドは金相場の上昇を好感して月初来高 値を付けた。

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は「主要10カ国(G10)の通貨がやや軟調 に推移する中、新興市場国や資源国の通貨の一部が堅調になってい る」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルはユーロに対して1 ユーロ=1.4214ドルと、前日(1.4226ドル)からほぼ変わらず。 円は対ユーロで0.3%高の1ユーロ=132円97銭(前日は133円 36銭)。対ドルでの円は0.2%上昇し、1ドル=93円54銭(同93 円74銭)だった。

円はランドに対して0.9%下落、ドルはメキシコ・ペソに対し て0.7%下げた。高金利通貨の需要が高まるとの思惑が理由。日本 の政策金利は0.1%、米国は事実上のゼロ金利政策をとっている。 一方、南アは7.5%、メキシコは4.5%。

S&P500種株価指数は一時、昨年11月5日以来の高値となる

959.83まで上昇したが、ほぼ変わらずで終えた。

ランド高

ランドは一時、1.7%高の1ドル=7.6775ランドと6月30日 以来の高水準を付けた。BNPパリバの新興市場通貨ストラテジスト、 シャヒン・バリー氏(ロンドン在勤)によると、日本の投資家がラン ド建て債券に投資するとの思惑もランド買いにつながった。

同氏によれば、日本の投資信託は今月末までに400億ドル超の ファンドを売り出す予定。その大部分がランド建てなどの資産に投資 するという。

NZドルは一時、1NZドル=66.30米セントと、昨年10月 3日以来の高値水準を付けた。

ポンド安

ポンドは対ユーロで約1週間ぶりの安値水準で推移した。英国立 経済社会研究所(NIESR)は英住宅価格が再び下落し始めるとの 見通しを示した。

NIESRは英国内総生産(GDP)伸び率については4―6月 (第2四半期)にマイナス0.4%と予想した。ブルームバーグがま とめたエコノミスト32人の予想中央値はマイナス0.3%。発表は今 月24日。

ポンドは対円で0.3%下落。イングランド銀行(英中央銀行) が公表した今月9日開催の金融政策委員会(MPC)議事録で、資産 買い取りによる量的緩和の規模据え置きを全会一致で決定したことが 明らかになった。これを受け、ポンドは下げ渋った。

議事録によると、キング総裁ら9人から成るMPCは8月に発表 する新たな経済見通しを考慮しながら、買い取り規模を見直す方針を 決定した。MPCは9日の会合で政策金利を過去最低の0.5%に据 え置いた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。S&P500種株価指数が8カ月ぶり高値か ら下げた。原油価格の下落が嫌気されてエネルギー株が売られたほか、 米銀ウェルズ・ファーゴの不良債権の増加が明らかになると、銀行株 は値下がりした。

石油のエクソンモービルやコノコフィリップスは下落。ニュー ヨークの原油相場が6営業日ぶりに下落した。米エネルギー省の発表 した原油在庫が予想ほど減少しなかったのが影響した。

ウェルズ・ファーゴは下落。ナスダック総合指数は11営業日 続伸。1996年以降では最長の連続高。世界最大のコーヒー店チェー ン、スターバックスが上場来で最大の値上がりを記録し、コンピュー ターのアップルは予想以上の好決算を手掛かりに買いが膨らんだ。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の954.07。ダウ工業 株30種平均は同34.68ドル(0.4%)下落の8881.26ドルで終了 した。ナスダック総合指数は0.5%高の1926.38だった。

レラティブ・バリュー・パートナーズのモーリー・ファーティ グ最高投資責任者(CIO)は、「市場参加者は、相場がかなり上昇 したが、材料をみるとそれほど楽観的な内容ではないという現実を認 識しようとしている。不透明感が依然として存在している。この先さ らに上昇するには、一段の強材料が必要だ」と述べた。

S&P500種の上昇

S&P500種は今月10日以降、8.5%上昇した。金融のゴー ルドマン・サックス・グループや半導体メーカーのインテルに至るま で各社の利益がアナリスト予想を上回ったのが背景。

ブルームバーグがまとめたデータによると、今月8日以降22日 午前までに四半期決算を発表したS&P500種採用企業105社の1 株当たり利益は平均でアナリスト予想を11%上回った。

ブルームバーグのまとめた予想では、アナリストは第2四半期 のS&P500種採用企業の決算を平均33%の減益、7-9月期は同 20%の減益と見込んでいる。

エクソン、ウェルズが安い

エクソンは0.7%安、コノコフィリップスは0.8%下げた。S &P500種エネルギー株価指数は1%安と、産業別10指数の中で最 も下げがきつかった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油 先物9月限は前日比0.21ドル安の1バレル=65.40ドルで終了し た。

ウェルズ・ファーゴは3.6%安。同社の4-6月(第2四半 期)決算で、不良債権が前期比45%増加し183億ドルとなった。リ セッション(景気後退)の影響でローンの借り手の返済が滞った。

カストディ(証券管理)業務で世界最大手の銀行、バンク・オ ブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)も安い。同社が発表した 第2四半期決算では、投資損失が前年同期比で68%増加した。発表 資料によると、当期の評価損は2億5600万ドル、前年同期の1億 5200万ドルから増加した。住宅ローンをパッケージ化した証券の評 価損が目立った。S&P500種銀行株価指数は0.7%安だった。

アクシオム・キャピタル・マネジメント(ニューヨーク、運用 資産11億ドル)のリアム・ダルトン最高経営責任者(CEO)は 「銀行の決算内容は極めて悪い。実際の有機的な成長は何もない。政 府救済計画によって収入が押し上げられているが、それは長期的に持 続するものではない」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は下落し、30年債は3営業日ぶり反落となった。米 連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は22日、上院銀行 委員会で証言し、「失業率が最も差し迫った問題」だとの認識を示し たが、市場の関心は来週実施される4回の入札に移っている。

30年債は前日、約2カ月ぶりの大幅上昇となっていた。バーナ ンキ議長が「インフレ圧力は限定されている」として、この先も「長 期間にわたり」政策金利をゼロ近辺に維持できる余地があると述べた ことに反応。米財務省は23日に来週の入札規模を発表する。過去2 週間は入札を休止していた。

バンガード・グループ(ペンシルベニア州バレーフォージ)で 650億ドルの米国債運用を手がけるデービッド・グロック氏は「国 債相場の関心は入札発表に移っている」と指摘。「増発見通しで利回 りは上昇している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時27分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の4.44%。30年債(表面利率 4.25%、2039年5月償還)価格は26/32安の96 26/32。前日は 131/32 高と、5月29日以来の大幅上昇を記録した。

2年債と10年債の利回り格差は4ベーシスポイント拡大して

2.60ポイント。同利回り格差は先週25bp拡大した。拡大幅は週間 ベースでは5月22日に終了した1週間以来の最大。

国債入札

米政府は7月27日以降4日連続で、20年物インフレ連動債 (TIPS)、2年、5年、7年債の入札を計画している。1週間に 3回のクーポン付き国債と1回のインフレ連動債入札を実施するのは、 1976年に定期入札を開始して以来2度目となる。

調査会社ライトソンICAPは、来週の入札総額を1130億ドル 規模を予想している。週間ベースの入札規模としては過去最大となる。 これまでの記録では、6月22日の週に実施した2年、5年、7年債 の入札総額1040億ドルが最大だった。

10年債利回りは6月に4%に達した。オバマ米大統領の記録的 な借り入れ規模が需要を上回るとの観測や、戦後最長のリセッション が収束に向かっているとの兆しが背景。

海外の需要

米政府の今年上期の国債入札規模は9630億ドル。バークレイズ によると、下期の規模は1兆1000億ドルに拡大する可能性がある。

財務省のデータによると、今年のこれまでの入札全体に占める海 外中央銀行など間接入札の割合は30.4%と、08年の21.6%から増 加した。

米投資会社ブラックロックの米債担当共同責任者スチュアート・ スポデック氏はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで 「米国債に対する海外需要はかなり高い」と指摘。「家計部門の貯蓄 が増えており、米国市場での投資に振り向けることも可能だ」と述べ た。

経済再建や前例のない規模の財政赤字の立て直しに向け国債発行 が記録的水準となるなか、オバマ米大統領は中国を含めた海外投資家 への依存を高めている。米財務省の対米証券投資統計によると、中国 は5月に米国債の保有を増やした。一方、ロシアと日本、カリブ海諸 国は保有を減らしている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルの下落を背景に価値保存手 段としての金への需要が戻り、過去4営業日で3日目の上昇となった。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は一時

0.5%下げた。バーナンキ議長が21日、米下院金融委員会での半期 金融政策報告で「長期間にわたり相当緩和的な金融政策を継続する」 と発言したことが背景。金は先週、ドルの軟調に伴い2.7%上昇し た。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドディ ーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は「ドルが再び大幅に下 げ始めれば、金はこれにすぐに反応するだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物8月限は前日比6.40ドル(0.7%)高の1オンス=953.30ドル で取引を終了した。年初来では7.8%上昇している。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は6営業日ぶり反落。米エネルギー省が発 表した週間統計で、原油在庫が市場予想ほど減少しなかったことが材 料視された。

同統計によると、先週の原油在庫は180万バレル減少し3億 4270万バレル。ブルームバーグ・ニュースが実施した調査の予想中 央値は210万バレルの減少だった。今回の統計で、原油在庫は同期 間の過去5年間平均を7.3%上回っていることが示された。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメントのマネジン グディレクター、チップ・ホッジ氏は「依然として原油は供給過多だ。 景気回復の兆しが表れるまで原油価格の見通しは明るくない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比0.21ドル(0.3%)安の1バレル=65.40ドルで終了した。年 初来では47%値上がりしている。

◎欧州株式市場

欧州株式市場では、ダウ欧州600指数が8営業日連続で上昇し、 2006年以来で最長の上げとなった。米住宅価格が前月比で予想外に 上昇したほか、オランダのカーナビゲーション機器メーカー、トムト ムがこの日発表した四半期利益が事前予想を上回ったことがきっかけ となった。

トムトムは12%の大幅高。市場予想を上回る黒字となったスウ ェーデンのメディア大手、モダン・タイムス・グループは6.6%上 げた。一方、スイスの製剤メーカー、ロンザ・グループは、1-6月 (上期)が前年同期比55%減益となったことが嫌気され、5.9%下 落した。

欧州ダウ600指数は前日比0.3%高の215.65と、昨年11月 10日以来の高値を更新した。ブルームバーグのデータによれば、同 指数の株価収益率(PER)は26倍と、2004年1月以来の高水準 となっている。10日以降の上昇率は9.3%となっている。

アバディーン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 ヒュー・ヤング氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 決算期について「予想外に好調だ。4-6月期は最悪となると予想さ れていたが、最悪の事態には至っていない」と語った。

一方、ダウ・ユーロ50種株価指数は前日比0.4%高、ダウ・欧 州50種株価指数は0.2%上げた。

米住宅価格

米連邦住宅金融局(FHFA)が22日発表した5月の住宅価格 指数は前月比0.9%上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト16人の予想中央値は0.2%低下だった。

スウェーデン2位の電話会社、テレ2は8.8%上げた。同社の 第2四半期の純利益は11億4000万スウェーデン・クローナと、ア ナリスト予想の9億4500万クローナを上回った。前年同期は5400 万クローナの赤字だった。

英銀バークレイズが3.1%下落するなど、銀行株は総じて安い。 モルガン・スタンレーの4-6月期赤字が市場予想より大幅だったほ か、ウェルズ・ファーゴの不良債権が4-6月期に増加したことが材 料視された。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ10年債相場が前日からほぼ変わらず。6 月のフランスの消費者支出がここ5カ月で最大の伸びとなったことを 受け、リセッション(景気後退)が和らぎつつあるとの見方が強まっ た。

ドイツの欧州経済研究所センター(ZEW)が、同国経済は信用 不足から打撃を受けている兆候はみられないとの見解を示したことを 受け、独10年債利回りは一時上昇した。前日の取引では、バーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が長期にわたり緩和的な金融 政策を継続する意向を表明したことから、同利回りは最大6ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。

クレディ・スイス・グループのシニア債券ストラテジスト、ミヒ ャエル・マルコビッチ氏(チューリヒ在勤)は、「景気回復の話を信 じたいならば、国債への投資比率を引き下げる必要がある」と述べた。 また、「FRB議長発言を受けた前日の相場上昇は行き過ぎだったよ うだ」とも語った。

ロンドン時間午後5時半現在、10年債利回りは3.37%。上げ 幅は1bp未満だった。同国債(表面利率3.5%、2019年7月償 還)は前日比0.04ポイント下げ101.03。2年債利回りは2bp上 昇し1.26%となった。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が下落。イングランド銀行(英中央 銀行)が今月9日に開いた金融政策委員会(MPC)の議事録を公表。 資産買い取りによる量的緩和の規模を拡大せず、維持することを全会 一致で決定したことが明らかになり、売りが優勢となった。

ロンドン時間午後5時55分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ3.83%。同国債 (表面利率4.5%、2019年3月償還)価格は0.36ポイント下げ

105.29。2年債利回りは1.21%と、前日から2bp上昇した。

議事録によると、キング総裁ら9人から成るMPCは8月に発表 する新たな経済見通しを考慮しながら、買い取り規模を見直す方針を 決定した。MPCは9日の会合で政策金利を過去最低の0.5%に据 え置いた。

議事録は「国内総生産(GDP)の下振れリスクは当面、軽減し たようだが、MPCの中期的な経済見通しに変更を促すような証拠は 5月以来、ほとんど出ていない」と記述している。

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