スペインの住宅不況:賃貸料が下落、1950年代以来の供給過剰で

スペインでは、賃貸住宅の数が 過去2年間で55%増加して330万軒と、住宅省が2004年に統計を開 始して以来で最高となった。不動産調査会社イデアリスタ・ドット・ コムによれば、マドリードやバルセロナを含む都市部の賃貸料は7年 ぶりに下げに転じている。

イデアリスタの共同創業者で調査部門責任者のフェルナンド・エ ンシナール氏は「物件売却の必要があっても売ることができなかった 人が賃貸を余儀なくされている」と指摘。「これほどの数の賃貸物件 は1950年代以来だ」と述べた。

マドリードとバルセロナの賃貸料は、住宅価格の急上昇を受け て08年までの5年間にそれぞれ28%、56%上昇。住宅は1997年か ら2007年までに120%値上がりし、多くの国民が市場から締め出さ れた。

イデアリスタによれば今年は、マドリードの賃貸料が4.2%下 落し、1平方メートル当たり12.3ユーロ(約1600円)。バルセロ ナでは8%下げて12.6ユーロとなった。

住宅不況

欧州連合(EU)で01-07年に建設された新築住宅のうち、約 29%をスペインが占める。これに対し、同国の人口が占める割合はE U全体のわずか9%だ。その結果、150万軒の一戸建て・集合住宅が 売れ残り、過去10年にわたる不動産・建設ブームは終わりを迎えた。 両部門は07年には、同国の国内総生産(GDP)比約20%を占めて いた。

こうした住宅不況が発端となり、同国経済は過去60年間で最悪 のリセッション(景気後退)に陥り、失業率は19%とEU加盟国で最 悪となっている。最新の政府統計によれば、住宅販売件数は5月まで の1年間で3分の1余り減少した。EUの行政執行機関、欧州委員会 によれば、スペインの失業率は10年末までに20.5%に達する可能性 がある。

国際通貨基金(IMF)は同国の不動産価格が06年のピークか ら30%下落すると予想。シティグループのアナリストの推計では、す でに7%下落しているという。

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