慶応義塾:小中一貫校の新設延期へ-グローバル金融危機で

慶応義塾は創立150周年記念事業の 一環として予定していた小・中学校(横浜市青葉区)の開設時期の延期 を決めた。世界的な金融市場の混乱で財務が悪化したため。グローバル 金融危機の影響が日本の学校法人運営に影響を及ぼし始めた格好だ。

発表資料によると、慶応義塾は21日の評議委員会で延期を決定。新 たな開設時期については「可及的速やかに着工することを前提として現 在検討中」としている。5月に発表した2009年3月期決算では収入が 2319億円と前年比12%減少。株式、投資信託、債券、デリバティブなど 有価証券の期末含み損は366億円だった。

慶応大学は小泉純一郎元首相や、現在統合交渉を進めているサント リーホールディングスとキリンホールディングスの両首脳も含め多くの 政府首脳や企業経営者を輩出。6月には同大卒の持田昌典氏が日本法人 の社長を務める米ゴールドマン・サックスと新興国で活躍する女性経営 者教育事業の共同展開で合意した。08年に150周年を迎えていた。

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の吉村真木子アナリ ストは、「可能な限り支出削減に取組むのは財務基盤への影響を緩和す る上でポジディブだ」と述べた。その上で「慶応は外部からの研究費獲 得額が私大で最大で寄付金募集力もあり、志願者も多く競争力がある」 として、投資の含み損を十分吸収できるとみている。

日本では駒沢大学などほかの私大も慶応と同様、有価証券投資で損 失を計上。米国でもエール大学やハーバード大学などが金融危機の影響 で経費削減や事業の拡大計画の見直しを迫られている。慶応大学では資 産運用の一環としてヘッジファンド、REIT(不動産投資信託)、商 品などに投資していた。

S&Pは2004年に慶大に対し、日本の大学として初めて格付けを付 与、その水準は「AA」と最も高い。

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