7月21日の海外株式・債券・為替・商品市場 (訂正)

(米国株の終値を訂正します)

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが反発。6週間ぶりの安値を 付けた後、戻す展開となった。円もほとんどの通貨に対して上げた。 米商業金融CITグループが破産法に基づく会社更生手続きの適用を 申請する可能性は残っていると表明したことから、逃避先としての需 要が再び強まった。

ポンドはドルに対して下落。6月の英財政赤字が単月としては 1993年の統計開始以来で最大に拡大したことが背景にある。バーナ ンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は21日、景気には「安定 化への暫定的な兆候」がみられると指摘した上で、連邦公開市場委員 会(FOMC)はこの先も「長期間にわたり相当緩和的な金融政策を 継続する」と述べた。

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・ オズボーン氏(トロント在勤)は「これまでの動きはやや行き過ぎだ った。通貨が買われたら、それを抑える材料が出るといった具合に、 走っては止まる展開だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルはユーロに対して前 日比0.2%高の1ユーロ=1.4205ドル。一時は1.4277ドルと、6月 3日以来のドル安・ユーロ高水準を付ける場面もあった。前日は

1.4231ドル。ドルはこの日、円に対し0.5%安の1ドル=93円77銭 (前日は94円19銭)だった。円は対ユーロで0.7%高の1ユーロ= 133円17銭(同134円5銭)。

ニュージーランド(NZ)ドルは米ドルに対し、9カ月ぶり高値 を付けたものの、0.5%安で終了。豪ドルは対円で0.7%下げた。高 金利通貨の持ち高が減少するとの思惑が背景。日本の政策金利は

0.1%、米国は事実上のゼロ金利政策をとっている。一方、オースト ラリアは3%、ニュージーランドは2.5%。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは米ドルに対し、ほぼ変わらずの1米ドル=1.1067 カナダ・ドル。同国の株式相場は上昇していたものの、下げに転じた。

カナダ・ドルは一時、0.9%高の1.0966カナダ・ドルと、6月 11日以来の高水準を付ける場面もあった。カナダの輸出の半分以上 を占める原油の価格上昇が理由。

カナダ銀行(中央銀行)は21日、政策金利を過去最低の0.25% で維持することを決定した。同中銀はまた、カナダ・ドルの上昇が景 気回復の抑制要因になっていると指摘した。前回6月4日の会合では 自国通貨の上昇は景気回復の兆候を「完全に相殺する」との考えを示 していた。

INGファイナンシャル・マーケッツ(ニューヨーク)の自己勘 定取引ディレクター、マシュー・カッセル氏は「カナダ中銀は自国通 貨高について確固とした見解を持ち合わせていない」と語った。

ポンド

ポンドは0.6%安の1ポンド=1.6443ドル。英政府統計局(ON S)が発表した6月の英財政赤字は130億ポンド(約2兆100億円) に拡大した。景気低迷による税収減少と失業手当ての支給増加が背景。

スイス・フラン

スイス・フランはユーロに対し0.2%高となった。スイス国立銀 行(SNB、中央銀行)は21日、2009年4-6月(第2四半期)末 時点の外貨準備の保有高が少なくとも1997年以来の高水準となった と発表したものの、材料視されなかった。外貨準備の増大はスイス・ フラン高阻止で外貨を買い進めたことが要因。

フラン高が輸出を弱め、デフレの脅威につながったため、SNB は3月からフラン売り・外貨買い介入を始めた。

バーナンキ議長

バーナンキ議長は金融市場には今も「負荷がかかっている」と述 べ、長引く失業と住宅価値の下落を背景に一般家計の消費は景気見通 しにとって「重大な」リスクだと説明した。

バーナンキ議長の証言の一部として提出されたリポートによると、 金融政策当局者は労働市場が改善し、景気回復が軌道に乗り、さらに インフレを抑制している圧力が「消えた」場合には金融政策を引き締 めると述べた。

レークウッド・パートナーズのマネジングディレクター、マー ク・ジェプジンスキ氏は「バーナンキ議長は出口戦略の仕組みに関し て情報を提供した。今まで仕組みは問題とならなかった。市場が問題 視しているのはFRBが非伝統的な金融政策から脱却する意志がある のかどうかとその時期だ」と話した。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。建機大手キャタピラーの四半期利益が一部項 目を除くベースでアナリスト予想の3倍強に達したほか、バーナンキ 米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で景気安定化の兆し がみられると指摘したのが材料視された。

キャタピラーは7.7%高。ダウ工業株30種平均の上げをけん引 した。ダウ平均はこれで7営業日連続高、過去2年間では最長の上昇 記録となった。製薬のメルクも上昇。予想を上回る好決算が買い材料 だった。

金融株は下落、全体の上値を抑えた。商業金融のCITグループ が来月の社債買い戻しの結果次第では破産法に基づく会社更生手続き の適用の可能性を示したのが売りを誘った。このほかリージョンズ・ ファイナンシャルとザイオンズ・バンコープが貸し倒れの影響で四半 期決算で赤字を計上したのも嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の954.58。ダウ工業株30 種平均は同67.79ドル(0.8%)上昇の8915.94ドルで終了した。ダ ウは7月10日以来9.4%上昇した。

米ブリンマー・トラストで25億ドルの資産運用に携わるエリッ ク・ソーン氏は「四半期決算は、大半の投資家が予想していたよりも 企業の経営状態が良好なことを示唆している。これは景気回復の初期 段階にある兆候だ」と述べた。

企業決算見通し

ブルームバーグがまとめたデータによると、今月8日以降に四半 期決算を発表したS&P500種採用企業70社の1株当たり利益は平 均でアナリスト予想を14%上回った。

ブルームバーグのまとめた予想では、アナリストは第2四半期の S&P500種採用企業の決算を平均33%の減益、7-9月期は同 20%の減益と見込んでいる。

キャタピラーが発表した4-6月(第2四半期)決算は、一部項 目を除く1株当たり利益72セントと、アナリスト予想(22セント) を大きく上回った。政府の景気対策や信用市場の改善が需要の安定化 に寄与した。同社は通期利益予想を上方修正した。

メルク

メルクは6.1%高。同社が21日発表した第2四半期決算は、一 部項目を除いた1株当たり利益は83セントと、ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたアナリストの予想平均(77セント)を上回った。

石油のエクソンモービルは上昇。ニューヨーク商業取引所(NY MEX)の原油先物8月限は前日比1.2%高の1バレル=64.72ドル で終了した。この日は一時、値下がりする場面もあった。

クレディ・スイス・グループはこの日、投資家に株式の保有を増 やし、国債を減らすよう助言。前月とは反対のポートフォリオ推奨と なった。同銀は年末までのS&P500種見通しを1050と、従来予想 から14%上方修正した。経済指標の結果が良好になってきたことや 企業利益の改善を上方修正の理由に挙げた。

S&P500種は3月9日の12年ぶり安値からこれまでに41%値 を戻した。

◎米国債市場

米国債相場は続伸し、約2週間ぶりの上昇率となった。米連邦準 備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が議会証言で、「インフレ 圧力は限定されている」として、この先も「長期間にわたり」政策金 利をゼロ近辺に維持できる余地があると述べたことが背景。

10年債利回りは5日ぶりの低水準まで低下。バーナンキ議長が、 景気は「安定化への暫定的な兆候」がみられるとした一方、過去最大 規模の財政赤字が景気回復へ脅威を与え始めるだろうと指摘したこと にも反応した。FRBはこの日、2016から2018年に償還期限を迎 える国債70億ドル相当を買い取った。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービ ッド・コード氏は「長期債がベストな投資先だ」と指摘。「インフレ を懸念する実質的な理由は何もない上、当局はそれに対処する用意が できている。長期債にとって常に安心感となる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時22分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.48%。一時は3.45%まで下げ る場面もあった。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償還)価 格は31/32上げた97 1/32。

30年債の利回りは前日比13ベーシスポイント低下した4.39%。

安定化、成長

バーナンキ議長は米下院金融委員会での半期金融政策報告で「財 政安定化に向けた力強い取り組みを実施しない限り、金融安定化も永 続的な経済成長も達成できない恐れがある」と警告した。

金融政策当局者は同議長証言の一部として提出された同報告で、 労働市場が改善し、景気回復が軌道に乗り、さらにインフレを抑制し ている圧力が「消えた」場合には金融政策を引き締めると述べた。

RBSセキュリティーズの国債戦略責任者、ウィリアム・オドネ ル氏は「今後2年間、インフレは低水準か、もしくは抑制されるとの 見通しだ」と指摘。「著しい失業率や住宅価格の低下など相当規模の 経済のたるみ(スラック)が存在する上、信用市場は依然幾分の圧力 を受けている。こうした状況は国債相場にとっての好環境につなが る」と述べた。

国債相場はまた、米商業金融CITグループ株が前日比21%下 落したことを受け安全逃避先として買いが入った。同社はこの日、来 月の社債買い戻しの結果次第では破産法に基づく会社更生手続きの適 用を申請する可能性があるとの見解を示した。

長期間にわたって

米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月、政策金利をゼ ロから0.25%の範囲に引き下げた後、同水準に維持している。BN Pパリバ・セキュリティーズの米国債トレーディング責任者、ジェフ リー・フェイゲンウィンター氏は「金利は長期間にわたって低水準で 維持される」と指摘。「投資家らは長期債を購入している。利回りを 求めている」と述べた。

10年債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は10ベーシ スポイント縮小し1.79ポイント。同利回り格差は消費者物価の見通 しを反映する。前日は1カ月ぶり高水準の1.89を付けた。過去5年 間の同格差平均は2.21ポイント。

米政府とFRBが景気と信用市場の再生に向けこれまでに費やし た資金規模は、融資や約束した金額を含め総額12兆ドルを超える。 米議会予算局によると、今年の財政赤字は1兆8500億ドルに達する 見込みで、同国実質国内総生産(GDP)の13%に相当する。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長の発言とドル高を背景に代替投資としての需要が弱 まった。

バーナンキ議長は21日、米下院金融委員会での半期金融政策報 告で、「長期間にわたり相当緩和的な金融政策を継続する」と発言。 「インフレ圧力は限定的」とも述べた。インフレが加速した場合の価 値保存手段として金を買う投資家もいる。

キトコ・メタルズのアナリスト、ジョン・ナドラー氏(モントリ オール在勤)は「投資家は長い間、リターンを渇望しており、どのよ うな小さい明るい経済ニュースにも飛びついて、リスク資産に買いを 入れている。今のところ、金はドルとの関係を材料に動いている」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 8月限は前日比1.90ドル(0.2%)安の1オンス=946.90ドルで取 引を終了した。一時は0.5%高となる場面もあった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸。建設機器メーカー世界最大手の米 キャタピラーがこの日発表した4―6月(第2四半期)決算がアナリ スト予想を上回り、世界最大の燃料消費国である米国でリセッション (景気後退)が和らいでいることが示唆された。

キャタピラーは、政府の景気対策や信用市場の改善が需要の安定 化に寄与したと説明。S&P500種株価指数構成銘柄のうち、8日以 降に決算を発表した70社は1株利益が市場予想を平均で14%上回っ た。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では、米原油在庫は先 週減少したと見込まれている。

コンフルーエンス・インベストメント・マネジメント(セントル イス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は「発表 される企業決算はどれも市場の予想以上だ」と指摘。「結局は景気が ものをいう。景気動向のいかなる改善でも原油相場にはプラスにな る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比0.74ドル(1.16%)高の1バレル=64.72ドルで終了した。年初 来では45%の値上がり。

◎欧州株式市場

欧州株式市場では、ダウ欧州600指数が7営業日連続で上昇し、 2007年8月以来で最長の上げとなった。キャタピラーやコカ・コー ラ、コネなどの欧米企業がこの日発表した四半期利益がアナリスト予 想を上回ったことが材料となった。

英小売りのウィリアム・モリソン・スーパーマーケッツは利益が 予想を上回るとの見通しを示したことが好感され、買われた。ドイツ の化学品メーカー、BASFは2.3%上昇。同業の米デュポンの利益 が予想を上回ったことがきっかけ。フィンランドのエレベーターメー カー、コネは3週間で最大の値上がり。

欧州ダウ600指数は前日比0.8%高の215.02と、昨年11月10 日以来の高値で引けた。同指数を構成する19産業グループのうち金 融銘柄を除く18グループが上昇した。同指数は10日以降では9%上 げている。

KBLリシュリュー・ゲション(パリ)の証券アナリスト、シク ン・ダン氏は「米国と欧州の企業決算はこれまでのところ極めて良好 だ」と述べ、キャタピラー決算は「極めて良く、株式相場の上昇要因 だった。キャタピラーはマクロ経済の活動を測る良い目安だ」と付け 加えた。

建設機器メーカー世界最大手の米キャタピラーがこの日発表した 4-6月(第2四半期)決算は、純利益が3億7100万ドルとなった。 政府の景気対策や信用市場の改善が需要の安定化に寄与した。

21日の西欧市場では、18カ国中15市場で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種株価指数は前日比0.8%高、ダウ・欧州50種株価 指数は0.6%上げた。

コネ、ノキア

コネは5.1%上げた。同社の4-6月期の営業利益は1億4630 万ユーロと、野村ホールディングスの予想値である1億3280万ユー ロを上回った。

フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは2.5%下落した。モ ルガン・スタンレーが競争激化を理由に、同銘柄の投資判断を「オー バーウエート」から「アンダーウエート」に引き下げたことが嫌気さ れた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が上昇。米商業金融のCITグル ープが早ければ来月にも破産法に基づく会社更生手続きの適用を申請 する可能性があるとの見解を示したほか、バーナンキ米連邦準備制度 理事会(FRB)議長が、長期にわたり緩和的な金融政策を継続する 意向を表明したことが材料となった。

独10年債利回りは1カ月ぶり高水準から下げに転じた。CIT が「現在の手元資金」では8月17日に期限を迎える債券償還を実施 するのに足りないとの見解を示した。

バーナンキ議長はこの日、米下院金融委員会での半期金融政策報 告で、「現実的な景気後退や抑制されたインフレ圧力を考慮し、金融 政策の中心は引き続き景気回復の促進になる」と語った。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「リスク回避は決して遠ざかることはない。CITの例 にあるように、ちょっとしたことで物事は悪くなるものだ」と語った。

ロンドン時間午後6時4分現在、10年債利回りは前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01)下げ3.37%。同国債(表面利 率3.5%、2019年7月償還)は0.32ポイント上げ101.00。2年債利 回りは3bp低下し1.24%となった。

◎英国債市場

英国債市場では10年債相場が上昇。バーナンキ米連邦準備制度 理事会(FRB)議長が議会で、長期間にわたって相当な緩和政策を 継続すると発言したことから、朝安から方向を転じた。

バーナンキ議長は米下院金融委員会での半期金融政策報告で、景 気には「安定化への暫定的な兆候」がみられると指摘した上で、連邦 公開市場委員会(FOMC)はこの先も「長期間にわたり相当緩和的 な金融政策を継続する」と述べた。

朝方の取引では相場が下落。イングランド銀行(英中央銀行)の ビーン副総裁が、資産購入プログラムからの出口戦略の第一歩として、 利上げの可能性を示唆したとのノッティンガム・イブニング・ポスト の報道が手掛かりとなった。

ロンドン時間午後4時45分現在、10年債利回りは前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ3.78%。同国債(表面 利率4.5%、2019年3月償還)価格は0.44ポイント上げ105.80。2 年債利回りは1.20%と、前日からほぼ変わらず。

JPモルガン・チェースはインフレ率が上昇すれば金融政策委員 会(MPC)は来年、利上げに向かうとみており、2年債の売りを推 奨している。

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