山口日銀副総裁:再延長は予断持たず判断-企業金融支援

日本銀行の山口広秀副総裁は22 日午前、函館市内で講演し、12月末に期限を延長した企業金融支援策 を再延長するかどうか、予断を持つことなく、「今後の企業金融や金融 市場の展開を注意深く点検した上で、適切なタイミングで判断してい きたい」と語った。

山口副総裁は「こうした異例の措置をいつ、どのような形で終了 するかということも重要な政策課題だ」と言明。その場合、「企業金融 や金融市場の動向、各措置の効果をしっかりと点検していく必要があ るし、市場に無用の混乱を生じさせないためには市場参加者が先行き の対応を予測できるような形とすることも重要」と述べた。

日銀は今月15日開いた金融政策決定会合で、9月末に期限が来る コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れ、企業金融支援特別 オペを12月末まで延長することを全員一致で決定した。景気の現状に ついては「下げ止まっている」として、「大幅に悪化した後、下げ止ま りつつある」とした前月から情勢判断を前進させた。

6月15、16日の金融政策決定会合では、ある委員が「臨時・異例 の措置の解除に向けて具体的な検討を行っていくべき」と述べた。ア ールビーエス証券の西岡純子チーフエコノミストは「主要国中央銀行 が総じて出口に向けてかじを切り始めたとみえる」としながらも、「日 銀は景気や物価見通しについて慎重な見方を示しており、低金利持続 に対するコミットメントは維持するだろう」とみている。

景気はなお不確実な面が大きい

山口副総裁は景気の先行きについて「わが国経済の回復力は、現 在の在庫調整が一巡した後、財政政策などの助けなしに民間の最終需 要、すなわち輸出や消費、設備投資が自らの力でどれだけしっかりと 持ち直していくかということに依存している」と指摘。この点は「現 時点ではなお不確実な面が大きい」とした上で、景気は「下向きに振 れる可能性により注意が必要な状況にある」と語った。

消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇率につ いては「日銀では中心的な見通しとして、物価のマイナス幅はいった ん拡大するものの、本年度後半以降は景気の持ち直しに伴い、物価の マイナス幅も縮小していく姿を想定している」と述べた。

山口副総裁は、物価下落が景気を悪化させ、そうした景気の悪化 がさらなる物価下落をもたらすデフレスパイラルにつながらないよう にすることが「何よりも大事」と指摘。その上で、「現時点では、わが 国経済がデフレスパイラルに陥り、物価安定の状態からどんどん離れ ていってしまう可能性は低いと考えている」と語った。

31日には6月のコアCPIが発表される。UBS証券の会田卓司 シニアエコノミストは前年同月比1.7%低下と、前月(同1.1%低下) からマイナス幅が一段と拡大すると予想。「大幅な物価下落は景気減速 の深刻さと正常化までの課題の多さを示すだろう」としている。

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