東京外為:円強含み、米商業金融めぐる懸念くすぶる-リスク投資慎重

東京外国為替市場では円が強含 みに推移した。米商業金融CITグループの破たん懸念が再燃してい ることから、投資家の間でリスク投資に慎重な姿勢が強まり、円の買 い戻しに圧力がかかった。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、米 国では今後、商業ローンの延滞やデフォルト(債務不履行)がじわじ わと経済に重くのしかかってくる可能性があると指摘。米景気の先行 きについて、「楽観的にはみていない」として、足元は米長期金利の 低下を背景にドル安・円高に圧力がかかりやすいと説明している。

ドル・円相場は早朝の取引で1ドル=93円81銭を付けたあと、 円が下げ渋り、93円40銭まで水準を切り上げる場面がみられた。 ただ、午後の取引では日本株がプラスを維持して推移したことから、 円買いの動きも限定され、93円台後半を中心にもみ合った。

ユーロ・円相場は午前の取引で一時1ユーロ=132円51銭と、 ニューヨーク時間午後遅くに付けた133円36銭から円高が進行。午 後の取引では円が伸び悩みとなり、133円ちょうどを挟んだ水準で取 引された。

米CIT破たん懸念が再燃

CITは21日に4-6月の決算が15億ドルを超える赤字にな ったもようだとして、来月の社債買い戻しの結果次第では破産法に基 づく会社更生手続きの適用を申請する可能性があるとの見解を示して いる。

さらに、複数の関係者の話によると、同社は、米複合大手ゼネラ ル・エレクトリック(GE)が申し出ていた融資提供の話を断ったこ とが伝わっている。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、CITについて 一度は破たんが回避されるだろうという安心感が出ていただけに、ネ ガティブ・サプライズになっていると指摘。破たんが真実味を帯びて くれば、株の下押し圧力になってくる展開が警戒されるとしている。

東京市場では円以外の主要通貨に対してリスク避難的なドルの買 い戻しも進んでおり、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.4174ド ルと、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.4226ドルからド ルが水準を切り上げる場面がみられた。

また、21日には、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナン キ議長が下院金融委員会での半期金融政策報告で、「景気下降ペース は著しく減速したようだ」としながらも、低金利政策を継続する可能 性に言及。米国債の買いにつながっており、リスク投資に慎重な姿勢 が裏付けられた。

アジア株ほぼ全面高でリスク回避鈍化

一方、21日に発表された米企業の4-6月期決算は、コンピュ ーター・電子機器大手のアップルが市場の予想を上回る増収増益とな るなど、良好な内容が目立った。

米株式相場はマイナス圏から徐々に回復し、プラスを維持して取 引を終了。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は昨年9月以来の 水準まで低下している。

また、米企業の決算良好を受けて、需要が低迷するとの懸念が和 らぎ、原油相場が続伸。リスク回避の動きが限定的となる可能性も残 る。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、米商業 金融をめぐる懸念に対して、株式市場は落ち着いていると指摘。円の 上値は切り上がっているものの、一段高を試すような展開にもなりに くいとみている。

この日の東京株式市場では、日経平均株価がプラスを維持して取 引を終了。アジアの株式市場はほぼ全面高の展開となっており、午後 の取引にかけては、円の買い戻しが鈍化。ドル・円、ユーロ・円とも に、午前に形成されたレンジ内での動きにとどまった。

--取材協力:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,

Joji Mochida

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