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米国民の負債残高が52年以来の減少、失業率上昇で貯蓄志向高まる

トルーマン元大統領の在任中以来で 初めて米国民の借金が減少している。米財務省が過去最大規模の国債発 行を進め、失業率上昇に伴って貯蓄率が高まるなか、低金利の持続につ ながる一つの現象かもしれない。

ブルームバーグがまとめたデータによると、失業率が6月に9.5% に上昇した一方で、1-3月(第1四半期)の家計の借入残高は税引き 後所得に対する比率が128%と、前年同期に記録した過去最高の133% から低下した。ゴールドマン・サックス・グループの試算では個人と事 業会社、連邦・州・地方自治体の債務総額の伸び率は年初に4.3%と、 過去最高だった2005年10-12月(第4四半期)の9.9%から低下した。

ゴールドマンの米国担当主任エコノミスト、ジャン・ハッチウス氏 はインタビューで「このような低下は経験したことがない」と述べ、 「強い痛みを伴う調整が見られる」と指摘した。同氏によると、家計と 事業会社の1-3月の債務残高は0.7%減と、トルーマン元大統領在任 時で政府統計が開始された52年以来初の縮小となった。

銀行の米国債買い

米連邦準備制度理事会(FRB)によると、5月の消費者信用残高 は年率換算1.6%減の2兆5200億ドルだった。IHSグローバル・イ ンサイトのマネジングディレクター、サラ・ジョンソン氏によれば、米 国の家計は世界の国内総生産(GDP)の17%を占めるだけに、消費 減少で第2次大戦以来最悪の世界同時不況からの回復は遅れる恐れがあ るという。

一方で、失業率の上昇で5月の米貯蓄率は6.9%と、93年12月以来 の高水準となった。銀行は預金を新規融資の設定に利用せず国債市場に 投じているため、米国債利回りは抑制されている。

FRBによると、銀行が保有する米国債とファニーメイ(連邦住宅 抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の住宅ローン担 保証券(MBS)の残高は7月8日終了週に計1兆3300億ドルに達し、 前年同期比で16%増加した。

指標10年物米国債(表面利率3.125%、償還2019年5月)の利回 りは今月20日時点で3.61%と、ブルームバーグがまとめたアナリスト 63人の年末予想平均の3.72%を下回る水準。過去20年の平均は

5.64%。

バークレイズ・キャピタルのロバート・マカディー氏(ロンドン在 勤)は16日の投資家向け電話会議で、「銀行のバランスシートにある現 金の水準からみて、国債利回りは低下が続くだろう」と予想した。

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