米国債:続伸、FRB議長のインフレ限定発言で

米国債相場は続伸し、約2週間 ぶりの上昇率となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナン キ議長が議会証言で、「インフレ圧力は限定されている」として、こ の先も「長期間にわたり」政策金利をゼロ近辺に維持できる余地があ ると述べたことが背景。

10年債利回りは5日ぶりの低水準まで低下。バーナンキ議長が、 景気は「安定化への暫定的な兆候」がみられるとした一方、過去最大 規模の財政赤字が景気回復へ脅威を与えはじめるだろうと指摘したこ とにも反応した。FRBはこの日、2016から2018年に償還期限を 迎 える国債70億ドル相当を買い取った。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービ ッド・コード氏は「長期債がベストな投資先だ」と指摘。「インフレ を懸念する実質的な理由は何もない上、当局はそれに対処する用意が できている。長期債にとって常に安心感となる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時22分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.48%。一時は3.45%まで下 げる場面もあった。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償還) 価格は31/32上げた97 1/32。

30年債の利回りは前日比13ベーシスポイント低下した4.39%。

安定化、成長

バーナンキ議長は米下院金融委員会での半期金融政策報告で「財 政安定化に向けた力強い取り組みを実施しない限り、金融安定化も永 続的な経済成長も達成できない恐れがある」と警告した。

金融政策当局者は同議長証言の一部として提出された同報告で、 労働市場が改善し、景気回復が軌道に乗り、さらにインフレを抑制し ている圧力が「消えた」場合には金融政策を引き締めると述べた。

RBSセキュリティーズの国債戦略責任者、ウィリアム・オドネ ル氏は「今後2年間、インフレは低水準か、もしくは抑制されるとの 見通しだ」と指摘。「著しい失業率や住宅価格の低下など相当規模の 経済のたるみ(スラック)が存在する上、信用市場は依然幾分の圧力 を受けている。こうした状況は国債相場にとっての好環境につなが る」と述べた。

国債相場はまた、米商業金融CITグループ株が前日比21%下 落したことを受け安全逃避先として買いが入った。同社はこの日、来 月の社債買い戻しの結果次第では破産法に基づく会社更生手続きの適 用を申請する可能性があるとの見解を示した。

長期間にわたって

米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月、政策金利をゼ ロから0.25%の範囲に引き下げた後、同水準に維持している。BNP パリバ・セキュリティーズの米国債トレーディング責任者、ジェフリ ー・フェイゲンウィンター氏は「金利は長期間にわたって低水準で維 持される」と指摘。「投資家らは長期債を購入している。利回りを求 めている」と述べた。

10年債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は10ベーシ スポイント縮小し1.79ポイント。同利回り格差は消費者物価の見通 しを反映する。前日は1カ月ぶり高水準の1.89を付けた。過去5年 間の同格差平均は2.21ポイント。

米政府とFRBが景気と信用市場の再生に向けこれまでに費やし た資金規模は、融資や約束した金額を含め総額12兆ドルを超える。 米議会予算局によると、今年の財政赤字は1兆8500億ドルに達する 見込みで、同国実質国内総生産(GDP)の13%に相当する。

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