ヤマハ株1カ月ぶり上昇率、対ユーロ円安で採算改善期待

楽器で世界最大手のヤマハの株価 が連騰。第1四半期(2009年4-6月)の連結営業赤字が計画に比べ 拡大したとの観測が出たものの、為替の円安傾向や景気回復から第2四 半期以降の業績改善を見込む買いが優勢となった。またアナリストの間 からは、観測報道ほど業績は悪化しなかったとの見方も出ている。

一時、前週末比4.6%高の1139円まで上げ幅を拡大、日中の上昇 率としては6月12日の7.3%高以来、約1カ月ぶりの大きさだった。

18日付の日本経済新聞朝刊によると、同社の4-6月期の連結営 業赤字は8億円になったもよう。主力の楽器事業は不振が続く国内と米 国の販売回復が遅れたほか、欧州も景気後退の影響で落ち込んだ。

会社側は4-6月期の営業赤字を7億円と見込んでおり、同報道は 計画に対して赤字額が14%拡大する内容。同社・経営企画室の長谷川 清貴氏は足元の売り上げ状況について「楽器事業で欧州向けが悪くなっ ているうえ、住宅着工低迷の影響で住宅設備も良くない」と説明した。

もっとも、海外売上比率が約5割に達し、欧州、アジア・パシフィ ック、北米の中では欧州が18.9%(09年3月期)と最も高い同社にと って、業績への影響が大きいユーロが対円で強含んでいる点はプラスだ。

3カ月前に為替リスクを予約ヘッジするため、4-6月期はユーロ 安・円高局面での予約だった。しかし、1月に1ユーロ=112円までユ ーロ安が進んだユーロ・円相場は4月から130円を中心に推移してお り、「7-9月期以降は計画に対してプラスの影響が出てくる」(長谷 川氏)という。今期の想定為替レートは1ユーロ=120円。1円円安に なれば、年間4億円弱の営業利益押し上げ効果となる。

大和は営業損益均衡への改善示唆

一方、大和総研の三浦和晴アナリストはブルームバーグ・ニュース の取材に対し、「業績観測はもともとの会社計画を記事化したものだ」 と指摘。しかし実際は、楽器を中心に4-6月は合理化効果が意外に出 ているようだとし、「営業損益はゼロ近辺まで改善した可能性がある」 と予想した。

さらに、4-6月期は楽器需要の非需要期である上、為替水準も予 約の関係から判断して最も円高の時期に当たるとし、「年間を通じて業 績的には最悪に近い時期」と、三浦氏は見ていた。

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