米CITグループ:債券保有者から30億ドルの緊急融資確保

米商業金融CITグループは20 日、債券保有者が30億ドル(約2800億円)の緊急融資の提供に合意 したと発表した。同社は経営破たん回避のための再建計画をまとめる 時間を確保した格好だ。

CITの電子メールによる発表資料によると、30億ドルの担保貸 付の期間は2年半。そのうち20億ドルは20日から利用可能で、残り 10億ドルも10日以内に使用できる見通し。

過去8四半期で計30億ドルの損失を計上した同社は、2回目の米 政府支援を申請したが却下されていた。同社はダンキン・ブランズや エディー・バウアーを含む約100万社を顧客としている。米格付け会 社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月16日、CITが経 営破たんする公算が大きいとの見方を示していた。CITは来月に10 億ドルの中期証券の満期を迎える予定で、投資家にこれらの証券を1 ドル当たり82.5セントで交換するよう要請している。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのアナリスト、ハンク・キャレ ンティ氏は発表前に「時間稼ぎになるなら良いことだ」と述べ、「C ITは起業家や中小企業など、他社が手を出さないところに融資して いるため、同社が破たんすれば至る所に痛みが広がるだろう」と予想 していた。

モデルの「修復」必要

かつて独立系商業金融として米国最大だったCITは、ニューヨ ーク証取の2007年2月時点の株価が61ドルを上回っていたが、株価 は現在2ドルを割り込んでいる。

クレジットサイツのアナリスト、アダム・スティア氏は、債券保 有者によるCIT救済について、「21日の破産法適用申請はないこと を意味する」と指摘。「CITの資金調達モデルは修復されておらず、 株式保有者が一掃される可能性が高いと引き続き考えている」と述べ た。

8月償還予定の債券を7月中に交換する投資家のレートは額面1 ドル当たり82.5セントで、その後は同80セントとなる。この案は90% の承認を必要とする。

米金融取引業規制機構(FINRA)の債券価格報告サービス、 トレースによると、CITの変動利付債(発行額10億ドル、8月償還) の価格は額面1ドル当たり87.5セントに上昇した。16日には同63セ ントまで下落していた。

PIMCOの持ち分

CITによると、バークレイズ・キャピタルが緊急融資を取りま とめている。事情に詳しい関係者1人によると、融資に合意した債券 保有者は、ボストンに拠点を置くヘッジファンドのボーポスト・グル ープやキャピタル・リサーチ・アンド・マネジメント、センターブリ ッジ・パートナーズ、オークツリー・キャピタル・マネジメント、債 券ファンド世界最大手のパシフィック・インベストメント・マネジメ ント(PIMCO)、シルバー・ポイント・キャピタルなどだという。 これらのファンドの広報担当に取材を試みたが、回答は得られていな い。

当局への届け出によると、PIMCOが最も多くのCIT債を保 有する。

CITは、住宅ローンや学生ローン、法人顧客向けの与信の損失 で苦境に陥った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータによれ ば、来月償還の変動利付債は10億ドル相当、来年満期を迎える債務は 100億ドル相当で、これには21億ドルの信用枠(来年4月満期)が含 まれる。

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