債券相場は下落、米景気期待で株高-20年債入札前にスティープ化

債券相場は下落(利回りは上昇)。 米国で景気回復期待を反映した株高が続くなか、国内市場の株価も続伸 したことから債券売りが優勢となった。現物市場では新発10年国債利 回りがほぼ3週間ぶりの高い水準をつけたほか、あすの20年国債の入 札を前に利回り曲線にはスティープ(傾斜)化圧力がかかった。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国の企業 決算からは危機感が高まっておらず、20年債の入札前というタイミン グも重なって売りが膨らんだといい、「10年債利回りでみて1.2%台 はやや買われすぎとの認識が強まったのではないか」とも指摘した。

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比20銭安い138円38銭 で始まり、株高を受けた売りが膨らむと138円24銭をつけた。その後、 株高の勢いが鈍るといったんは138円50銭まで下げ幅を縮めたが、午 後に入ると再びじり安に推移しており、結局は36銭安の138円22銭 でこの日の安値引けとなった。日中売買高は2兆4899億円。

東京市場の3連休中の米国では株価が続伸したことから、この日 の国内市場では日経平均株価が2週間ぶりに9600円台を回復してお り、内外株高をにらんで債券市場では先物主導で売りが優勢となった。 トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、企業 業績の発表などを受けて米国では景気に対する安心感が広がり、これ を受けた日米株高が国内債市場で売り材料視されたという。

20日の米株市場でダウ工業株30種平均は6営業日続伸。6月の 景気先行指標総合指数(LEI)が3カ月連続で前月比プラスを記録 するなど、最近の経済指標が比較的に良好であるほか、企業業績の好 調ぶりを評価する見方が広がったことが買い材料視されていた。

10年債利回りは1.36%

現物市場で新発10年物の302回債利回りは、17日の終値1.32% より2.5ベーシスポイント(bp)高い1.345%で始まり、直後には

1.355%まで売り込まれた。株高の勢いが鈍ると2bp高の1.34%まで 戻していたが、午後に入って再び売りが優勢となると4bp高の1.36% をつけ、新発10年債として1日以来の高い水準を記録した。

東京市場は総じて手がかり難となるなか、株高を背景とした先物 売りに追随して現物市場でも売りが広がった。BNPパリバ証券の山脇 貴史シニア債券ストラテジストは、株価が再び騰勢を強めるなかで債券 先物に売りが膨らみ、現物債も長期や超長期ゾーンの相場が崩れたとい い、「20年債の入札が低調な結果となるようだと、10年債利回りが

1.4%付近まで売られる可能性も出てきた」との見方を示した。

午後4時10分現在において、5年物の84回債利回りは3bp高の

0.695%であるのに対して、10年物の302回債は4bp高い1.36%、 20年物の111回債は4.5bp高い2.075%となり、利回り曲線にはステ ィープ化圧力がかかっている。

あす20年債入札、利率は2.1%か

財務省は22日に20年利付国債(7月債)の入札を実施する。今 回の入札から発行額は2000億円増額されて1兆1000億円程度となり、 表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い2.1%が有力だ。

新発20年債利回りは6月11日に昨年10月以来となる2.2%台に 乗せたが、その後ほぼ1カ月近くも低下基調が続いて一時は1.94%を つけた。その後の2週間程度の調整によって2.1%近くまで上昇したた め、相対的な割安感もあってあすの入札は無難との見方が多いが、BN Pパリバ証の山脇氏は市場センチメントの悪化に伴って買いが控えられ れば、入札結果がやや低調となるリスクもあると警戒していた。

6月は都市銀行が大幅買い越し

日本証券業協会が発表した6月の公社債投資家別売買高(短期証 券を除く)によると、都市銀行は2兆3261億円を買い越して、2カ月 連続で買い越しとなった。また、生保・損保が7カ月連続の買い越しと なり、地方銀行、信託銀行、信用金庫はいずれも6カ月連続で買い越し た。一方、農林系金融機関が1兆307億円と大幅な売り越しとなった ほか、外国人も小幅ながら3カ月連続で売り越していた。

6月中旬以降には短中期ゾーンが金利低下をけん引しており、新 発10年債利回りも11日の1.56%をピークとして、その後は20bp前 後も買い進まれる展開だった。BNPパリバ証の山脇氏は、都市銀行の 買いが金利を押し下げる力ずくの相場であったが、その後に金利水準が 低く推移するなかでは積極的な買いが期待できるわけでないという。

岡三アセットマネジメントの山田氏も、10年債の1.2%台はじめ 7月に入って以降のレベルでさらに債券残高を積み増すかとなるとやや 懐疑的だと指摘。「衆院選における民主党のマニフェストでは財政支出 の拡大が意識される可能性もあり、基本的には金利が上がる場面での押 し目買いに徹していくのではないか」との見方も示した。

--取材協力:池田祐美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,

Joji Mochida

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