米国債:相場上昇、FRB議長証言に期待-10年債3.61%

米国債相場は上昇し、利回りは ほぼ4週間ぶり高水準から低下した。米連邦準備制度理事会(FR B)のバーナンキ議長が21日の議会証言で、米史上最大規模となっ た金融緩和策の出口戦略について概要を示すとの観測が高まったこと が背景。

バーナンキ議長による議会への半期経済報告を控え、10年債利 回りは6日ぶりの大幅な下げとなった。議長証言はワシントン時間 21日 の午前10時に予定されている。アトランタ連銀のロックハー ト総裁はこの日、経済成長は「緩やかなペース」になるだろうとの見 通しを示した。また、世界最大の債権ファンド米パシフィック・イン ベストメント・マネジメント(PIMCO)は5年から10年物の国 債を購入すると明らかにしたことも相場の支援材料になった。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「債券相場はFRBが示す出口戦略を心待ちにし ており、これは米国債に多大な影響を及ぼすことになる」と指摘。 「ロックハート総裁は国債相場の支えとなる穏当な発言をし、米連邦公 開市場委員会(FOMC)による政策の現状維持と景気回復の遅れを示 唆した。バーナンキ議長もこれを繰り返すとの観測が浮上した」と述べ た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時19分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.61%。一時は3.72%まで上 昇する場面もあった。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償 還)価格は10/32上げた96。

ロックハート総裁は、米経済は「深刻な」リセッション(景気後 退)から安定を取り戻しつつあると指摘したが、消費者は引き続き貯 蓄を増やし、経済成長は「緩やかなペース」になるだろうとの見通し を示した。

複数の措置

ロックハート総裁はまたテネシー州での講演で「FOMCはこれ までに講じた政策を巻き戻すため複数の措置の用意ができている。こ れらの措置の活用が妥当になるまでにはまだ時間がかかる」と述べた。

バーナンキ議長は政策金利を過去最低水準に据え置くため、金融 システムへの資金供給と同様に吸い上げる際にも創造的な措置を講じ ることができると、米議会や投資家に示す必要がありそうだ。

ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール 氏によれば、議長の選択肢には、ターム物預金をFRBに設定する措置 などが含まれる可能性がある。これによりFRBは加盟銀行に準備資金 を貸し出すよりも連銀口座にとどめることを促すという。

一部投資家の間では既に、バーナンキ議長はインフレへの懸念か ら利上げを強いられるとの見方が強まっている。米フェデラルファン ド(FF)金利先物の動きによると、連邦公開市場委員会(FOM C)による来年1月までの政策金利引き上げ確立が50%を超えてい ることを示している。

バランスを取る

2015年から2019年にまでの市場のインフレ期待は先週2.79% と、年初時点の2.1%から上昇した。インフレ連動国債(TIPS) の取引に基づいて算出される同数値は2005年以降平均2.66%で推 移している。

BNPパリバ証券の金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏は 「バーナンキ議長は市場を動揺させることなくFOMCの政策を明確 にするという、非常に微妙なバランスを取る必要がある」と指摘。 「結局は、まだ景気後退を脱していない。議長はこれについても周知 させることが必要だ」と述べた。

PIMCOは期間5年から10年物の米国債を購入すると表明。 米国債の保有を減らすとしていたこれまでの方針を転換した。PIM COはウェブサイトで「米国債利回りが当社の予想レンジの上限付近 に達するなか、5年から10年物の国債保有を高める」と述べた。

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